静天使・カプギカージ 共通
私が誰に協力をしてもらうか、考えて天界の街をうろうろしていると――――――
「あら、マーベルちゃん」
「静天使様!」
なぜこの方は天界で4番目に偉いのに、街中を彷徨けるのだろう。
「ヴェルナーミュよ……」
じりじりと、笑顔で近づかれる。
「あの?」
果てしない威圧。大清天使様並みに。
「名前で、よ・ん・で。」
静天使はパチりと片目をつむった。
「し……失礼します!!」
私は超光速で逃げる―――――
「うわっ!?」
非行中、なにかにぶつかってしまった。
悪魔の男だった。焦茶髪を一つに結い、衣服は黒のスーツ、赤いリボンだ。
魔貴族に使えている下級悪魔だろう。
「ごめんなさい。急いでいたものだから」
「………」
彼はとてもぼんやり。こちらをぼうっと見ている。なんだか近視眼だ。
「聞こえていないの?」
痺れを切らした私は、悪魔の男に声をかける。
「いや。……なんでもない」
といいつつ男はこちらをまだ見ている。
「うふふ……みつけたわ」
「静天使様……」
すごい、恐怖感を煽られる。
「ちゃんと呼んでくれるまで、仕事に戻らないわよ~」
どうやら私の困る様子を、静天使は面白がっているようだ。
「やめろ……」
悪魔の男が私を背にする。
「あら、アタシと勝負する?」
なんだか争いが勃発。ちなみにここは空中。下は見物客でいっぱいだ。
「あ、そうだ。アタシが天使に戻してあげるわよ?」
「……?」
静天使に恩を売られると、高くつきそう。
私はどうすべきか――――――