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狂葬の鎮魂歌  作者: 鷹真
3/10

舞台

其処は、荘厳な佇まいのオペラハウス。

重厚な石を使って、築き上げられた芸術品。

チケットを持った、気品ある紳士淑女が集う。

今夜の舞台は、今、人気急上昇の若手。

伸びのある、艶やかな声。

見るひとを虜にする容姿。

彼女は、美しかった。

初舞台から、問い合わせが殺到し、今や一躍トップの仲間入り。


緞帳が上がる。

暗かった観客席に、舞台の明かりが零れて、辺りを照らし出す。

と、静寂だった観客席から、ざわめきが生じた。

2階の気品席に陣取っていた、彼は、オペラグラスを投げ棄てた。

ギリッと奥歯を噛み締め、忌々しそうに舞台を見遣る。

彼は、独り言のように呟くと、席を立ってしまった。

僅か後、闇が音もなく動いた。


観客席は、未だにざわめき立っている。

客の1人が呟く。

「予定と違うじゃないか・・。」

そう、今、舞台に立っているのは、チケットに書かれた彼女ではなかった。

代役に取って変わっていた。

呟いた客は、首を軽く振り、席を立とうと・・・。

ガシャーン!!

激しい音が響いた。

数秒後、辺りは絶叫が谺する。

舞台上には、舞台にシャンデリアに押し潰され、緋い血を撒き散らした、代役の無惨な姿があった。


貴女に、代役などない。

偽りは認めない、変わりなど要らない。

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