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『好き』から探す

 『農園』―――


 本日は晴天なり。

 そう言いたくなるほど澄み切った青空が広がっていた。

 辺りを見渡すと、まばらに植えてある木には様々な実が成っている。

 木々の側には立て札が植えられており、何が植えられているのか一目でわかるようになっている様だった。


「いい天気ね」


 空を見上げていた視線を手元にあるチラシに戻す。

 そこには「大好きな小説をオススメしよう!」と書かれており、この場所への地図等も書き込まれていた。

 私がこのチラシをツーちゃんから受け取ったのは数日前。

 特に興味があったわけではないけど「大好きな小説」という一文が気になって訪れることにしたのだった。


「こんな所でどうやってオススメを探すのかな?」


 周りを見渡すと、笑顔でスコップを片手に何かを植えている人々がいた。


「結構人がいるのね、何を植えているのかな?」


 丁度植えていた人に聞いてみようと近付いたところで、作業を終えてスタスタと歩いて行ってしまった。

 慌てて追いかけようとした時、ふと植えられた立て札が目の端に入り立ち止まった。そこには物語の名前と書架の場所が書かれていた。

 なんでこんな立て札が? と思った瞬間、植えられた場所からにょきにょきっと凄い勢いで木が生えてきた!

 私は驚きながら数歩後ずさる。


「な……なに?」


 こんなに早く生えてくる木なんて見たことがない。

 成長が止まったところで、恐る恐る幹に触れてみると温かい風の様なものが流れ込んでくるのを感じた。


「温かい……この感じ『レビュー棚』に似てるかも?」


 次第に怖かった気持ちもなくなり、自然と笑顔になっていた。


「そうか……植えていたのは、この物語が『好き』って気持ちだったのね」


 一人の『好き』がみんなの『好き』になって成長する木があるとは聞いていたけど、実際に見てみると変な感じだ。通称は確か『書評の木』だったかな。

 もう一度幹に触れてみると、温かい感覚と共に物語の感想が流れ込んでくる。


「ふむふむ、なるほど……こうやって『好き』を感じ取るのね」


 その後、何本かの木に触れて良さそうな物語をメモに取る。

 しかし、この数である手当たり次第で探していては日も暮れてしまう。仕方ないので、私は『サーチの魔法』を使うことにした。


 サーチの魔法 ----

 特定の条件を物を探す時に使う魔法で、図書館勤務の私としては必須魔法だ。

 ただ、ここは図書館ではないので上手くいくかはわからない。あの図書館は魔力が満ちているから使い放題なんだけど……。


「ファンタジーでサーチ!」


 主の好きなファンタジーで探すことにした私は早速サーチの魔法を展開した。

 広げた手に小規模ながらマップが浮かび上がり、さらに赤い点がいくつか浮かび上がった。

 普段とは比べられないほどの狭い範囲だったけど、こちらでもサーチの魔法は使えるみたいだ。


「これで多少は効率的に探せるわね」


 そう言って、お気に入りを探すために赤い点が指す方向へ歩き出した。


今回は外部サイト「小説×スコッパー」のレビューから探してみました。

小説家になろうのレビューとはまた違って面白いですね。

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