その3
短いです
『「お前を愛するつもりは無い!」ってやつ、言ってみたいんだけど』
初夜に私は妻に言った。
「はぁ!?」
妻は目を丸くした。
「流行ってるらしくて」
「言ったらどうなるかお分かりで?」
「どうなる?」
分からないんだが。
「離婚です」
「え!?」
り…離婚!?
「何で初夜に言うんです?婚約者だったのだから、もっと早く相談すれば良かったのに」
「それは…」
「そうすれば無駄な結婚式も挙げなくて良かったし、貴方と結婚する事もありませんでした」
「そこまで!?」
私は驚いた。そこまでなのか?
「当然でしょう」
妻は頷いた。
「そうかな?」
「流行っているからと、わざわざ言わなくても良いのですよ」
「そうかなぁ?」
「言わない人の方が多いから、話題になるのです」
「そうかなぁ?」
「それで、言った後はどうするおつもりで?」
「普通に初夜をする」
普通にするよ勿論。
「どこまでも侮辱するのですね」
私は妻から軽蔑の眼差しを喰らった。
「え?」
「『お前を愛するつもりは無い!』と言う人と初夜をする私の気持ちもお考えください」
「…?」
「お分かりにならないのですね」
「分からないなぁ」
「私本当は『お前を愛するつもりは無い』」
「えぇっ!?」
私はまた驚いた。
「どうして自分だけが言う立場だと思ったのです?政略結婚ですよ」
「そうだけど…」
言われるとは思わなかった。
「良かったです。私、貴方と愛し合うつもりは無かったので」
妻はニッコリ笑った。
「え?」
「初夜も無しで」
「え?」
無し!?
「どうぞ愛人と仲良くなさって」
そう言って妻は、自室へ行ってしまった。
ちなみに愛人はいません。
読んでいただきありがとうございます
また思い付いたら増えるかもしれません




