レラーモ・星天使 共通
あれからすぐ星天使呼び出され、神木の下で彼を待った。
『悪い遅れた!』
『いえ私も今来たばかりですから!』
堕天使となってから仕事は減ったので彼を待つくらいどうってことない程暇である。
『星天使様…お話とは何ですか?』
すると星天使はマーベルを抱き寄せ―――――
『好きだ…』
「星天使様がそんなことするわけなーい!」
ベッドから飛び起きて叫ぶ、掛けていた布団は床へ落ちた。
マーベルはぱちぱち、目をしばしばする。
「なんだ夢か…」
あの星天使が呼び出された覚えもない。
彼に対する気持ちはただの憧れなのにどうしてこんな夢を見てしまったんだろう。
「おはよう…マーベル」
髪は濃い赤紫で瞳は淡い桃色、立て襟シャツの隙間からヘソを覗かせ、軽く派手な服装の悪魔。
「レラーモおはよう」
悪魔は気性が荒く、乱暴なタイプが多いのだがその点彼は珍しい性格だ。
「レラーモっておとなしいわね」
小鳥と戯れたり蝶を追いかけたりなんて今時天使の少女でもやらない。
「ツノがないから?」
例外はあれど男女関係なく生える代物だ。
実際に会った悪魔の女にも生えていたので間違いない。
「…ツノはひっこめてる」
何故わざわざしまうのか見当つかないが、悪魔にはそんなことが出来たのか。
「凄いわ」
「…天使の頭のリングだってそうだろう」
彼の言う通り、頭のリングは指輪に出来る。
それを伴侶となる相手に渡す事も可能だ。
「…いつかリングがほしい」
彼は天使と結婚したいのか、しかし悪魔と天使の夫婦は二人とも堕天使になる。
彼はそれでもいいのだろうか。
「悪魔はツノとか交換しないの?」
「…しない」
顔には出ていないが何を言っているんだこいつと目で言われている気がする。
ツノが簡単に取れるわけないのに、冗談とは言えど馬鹿な事を聞かなければよかった。
「そのリングは誰の物になる?」
レラーモがいつになく真剣な顔をしてマーベルのリングを指差す。
「誰って…」
答えに迷っていると背後から何者かが現れた。
「すまないがこいつの指輪はオレが貰う予定なんだ」
天使の男がマーベルの肩を掴み引き寄せた。
恐る恐る顔を見ると、夢に出てきた彼――――
「星天使様!?」
マーベルはわなわなと震えた。
なぜ彼が自身の肩に触れているのか、いやそれよりも指輪を貰うと言っていたが―――――
「…何故?」
レラーモは訝しげに聖天使に尋ねる。
「話す必要はないいくぞマーベル」
星天使を振り払うか、言われた通り星天使に付いていくか――――