表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂葬の鎮魂歌  作者: 鷹真
1/10

二人きり

レクイエムが聴こえる。

誘え。

穢れ無き魂を。

その純真な迄の無垢なる皓を。


高く青い空に吸い込まれるのは、葬送の音とすすり泣く音。

黒い服を纏った彼らは、一様に暗い表情。

見つめる先には、たった今土を被せられた真新しい墓。

「お母様・・・。」

ポツリと呟き、俯くのは美しい娘。

肩を似た顔の青年に支えられている。

真新しい墓の隣に、建てられてから、然程経っていない墓碑が並ぶ。

一対の夫婦は、墓の下に眠るにはまだ早いと思われる年齢を、墓碑に刻んでいる。

敬虔なる彼らは、神の意思に反して召された。

心無き、惨殺者に依って、強制的に奪われたのだ。

父、母と数ヶ月のうちに次々と。

遺されたのは、美しい娘とその兄。

二人は、これから手に手を取り、互いに支えながら生きて行こうと誓う。


娘の涙は、純真な迄に透明で美しかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ