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第3次世界大戦  作者:
2/4

完成

ようやく完成した。

何もかもを捨てて、骨身を削って研究し続けたこの装置。

あり合わせの材料で作ったために、ずいぶんと不格好になってしまった。

がたがたした表面に、剥き出しのコード。そして目的のものが現われるであろう場所は、せま苦しそうだ。

それに、焼け野原のど真ん中での製作が、何かに影響を及ぼさないとも限らない機械は繊細なのだ。

でも、理論の上ではうまくいくはずだ。

「よし・・・。」

少女は、何のためらいもなく、小さな指で装置のスイッチを押した。

はじめは小さく、そしてだんだんと大きく唸りを上げる装置。

バチバチと火花が散り、少女は目を細める。

失敗したか、と半ばあきらめかけた時、濛々と煙が上がり、あたりの気温が下がった気がした。

「成功なの?」

白い煙は返事をしない。

ギュッとレポートを握りしめ、少女は待った。

「何だこれは。おれは死んだはずじゃなかったのか。」

低い男の声がした。

少女は思わず飛び上がりそうになる。

「やった!成功!わーい!」

遂に彼女は成し遂げた。

死と生の境界を破ることを。

幽霊を具象化させることを。

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