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旧住宅地の闘い

 一人その場に残されたフウカだったが、むざむざ帰国するつもりなど毛頭無かった。このまま帰ってしまったら、何の為の独立捜索部隊か。

 たとえ今日が駄目でも明日、明日が駄目なら明後日、トウギが折れるまで根比べしてやる。フウカはそう決めていた。


 とりあえず今日は宿を、『血与騎士』が泊まれるような宿をとろう。流石に二日続けての寝袋は身体に堪える。


 町の地図を片手に宿を探し、町を歩き回っている時だった。先ほどトウギが言い残していった言葉の意味を理解していた。

 自分の身の心配をしろ、か。フウカは口の中で呟く。

 数はそんなに多くはない。ただ、尾行に慣れている者達の動きだ。おそらく、いや確実にオシデント軍の奴らであることは分かった。昨夜の無権兵はオシデント軍の雇われで、敗走した奴らが報告を入れたのだろうと、フウカは予想する。


 だとしたら、いつからつけられていたのだろう? フジヤと一緒にいた所を見られたか? それだと彼にも危険が及ぶかもしれない。これは自分のミスだ。

 フウカは耳に軽く触れる。そこに装着されているイヤホン型インカムの有効範囲は、国内限定だ。本国に応援を頼むのは、無理。

 そんなことを考えながら、フウカの足は自然と人気の少ない町の過疎地域へと向かっていた。

 地図を見ていたおかげで、この町の構造は理解していた。この辺りは区画整備以前に住宅地だった場所で、町の中心が移動した今はほとんどが空き家だ。尾行してくるオシデント軍人達が銃を乱射しても、怪我人を出さないようにと考慮した結果だ。


 ここまで人のいない所にくると、気配というものは隠そうにも隠せるものではない。

 フウカは振り返り、辺りを見渡す。気配はある。が、姿を見せることはない。

 人気(ひとけ)の無いかつての住宅地を、風が通り抜けていく。

「私に何か用があるなら、そろそろ出てきたらどうなの!?」

 痺れを切らしたフウカが、大声で叫んだ。その声は空き家の壁に反響し、夕焼けめいてきた空に消えていく。

 そして、複数の足音と共に尾行を続けてきた者達がようやっと姿を現す。数は三人。マントで身体を包み、顔の半分をマスクで隠しているが、そのマントに刺繍されたエンブレムでオシデント所属の軍人だということが知れた。


「奇遇ね。バランセンのこんな田舎町で、カミアズマとオシデントの軍人が顔を合わすなんて」

 フウカには余裕があった。その余裕が左腕の手甲から来ていることは言うまでも無い。その『血与騎士』の証である手甲こそが、敵の銃弾から身を守る為の装置であった。

 もしこのオシデント軍人達がどんな強力な銃火器を持っていたとしても、それらがフウカにとって脅威となることは無い。


「報告は受けていたが、まさか本当に女だとはな」

 両脇に部下を従えた、この小隊の隊長と(おぼ)しき軍人が少し驚いた様子で声を上げる。

「カミアズマは、君のような年端もいかぬ少女までも『血罪騎士(けつざいきし)』として使うのか」


『血罪騎士』とはオシデント側が呼ぶ『血与騎士』の名称であった。オシデントは『血与騎士』の存在そのものを罪として糾弾していた。


「今の発言、男女差別じゃなくて? オシデントにはまだ男尊女卑が根強く残っているのかしらね。……その上空気は汚いし、自然は少ないし、成金で嫌みな奴ばっか住んでるし、本当、嫌な国!」

 後半は完全な私怨ではあるが、両親の離婚後、母親に引き取られ五歳から十二歳までを過ごした西の国を、フウカはこう評した。そして彼女にとって何より苦痛だったのは、祖父がいないこと。これだった。


「そうか、その点は詫びよう。すまなかった。だが君も『血罪騎士』だというのならば、我々も見過ごすわけにはいかない」

 地面の砂利をじりじりと踏みならし体勢を低くし、戦闘の構えを取るオシデント軍人達。

 それに対しフウカはバックパックを背中から降ろし、剣の柄に手を添える。その行動で戦闘準備を整えたように見える。が、彼女の心の中にはまだ油断があった。


「見過ごせないってんなら、どうするわけ?」

「冥土の土産に教えてやる。『ドマージーの屈辱』から五年、我々オシデント軍は戦闘の準備を整えた。そして全軍に命令が下された! 『アリラトス大陸全土に蔓延る罪深き血の騎士達を殲滅せよ』とな」

 オシデント軍人達はマントの留め具を外し、それを脱ぎ捨てる。

 マントの下にはオシデント軍服に包まれた鍛え上げられた肉体。そしてその腰部に、見慣れない得物が備え付けられていた。

「君に恨みは無いが、君の身体に流れる血は罪だ、ここで死んでもらうぞ!」

 そう言って軍人達が腰から抜いたもの、それは使い慣れているはずの銃では無く、

「オシデントが、剣を!?」

 銀色に煌めく刃だった。

 フウカが怯んだその一瞬の隙にオシデント軍人は地面を蹴り、一気に距離を詰める。勢いそのまま剣を振り上げ、重い一撃をフウカに叩き込む。


 素早く抜刀し、その斬撃受け止めるフウカ。だが女性、それも少女であるフウカが大の大人の斬撃を受け止めきるのは不可能だ。

 フウカは素早く攻撃を受け流し、相手の体制を崩すと、敵の脇腹へ一撃を繰り出す。殺意の籠った、手加減など一切していない一撃。決まったと思った。だが、その攻撃はあっさりと回避されてしまう。

 空振りし、逆に体勢を崩した格好となったフウカのその華奢な身体の腹部に、重い軍靴の蹴りが捻じり込まれる。

「――ッ!」

 彼女の軽い身体は簡単に吹っ飛び、空き家の外壁に叩きつけられる。


 剣を地面につき、なんとか立ち上がろうとするフウカは強い嘔吐感に襲われていた。

 胃の中の物をぶちまける手前になって、そういえば、さっきの店であんまりパスタ食べれてなかったな。などと、無意味なことを考えてしまう自分に対して笑みがこぼれる。


 嘔吐を堪え切ってから口の中の唾を吐き捨て、体勢を立て直し、剣を構える。

 さて、どうしたものか。住宅地を選んだのは失敗だった。後ろは空き家の外壁。左右の道はどちらも袋小路。正面には三人のオシデント軍人。

「終わらせよう。お前らは取り逃がさぬように回り込め」

 隊長格の男が歩みを進めながら、部下達に命令を下す。

 これぞまさに袋のねずみ。だけどねずみは汚らしいから嫌だな、どうせならハムスターとか可愛いほうが良い。と、これまた無意味なことを考えてしまうフウカは無駄な思考を振り払うように首を振り、最善の手を考えた。


 今剣を交えた隊長格の男は相当の腕前だ。もし両脇に控える二人も同程度の実力を持っていたら、自分は絶体絶命だろう。

 だがもしあの二人がこの男よりも、自分よりも弱かったら、この場から逃げ出すくらいの策はある。

 捨て身だ。

 たった三年しか修行していないとしても、自分も祖父から直々に剣術を学んだ『カザマ流』の端くれだ。全力で攻撃を躱し、多少は刀傷を受けたとしても両の足が動く限りは逃げ続けてやる。よし、いける。

 フウカが、(おの)が身体に決意を込めた。その時だった。


「どこにもいないと思ったら、こんなゴーストタウンでやり合ってたのかよ、あんたら」


 頭上から、能天気な声が降ってきた。

 その場にいた二国の軍人全員が、フウカが叩きつけられた空き家の屋根に目を向けた。

 その声の主は、布でくるまれた細長い棒のようなものを持って軍人達を見下していた。

 屋根から飛び降り、自分の目の前へ着地した人物の名を、フウカは思わず叫んだ。

「トウギ・フジヤ!? どうして貴方がここに……?」

 Tシャツに印刷された『いらっしゃいませ! キャンベル武具店・クリーク支部へ!』の文字が、やたらとフウカの目に残った。

「どうしてはこっちの台詞だバカ。俺が『自分の身の心配をしとけ』っつったのは人の多いとこにいて襲われないようにしろって意味だったのに。おかげで町じゅうの屋根つたって捜し回っちまった」

「貴方、尾行に気付いていたの?」

「まぁこんな田舎町だからな、変な奴が入ってくればすぐ気付く。嫌な予感がしたんだよ、来て正解だったな」

 そう言ってトウギはオシデント軍人達へ顔を向ける。


「すみませんがここはカミアズマでもオシデントでも無く、バランセンなんですよ。戦争なら大陸の両端でやってくれませんかね?」

「武具店の店員が首を突っ込むことではない。今なら見逃してやる、立ち去れ」

 隊長格の軍人は構えた剣を降ろすこと無く、トウギが持つ布にくるまれた細長い棒状のものを一瞥する。

「それとも、ただの配達か? それならとっとと荷物を渡して店へ戻るべきだ、青年」

 やはり話して分かってくれるような連中ではないな。トウギは呆れたように浅く溜息をついた。


「あんたら、この女を斬るのかい?」

 トウギから発せられる雰囲気は、すでに変わっていた。すぐ後ろにいるフウカは、その殺気をひしひしと感じ取っていた。

「あぁそうだ。邪魔をするな」

「それはいけないなぁ。ジジイが死んだって分かったその日に、孫娘にまで死なれちゃあ寝覚めが悪い」

 トウギは棒状のものから布を外し、中身を取り出す。中から出てきたのは、一本の古びた刀。

「もっと早く助けに来ようと思ったんだけどな、こいつを押し入れの奥底から取り出すのに結構時間掛かっちまった。すまん」

 そう言ってトウギはフウカに微笑みかける。殺気の中の一瞬の微笑。蹴られた腹では無く、何故だか少しだけ胸が疼いたことに、違和感を覚えたフウカだった。


「ちょ、ちょっと待って、私はまだ負けてない! 貴方の手を借りなくたって――」

「強き者よ、弱き者の前に立ち、いかなる脅威からもそれを護り給え」

 トウギが放ったその言葉に、フウカは思わず言いかけていた言葉ごと息を呑んだ。

「それ、おじいちゃんの口癖だった……」

 それは彼女の祖父ギンジ・カザマがことあるごとに口ずさんでいた言葉だった。幼い頃、彼女は祖父にどういう意味かと尋ねると「おじいちゃんがフウカを護ってあげるって意味だよ」と、頭を優しく撫でてくれたことを思い出す。

「見たところ、この軍人さんはあんたよりちょっぴり強い。今のあんたじゃ勝てないかもしれない。だから俺が倒す。ジジイの一番弟子だった野郎の実力、ちゃんと見とけよ」

 そう言ってトウギは腰を低く落とし、臨戦態勢をとった。一番弟子と言っても、弟子が一人しかいないのだから一番も糞もない。と、彼は心の中で毒づいた。

「貴様が私を倒すだと? その台詞、気に食わんな。死んでから文句を言うなよ」

「大丈夫。あんたを斬ってからその死体に文句を言わせてもらうよ」


 言い終わる前に、トウギは動いた。

 その初動は、フウカが見逃すほどの速さだった。隊長の両脇に控えていた二人の軍人には、隊長の目の前に武具店の店員が瞬間移動してきたかのように見えたことだろう。

 トウギはオシデント軍人に対し、居合抜きの要領で横一閃、斬撃を放つ。的確に首元を狙った、正確な攻撃だ。

「ぬぅッ!」

 これを必死の形相でしゃがみ込んで回避した軍人は、立ち上がる勢いを利用し、剣を下段から振り抜いてトウギの身体を斬り付ける。

「――なっ!?」

「トウギ・フジヤ!」

 フウカからの視点では、トウギが斬られたものだと錯覚してしまう。しかし、斬られたのは皮膚の上の武具店製作Tシャツだけで、トウギは健在だった。斬撃を後ろに避けた勢いそのまま、バック転でフウカの前まで後退したトウギの顔は、驚愕の表情を作っていた。


「おいあんた、その剣術、どこで学んだ!?」

 出会ってから初めて声を荒げるトウギの様子に、フウカは驚いた。

 オシデント軍将校は息が上がり、顔を覆っていたマスクは外して苦しそうに呼吸をする。

 一瞬、死の淵を見た。最初の一撃の反応にあと一秒でも遅れていたら、身体から首が落ちていた。彼にはそれが分かった。

「貴様に教える義理は無い!」

 呼吸を整え再び剣を構えるオシデント軍人は、バックステップで距離を取る。隊長の脇で控える軍人達もこれに倣った。その距離、およそ十五メートル。

 フウカは最初、それがトウギのスピードに対応する為のものだと考えた。だが、その考えが誤りであることに気付く。


「そうか、そうだよな。うん、確かにそうだ」

 まるで自分に言い聞かせるように呟いた後、トウギはもう一度、凄まじいスピードで敵へ突っ込む。

「駄目! トウギ!」

 その不自然な距離は、トウギの突進に備える為などでは無い。

「残念だが私は剣士ではない。軍人だ!」

 剣を持つ右手とは逆の左手で、腰から取り出したもの、それは、拳銃だった。



『血与騎士』が銃弾を無効化出来る範囲は半径約五メートル。その五メートルの中にいれば、『血与騎士』以外のどんな人間も銃撃から身を守れることになる。

『血与騎士』本人は自分が中心となって動いている為に、その円から外に出ることは無い。だが、一般人がその円から出てしまえば、ただちに銃弾の餌食となることを意味している。


 今までトウギとオシデント軍人が闘っていたのは、フウカからギリギリ五メートルの距離だった。障壁が銃弾から身を守ってくれる距離だ。

 だが今、トウギはフウカから十メートルほども離れてしまっている。この距離では慌てて駆け出したところで、間に合う距離では無い。


 今は(さび)れた住宅地に、無常にも銃声がこだまする。


 拳銃から放たれたその弾丸が、しかしトウギの身体に届くことは無い。

 発射された弾丸は、彼の五メートルほど手前でまるで壁にぶつかったように停止する。空中で静止したその鉛玉をトウギが真っ二つに斬り裂き、更にオシデント軍人の懐へと飛び込む。

「何だと!?」

 拳銃を取り出し、勝利を確信していたオシデント軍人は、自分の目の前で刀を構えるトウギ相手に防御姿勢を取れなかった。

 先ほどと同じ横一閃が、オシデント軍人の腹部を斬り裂いた。

「ぐがっ……!」

 くぐもった声を出し、傷を抑える。間一髪、後ろに飛び跳ねることで致命傷は避けた。もしこの咄嗟の行動が無ければ、彼の(はらわた)は旧住宅地の地面へとぶちまけられていたことだろう。

 それでもトウギの刀の剣先が作ったその傷は、これ以上の戦闘を不可能にするには十分すぎるほどのものだった。


 本来、オシデントの軍服には防弾防刃加工が施されており、剣先が掠った程度では身体に傷を付けるのは困難である。だが、トウギが扱うその刀の前では、どんな鎧も意味を成さなかった。

 フウカはトウギが持つその刀の赤黒く染まった刀身を見て叫んだ。

「『赫刃(かくじん)罪斬(ツミギリ)』! どうして貴方が!?」



赫刃(かくじん)罪斬(ツミギリ)』。およそ三百年前に作られたという古刀の一本。

 かつて過去百年間、一万の罪人の首を()ねたのにも関わらず、切れ味を落とすことは無かったと伝えられている。罪人の血で染まったと言われる赤黒い刀身が特徴だ。

 風の噂では『無傷の剣豪』ギンジ・カザマが所持しているとされていた為、フウカは遺品整理の際に探してはみたものの、結局は見つからなかった名刀だ。



「確実に仕留めたと思ったんだけどな。腕、鈍ったなぁ。ギン爺に面目ねぇや」

 トウギは罪斬の血を払う。払ったところで、その刀身は赤黒く染まったままだ。

「貴様ッ! 何故銃が効かない!?」

 口から血反吐を吐き散らしながらオシデント軍人が吠える。

「何故もなにも、銃が通用しないのは騎士だけじゃないって話。まぁ、あんたら(オシデント)に言わせれば、俺の身体にも罪深き血が流れてるってことになるのかな」

「騎士だけじゃ、無いだと?」


「隊長!」

 斬られ(うずくま)る隊長に、両脇の部下達が駆け寄る。

「くそっ、退却だ! スモーク散布!」

 流石は鍛えられた軍人と言ったところか、命令の実行は素早かった。二名の部下はそれぞれ発煙手榴弾をトウギ、フウカ両名の足元に投げ込む。銃撃も爆撃も効かない『騎士』には、この煙幕が最も有効な飛び道具の一つであると言えよう。

 有効であると言っても、ほんの僅かな隙を作る為の目くらましに過ぎない。ただ、プロの軍人である三名にはその僅かな目くらましでも十分だった。

 煙幕によって視界を奪われた二人の剣士の鼓膜が、聞き慣れない振動音を捉える。

「エンジン音? 車で逃げる気!?」

 フウカが叫んだ通り、この振動音の正体はエンジン音だ。オシデント軍の高機動装甲車である。


「おい待て! あんたの剣術、どこで学んだんだ!?」

 トウギが煙から外へ出た時にはすでにエンジン音は遠ざかり、手負いの軍人とその部下を乗せた車は猛スピードで去っていった。

 車を近くに待機させておいたということはおそらく、撤退ありきの作戦だったのだろう。見事な引き際に、トウギも追跡を諦めた。


                   *


「レヴォルト隊長、あの煙幕の中でなら奴らを仕留められたのでは?」

 車内で隊長の刀傷の止血をしながら、オシデント軍下士官が口を開いた。

「貴様、『血罪騎士』がどんなものか理解していないようだな」

 歯を食いしばり、オシデント軍バランセン方面大隊副司令、グレゴリオ・レヴォルト大佐が声を上げる。

「奴らの障壁は銃弾だけでは無く、煙も通さん。あのスモークは催涙効果を含んだものであるが、奴らの咳き込む声一つ聞こえなかったであろう。つまり奴らの障壁内周囲五メートルの視界は良好、もしあそこで攻勢に出ていたら、むざむざ斬られていたところだぞ」

「そう、ですか……すみません」

 レヴォルト大佐はますます歯を食いしばった。今の彼の怒りは、腹部の傷の痛みを忘れさせるほどのものであった。無知な部下に対する怒りでは無い。勝ちを確信したあまり慢心し、油断した自分と、得体の知れない武具店店員に対する憤りだ。

「屈辱! トウギ・フジヤと言ったか。奴の名は忘れん……!」

 狼のような呻き声を上げ、彼は報復を誓った。


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