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第23話 初めての魔法

お待たせしております。

やっと23話更新です。


※批評、評価、質問等何でも頂ければ嬉しいです。よろしくお願いします!

「よし。明日の楽しみが出来た所で……それで?御嬢さんたち御一行はこんな森の中で何をしてたんだ?」


シェールが佇まいを正してそう聞いて来た。


「私たちはギルドの依頼を受けてポーションの『復癒草』の採取の為にこの森に入ったの。そしたらあなた達がキラーアントに襲われているのを偶々見かけたって訳。」


うん……アイル団長……。

色々とエピソードを端折ったみたいだね。

そもそもアイルが道に迷った所から始まってますよ?


「実は、アイルが帰り道にまよ……ぐふぅ!!」


俺が道に迷った事を補足説明しようとするとアイルの肘打ちが俺の横っ腹に突き刺さった。

そして俺に耳打ちする。


「余計な事は言わなくていいの!!(コソッ)」

「………はい。」


こうして真実は闇に葬られるのだった…。

『真実は一つ!!』なんだけど明るみにされるかどうかは分からないんだなこれが。でもやっぱり迷ってる自覚はあったんだな……。無自覚だと怖いけど……。


「そうだったのか……。それで依頼は達成出来たのか?」

「ええ……。無事に終える事が出来ました。」


横っ腹を押えながら俺が答える。


「そうか。俺達はここで野営して行こうと思ってるんだが、よかったらお前たちも一緒にどうだ?その身なりじゃ野営する準備もしてないだろうから当然、俺達が用意させて貰うよ。命の恩人だしな。」


俺達は昼過ぎには依頼を達成してルク・スエルに帰り着く筈だったので装備は軽装、保存食など野営する道具も何も持っていないのだ。

……そう。『誰かさん』が道に迷った為に…。


「……ぐぉふぅ!!!」


俺がそんな事を思っているとアイルがボディブローを叩き込んできた。


「な、なんだよ!!」

「いや……別に。何となく。」

「何となくでボディブローを食らわせて来るなよ!!」


アイル団長…。相変わらず恐ろしい子…。俺の内情を呼んでやがるのか…?


「……で、アイル、どうする?」

「そうね。御言葉に甘えてあたし達もここで野営して明日帰りましょう。今から帰っても、もう街門は閉じてるだろうし……。」


そうして俺達3人とリーダー(仮)シェールが率いる『太陽の風』の4人で森の中で一夜を明かす事になった。


森の中で少し開けた場所を見つけるとそこに長めの枝を切り取り四方に突き刺して天幕を吊るすだけの簡易テントを作り終えると、テント正面に焚火を起こす。

そして自然とその焚火の周りを囲んで簡単な食事を始める。


食事……とは言っても、携帯食の保存食の為、干し肉がこれまた硬いしマズイししょっぱいで飲み込むのも一苦労だった。

そう言えば、ギルドのお姉さん、モンスターも食材になるとか言ってたな…。


……蟻とか……食えないよね…。

食事を終えると、あとは寝る準備だけとなる。


「見張り番は俺達4人でやるから、恩人の3人はぐっすり寝てくれていいぜ。」


リーダー(仮)のシェールがそんな殊勝な事を言ってくれる。

リーダーっぽい事出来るんだな……(仮)だけど。


「お前たち。いつも通り、1人2時間交代でいいな。」

「リーダー(仮)なんだからシェールだけ4時間してもいいよ。」

「………よし。皆2時間交代で決まりだな。」


あ……エチルさんの提案を無視した。

しかし俺は先ほどエチルさんと会話した魔法について試してみたい事があるので、俺も見張り番に加えて欲しい事を申し出る。


「恩人にそんな事はさせられない。勿論、これだけで恩を返せるとは思っていないが、気を遣わなくていいさ。」

「そうよ。私たちに任せていいよ?」


シェールとエチルがそう言うと、ジンとカバールも頷いている。


「大丈夫ですよ。俺もまだ寝れそうにないから最初の2時間だけ俺にやらしてくれないですか?恩はもっと大きな事で返して貰うので……フフ。」

「……え?な、何をさせる気?」


エチルさんが警戒する。


「……フフフ……何でしょうねぇ…。楽しみにしていてください。」

「俺達、金は余り持ち合わせてないぞ……?新装備を買ったばかりだし。」

「お金?そんな事じゃないですよ…。」

「……え?ま、まさか…。」


4人がお互に目くばせする。


「……変態って言ってたからまさかぁ!!俺達の身体が目的かぁ!!いいやぁぁ!」

「ちげぇえよ!!」


ただ魔法についてもっと教えて貰おうと思っただけだと伝えると4人は「なぁんだぁ」と胸を撫で下ろしていた。

エチルさんだけなら兎も角、何で野郎3人まで怯えてるんだよ…。

男色の気は毛頭ないぞ!いや、フラグとかじゃなく、マジでないから……。

期待しなくていいですからね?


「わかった。じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。」


リーダー(仮)シェールがそう言うと、俺を残して4人組は天幕だけの簡易テントに入り横になるとキラーアントから逃げ疲れていたのか、直ぐに寝息が聞こえてきた。


「パンツ……大丈夫なの?」


俺が最初の見張り番をする事になり外で待機していると、アイルが話しかけてきた。傍らにソフィちゃんもいる。


「ああ、大丈夫だよ。見張り番の仕方も以前、マゾン草原からメリッサ村に帰る時やルク・スエルに来る際にもアイルに教えて貰ったから大丈夫だと思う。何かあればすぐに起こすよ。」


この世界の常識を知らない俺でも一応、野営をする時には、見張りぐらいはやってきた。

不審な事が起きれば直ぐに仲間を起こす!これだけだ。

幸い、そんな事には今まで遭遇していないけれど。


「アイルもソフィちゃんも早く寝た方がいいぞ?寝不足は美容には大敵らしいからな?」

「何それ////……じゃ先に寝るね。お休み……。」

「おやすみなさ~い。」

「あぁ、二人ともお休み。」


………。


さて、皆寝静まったか…。

取りあえず今の状況を纏めるか。まず俺自身がビビる程の攻撃力だな…。

全く説明出来ない……。体力、スタミナについても疲れ知らずで動き回れる…。


「後、これだな……。」


俺はマップステータス画面を表示させる。

こいつだ。これはこの世界のマップを表示する事が出来るし、自分達の位置や驚異度によって相手のモンスターをマーカーで示す事が出来る。

他にこれで何かできるのか?キョロキョロん?


武具の鑑定も出来るのか……。

シェールの傍らに置いてある剣に目を向けるとそこに武器のステータスが表示された。


「あのリーダー(仮)が試し切りに使いたがった剣て……炎の魔力が付与されていたのか。」


どれどれ詳細は……剣に炎の魔力が付与されている事で敵の傷口を焼きただらせ回復を阻害する効果がある。


……結構エグイ武器なんだな……。防具類にも耐魔法効果が付与されているっぽい。

『物』にも魔法効果を付与する事が出来るのか……。

どうやって付与するんだろ?


『水革袋』みたいな感じなのかな?やり方しらんけど、ロマーデン?って都市に制作者がいるらしいから機会があれば行ってみて制作方法とか聞いてみたいな。教えてくれるかしらんけど。

そもそも会う事が出来るのか分からない。

きな臭い冥魔法使いみたいだしな。


さて、魔法についてだがエチルさんとソフィちゃんが言うには、兎に角イメージが大事らしい。

やっぱり詠唱は必要なのか?詠唱がイメージを増幅する役割をするのか?

う~ん、よく分からんが試しに詠唱とか知らんしイメージだけでやってみるか。何せ全属性の適正がある訳だしな!

取りあえず軽く……人差し指にライターの火が出る事をイメージしてみよう……。


『……ボッ!』


「おっ!ほんとに出た!ほんとに出たよ(笑)これが魔法か!はははッ」

こりゃ着火○ンいらずだなぁ。こりゃ便利!

火起しも必要ないしどこでも料理とか寒い日に暖を取り放題じゃん。

……。


火を思い通りに出せるのに屋外で料理とか暖を取る事を最初に想像する俺って……。

外でBBQとか冬に温かい食事とか最高じゃん!

学生の頃に真冬にバイクでツーリングした先で食べたカップ○ーメンとか美味しかったなぁ…。


この記憶、やっぱり本当だよね?カップラー○ン食べたくなってきた……。

世間ではシーフードが一番人気だが俺はノーマル派だ!!

指先の炎を見ながらシミジミとそんな事を思うと、先ほど携行食を食べたばかりなのに腹が『ぐぅ』と鳴る。


「そうか…おまえも食べたいんだな…。」


俺は腹をさすりながらそんな事を思う。


「はぁ…。麺類とかあるのかな?無ければ作りたいな…。パンがあるから小麦粉はあるだろうし……うどん、パスタも食べたいぞ!!よし!胡椒とか調味料以外の食材探しもしよう!!」


さてと……この指先の炎……消えるのか?

俺は炎が消えるイメージをするとフッと炎が消えた。

再度、炎が出るイメージをすると再び指先に炎が灯る。


何か火って見てると落ち着くよなぁ…。

俺はボーっと指先の炎を5分程見続けた。

……森の中で1人しゃがみ込んで炎をぼーっと見てる図ってヤバい奴だな……。

俺はふと我に返る。


この炎を大きくしたり、指向性を持たせたら攻撃魔法として使えるのかな?

俺が今、イメージしているのは火炎放射器だ。

俺は指先を4m先にある切株に向けて炎が放射されるイメージをする。


「……ん~……ほい!!(小声)」


俺は皆を起こさない様に小声でそう囁くと、指先から放たれた炎が一直線に切株に燃え移る。


「おぉぉお……面白いな。もっと強くイメージすると強力な魔法になるのか?」


俺はもっと炎のイメージを強くする。

一番初めに思い浮かんだのは………『核爆発』。

………うん……これはヤバい。ヤバすぎる。


このイメージ通りに発動するのか分からないが、やめておこう。

いや、使っちゃいけない。


無難にソフィちゃんが得意としているファイアランスをやってみようか。

あれならこの目でも見ているしイメージし易いしな。

ソフィちゃんのファイアランスは胸の辺りにいきなり炎が発現して飛んでいくんだよな。

よし。そのイメージで…。


「……ムムム。」


俺はソフィちゃんがルク・スエルに到着寸前で野盗どもを追い払った『ファイアランス』をイメージする。

すると丁度、腕を伸ばすぐらいの先…約1m前に炎が浮かび上がる。


「おお!出た!出た!出たよ!!よし…これを槍の形にイメー ………。」


…………。


ふと思った。

『かめは○波したい』……と。


俺はその目の前の炎に向けて両手首を併せて両腕を突き出すと手の動きに合わせて炎が付いてくる。

そしてそのまま両腕を腰だめに引きつけて……。


「けぇぁ~○ぇぇ~へぁあ~○ぇぇぇ~………へえぇぁぁあああああぁぁぁぁ!!!!!」


○沢○子さんばりの悪ふざけ演技で俺はニコニコ顔で疑似かめ○め波を放つ。

ビックリマークも余計に付けたぞ!!!


すると手の平から放たれた炎は一直線に放出され、目の届く範囲の森を焼き尽くした。延焼しないように手加減したから森林火災にはならない……と思いたい。


う~ん正に夢にまで見た○めはめ波だ!!

俺は一人、感動に打ち震えていると…。


「………何……やってるの?パンツ…。」


ビクッ!!え?誰?


魔法の威力パねェ…。

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