第一話 『異世界転生』
リハビリ兼ねた執筆活動。
可能な限りの毎日更新を心がけて、頑張っていきたいと思います!
――ここで、一つの物語が終わった。
十六年という連載期間を経たそれは、起承転結のはっきりしたものではなく、ヤマもオチもなく、始まってすらいないのでは?と疑ってしまう程、尻切れトンボに終わった。
物語のタイトルは、『凡人の一生』だ。主人公の名前は『比叡ユウ』。
――それが俺自身の事だったと気付いたのは、雲の上でだった。
半透明な身体が、温かい光に包まれて、ゆっくりと上昇していく。眼下には、ぐちゃぐちゃな肉の塊になった、俺の身体があった。誰が悪い、というものでもない。ただの事故死だった。
ふと、思った。
——俺はなんのために生きて来たんだろう。
意味など何も無かった。ただ、毎日流されるままに、自分から何かを為す事は無く、生きて来ただけ。それがとんでもない罪悪だった事に今更気付き、そして後悔を覚えた。
そのときだ。
——ガクン。
と、浮遊感が消えた。すぐに自分が落下している事に気付いた。
温かい光は消え、冷たい何かが俺の右腕を掴み、俺を天から引き摺り下ろしていた。肉体など既に失ったはずなのに、掴まれたその場所に激しい痛みを覚えた。
落下は止まらない。
地面へと向けて加速し、そして——……
* * *
「——ぉんぎゃぁあああああああっ!」
俺は、産声を上げていた。
誰かが、キャラクターや街、魔物をどうネーミングしかのか推測して、「〜〜じゃね?」とか感想欄に書き込んでくれたりするようになるのが、密かな野望。
次話の投稿は1時間後です。