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異世界転生系ライトノベルを書いてみた


 僕の名前は神谷かみやスバル。どこにでもいるような平凡な高校生だ。

僕は何よりも平凡が好きだ。普通の高校生活を送るのが僕の望みだ。

 それなのに、どうして・・・

「ほれ、現実逃避するのもいい加減にせい。」

 どうして僕は死んでしまったんだ。

「お主は死んだのじゃ。クラスで唯一受験に失敗したショックでのぉ。」

「もっとまともな死因にはならなかったんですか僕の最期は。」

 目の前にいる神様は残酷な真実を僕に伝えてくれた。そんなの最悪な死に方だ。

「でも悲しんでくれておる人達もいるではないか。人望はそこそこあったのじゃな。」

「あっ、そうですか。」

 内心どう思ってるかは分からないじゃないか。ショック死だぞ!?

「そうそう。一つ提案があるのだが、お主、転生してみる気はないか?」

「て、転生って赤ん坊からやり直すって事ですか?!」

 冗談じゃない。そんなの絶対に嫌だ。

「そんなわけなかろう。お主を転生させるのは異世界じゃよ。」

「それって魔法やモンスターが出てくるような異世界?」

「ちょっと違うのぉ。」

 異世界と言われるとそういったイメージしか湧かないのだが・・・。

「魔法もモンスターも出てこない。違いといえば文明が劣っているぐらいかのぉ。」

 それって昔へ戻るような感覚になるってことか。

「それでいいですよ。もう一度やり直せるなら。」

「よし。それでは今から異世界へと転生させる。」

 そういうと神様は僕の足元に綺麗な紋様を浮かび上がらせた。

「異世界でのお主の活躍を期待しておるよ。」

「はい!ありがとうございます!」

 僕はまた生きることができる喜びをかみ締め・・・異世界へと転生した。







 だけど・・・

「お金がない。言葉がわからない。文字も読めない。どうしたらいいんだ・・・。」

 あるのは今着ている洋服だけ。

「これからどうしたらいいんだ。」

 僕は異世界へ転生してたったの一時間で絶望したのだ。

「話しかけてみても怪しい奴だと思われるし・・・って怪しい人だよなこの世界の人にとって」

 僕は途方にくれながら夜の街へと消えていった・・・。


【完】




「俺の小説どうだった?!」

「駄作よ駄作!」

 俺はあの後、異世界転移系の小説を書き上げ、ラノベ作家である唯華に読ませたのだ。

「なんでだよ!すごかっただろ!異世界に転生しても何一つできないんだぞ!」

「だから駄作だって言ってるの!こんなんじゃストーリーが進まないじゃない!」

「当たり前だろ!この作品はこれで完結だからな!」

「たった数百文字のラノベがどこにあるっていうのよ!」

「ここにあるだろ!」

 そうだ。俺が書いた作品は間違いなく完璧だ。突然異世界に転生させられたらあのような展開になるのは目に見えてる。だから俺はそれをストレートに書いたのだ。

「こんなの絶対に評価されないわよ!」

 唯華はかなり不満なようだ。まあ大人気ラノベ作家と俺の感性はどうも違うらしい。

「俺だったらこんな素晴らしい作品放っておかないけどな。すぐに漫画化、アニメ化が決定するのも間違いない!」

「いい加減にしないと張り倒すよ?」

「上等だよこのダメさっkごっふぅうううううううう」

 言い終える前に俺は唯華に宣言どおり、張り倒されたのだ。







あれ、こんな展開前にもあったような・・・ま、お決まりの展開は何回あってもいいよねっ☆








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