大晦日
大晦日、沙理には用事がなく家族と家で過ごすとのことだった。
普通なら昨日あんなに距離が縮まった二人なのだから一緒に過ごすであろう日であったが、浩一は友達宅での鍋パーティーを優先したのである
しかし、浩一の手には常に携帯電話があり沙理とメールをしながら鍋パーティーだった
紅白にあゆが出てきて、お互いに「あゆ良かったね~」とメールをしあっていた
沙理は、浩一から進められていた映画を借りて見て年越しをすることにしたのだ
映画は、不思議な力を持つ黒人が冤罪て死刑になってしまう哀しい話だった
同時、話題になった作品でもあったのでそれをチョイスしたのだろう
「映画見るからまたあとでね~」
と、メールが来て…年越しとなった…
「あけおめ」
と、メールをしてみたのだしたら…
「ちょっと!なんて映画を大晦日に見せるのよ(汗)(泣)(怒)」
のメール…
「スポンジに水をやらないで電気椅子やるシーンで年越ししちゃったじゃない…」
「あ…(汗)ごめんなさい」
「話し的には良かったよ(笑)」
用は、一人そんなシーンで年越しをしてしまったことの八つ当たりだったのだ
「怖いシーンがあるやつは一緒に観てね❤」
…おいおい…これって脈あり?
浩一は恋愛経験がなかったがそこまで鈍感ではなかった…
年越しとともに人生の山のひとつを越した時だったのだろう