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14話 鬼頭やさことの、逆転の日々

同棲が始まってから、俺の生活は完全に変わった。

プロカードを取った勢いのまま、休学から復学した。

トレーニングと学業の両輪を回す。それが俺の新しいルール。


もともと勉強はできる方だった。

前の学校では、元々ガリ勉タイプでそれがいじめの原因の一つだった。

本やノートに没頭してる姿が「キモい」って標的にされてたんだ。


今は違う。

やさこの「頭悪い男、嫌いだから」って言葉もあって、復学後さらに本気出した。

朝はジムでトレーニング、授業中は集中してノート取って、夜はマンションに戻って勉強。

やさこが夕飯作って待っててくれるから、モチベーションが切れない。


復学してすぐ、模試の成績がさらに伸びて、クラスでトップ争いするようになった。

先生たちも「最近、集中力すごいな」って認めてくれる。

学校全体でも、俺の存在感が変わった。


プロボクサーとしてメディアに少し取り上げられてたのもあって、噂が広がった。

「転校生のあいつ、プロボクサーになったらしいぞ」

「昔ガリ勉でいじられてたのに、今めっちゃ強くなったって」


特に、スポーツ系の連中から声がかかるようになった。

ラグビー部の主将、ガタイのいい3年生の佐藤が、休み時間に話しかけてきた。


「おい、聞いたぞ。ベンチプレス150kg上げてるって本当か?」


俺が「うん、まあ」って答えると、佐藤が目を丸くして、

「すげえ……俺らラグビー部でも、150kg上げられる奴少ないぞ。

どうやって鍛えてんの? 教えてくれよ」


それから、放課後にジムのこととか、トレーニングメニューを聞かれるようになった。

アメフト部の主将、アメリカンフットボールやってる筋肉質の田中も、廊下で捕まえて、


「プロのトレーニング、参考にしたいんだ。

減量とか、パワーアップのコツとかさ。

お前、才能あるよ。ボクシングだけじゃなく、俺らのスポーツにも活かせそう」


って、真剣に相談してくる。

俺はプロの経験からアドバイスして、

「基本は食事管理と回復だよ。サプリも大事だけど、睡眠が一番」

って話すと、二人とも感嘆の目で、

「マジで才能あるな。お前、勉強もできるし、完璧じゃん」

って言われた。


そんなやり取りが増えて、自然と学校の一軍に仲間入りした感じ。

以前はガリ勉でいじめられて端っこにいた俺が、今はラグビー部やアメフト部の連中と一緒に弁当食ったり、トレーニングの話で盛り上がったり。

クラスでも、みんなが俺の試合の話振ってきたり、ノート貸してって頼まれたり。

一目置かれる存在。それが現実になった。


そんな俺の変化を見て、以前いじめに加担してた連中は、かなりショック受けてるみたいだった。

あのヤンキーグループの残党とか、美咲の取り巻き。

廊下でチラチラ視線送ってくるけど、俺が目が合うと、そそくさと逸らして逃げる。


特に、頭目のあいつ。美咲の元彼氏のヤンキー。

昔は俺をボコボコにしてたのに、今は俺の視線感じると、肩を縮めて教室から出ていく。


ある日、屋上で佐藤と田中とトレーニング話してたら、あいつが遠くからこっち覗いてた。

俺が気づいて目が合うと、慌てて階段降りて逃げた。

逆転ってやつだな。


家に帰って、やさこに話すと、彼女はカレーかき混ぜながら、

「……ふーん。よかったね」

って少し甘い声で。


俺が抱きつくと、

「もう、邪魔……でも、頑張ってるの、かっこいいよ」

って、照れながら褒めてくれた。


学校での俺は、もう弱虫じゃない。

やさこのおかげで、強くなった。



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