『別の視点』から探す★
………コン!
コンコン!
どこからか何かを叩く音が聞こえてくる。
「んっ……」
身を起こし、目を開けると眩い光に包まれていた。
「朝?……寝ちゃってみたい」
眠い目をこすりながら周りを見渡すと、私の部屋のベッドの上?どうやら何かをしながら眠っていたみたい。
周りには本や手紙等が散乱していた。
なんでこんなに散らかっているのかしら?
目を瞑り、思いだそうとすると、何かを叩く音でそれを妨害される。
コンコンコン!
音がする方を見てみると、窓の外でカバンを持った青い鳥が窓を叩いていた。
「ツーちゃん?」
あぁ、そうだった。
一瞬で状況を思い出し、窓を開けてツーちゃんを中に招き入れる。
「ごめんね、ツーちゃん。待たせちゃったみたいね」
ベッドの横のテーブルに止まってピヨピヨっと鳴く。
キッチンの方に歩いて行き戸棚からクッキーを取ると砕いて皿に乗せ、ツーちゃんの元に戻って皿を置くと、ピヨピヨと鳴きながらクッキーの欠片を啄ばみ始めた。
「もう少し待っててね」
急いでベッドの上で散らかって手紙を集めながら、この状況を思い返してみた。
数日前の『夢の図書館』―――
私がオススメした物語の中で長編が気に入った主が「読むのに少し時間がかかるから、しばらく休んでよい」と言った事に始まった。
「お休みと言っても、どうしようかしら?」
そんな事を考えていると、青い鳥がパタパタと音をさせながら飛んできて、そのまま私の肩に止まり咥えた紙を差し出してきた。
「あら、ツーちゃん。どうしたの?」
差し出された紙を受け取ると開いて目を通す。
「なになに? 『本を紹介してもらおう』キャンペーン?」
「へぇこんな企画をやってるんだね。たまには『別の視点』から、本を紹介してもらうのも参考になるかもしれないわね」
ツーちゃんは、時々こういう企画のお知らせも持って来てくれるのだ。
ツーちゃんの頭を指で軽く撫でてから、近くのテーブルまで歩く。
「この用紙に記入すればいいのね?」
ピヨピヨと囀ったのを確認してから、サラサラっと用紙に記入する。
「10件ぐらいでいいかな? あんまり多くても読めないしね」
用紙を折りたたんでツーちゃんに差し出すと、ピヨっと一鳴きすると咥えて飛び立った。
「それじゃ、お願いね」
手を軽く振りながらツーちゃんを見送った。
しばらくして『夢の図書館』のラウンジ―――
紅茶を片手に本を読んでいると、再びカバンを掴んだツーちゃんが飛んできた。
そのままカバンごとテーブルに着地すると、ピヨピヨと 囀りカバンを開ける様に催促する。
私は、催促されるままカバンを開けて中の紹介状を取り出しテーブルに広げた。
「多いわね……確か10件ぐらいと?」
テーブルに置かれている紹介状を数えながらそうつぶやいた。
テーブルの上には30枚程の紹介状が広げられている。
頼んでいた紹介状は10件程と書いたはずなのに……。
いくら休みとは言え、この数の物語を読むのは無理がある。
「仕方ないわね。とりあえず半分ほど読んで、残りはまた後日にしましょう」
紹介状を開き内容を確認してチェックを入れていき、一通りチェックが終ると席を立つ。
「よし、探しにいこう。ツーちゃん、悪いけど3日後に集荷に来てくれる?」
ツーちゃんはピヨッと鳴くと、カバンを掴んで飛び立っていった。
なぜお休みなのに、こんな事をしているかって?
いつもはあらすじやタイトルだけで判断しなくてはいけないけど、せっかくのお休みだからちゃんと読んでから主に紹介しようと思ったからだ。
現在の『ペケの部屋』―――
そして、お休みを利用して本を読み、紹介してくれた方に感想と感謝を込めて感謝状を書いていたら眠ってしまっていたのだ。
ベッドに散らかっていた感謝状をまとめて、ツーちゃんのカバンに入れた。
「じゃツーちゃん、お願いね」
そうお願いすると、ツーちゃんはピヨッと一鳴きしてからカバンを掴み、窓から飛び立っていった。
「よし!普段は読まないような物語も知れたし、お休み明けも頑張って探そう!」
休み明けに頑張るのを決意すると、朝のシャワーを浴びるために浴室に向かって歩きはじめた。
今回は、Twitterの「#rtした人の小説を読みに行く」タグを利用して探してみました。