『レビュー』から探す
『夢の図書館』―――
その『ランキング棚』の前に少女が立っている。
「この棚の陳列、いつ見てもほとんど変わってないような気がする……」
実際、この『ランキング棚』の大きく変わる事は少ない。別に職員が怠慢で棚の整理をしていないわけではない。
そもそも、この図書館の棚は職員が並べているわけではなく自動的に棚から棚に移動しているのだ。それでは何故変わらないのか?
「人気作になるというのは、それだけ難しいって事かしら?」
そうつぶやくと『ランキング棚』の横にある小さな棚に向かって歩き始める。
この小さな棚は『レビュー棚』―――
この棚の本は物語ではなく、書評を扱ってい棚だ。
棚に手を伸ばすと、虚空から本が現れて棚に収まった。
「あら、ちょうど新しい本が来たみたいね」
新しく現れた本を手に取りペラペラと捲ってみるが、全て白紙のページだった。
首を傾げて本を一度閉じ、再度ページを捲ると徐々に文字が浮かび上がってきた。
「……反映に少し時間がかかったのかな?」
この手の書評は本を探す上でとても参考になるのだ、作者が書くあらすじとは違い客観的に物語の見所が書かれており、より読者側の視点で物語の概要を知ることができる。
ペラペラと書評を読み進めていき、いくつかのページで目を止め作者と作品名をメモに書き残していく。
「ふふ……これと、これと、この作品も良さそうね」
楽しい書評には自然と笑顔になる。書評を記した人の「楽しい」を感じることができるから。
「しかし、書評も色々あるわね」
やたらと小難しい言葉で綴ってあるもの。
言葉足らずで勢いだけのもの。
時には本当に読んだの?と言うものまである。
ちゃんとした文章で書かれている書評は、その記した人の名前もメモに残す。
その手の筆者は、自身でも物語を綴っている可能性が高いのでチェックするに越した事はない。綺麗な文を書けるというのはそれだけで才能なのだ。
また勢いだけで語彙が足りない文章にも注意しなくてはいけない。
書評としてはあまり評価は高くないけど、人は良い作品に出会うと語彙が足りなくなるケースも多い。
こういう書評に良い作品が眠っていることも少なくはないのだ。
一通り書評を読み終わると本を閉じ書架に戻す。そして、メモに目を通すと頷く。
「よし、だいたいチェックできたかな」
「今日は、主が気にいる作品は見つかるといいのだけど……」
少女は、まだ見ぬ作品に期待を込めながら、書架の間を歩きはじめた。
今回はレビューから探しています。
私にレビューを書くのは無理そうなので、書いてる人は凄いなと思います。




