12話 鬼頭やさことの、同棲初夜
引っ越しが終わって、マンションに着いたのは夕方遅く。
荷物を全部運び込んで、部屋が少し散らかってるけど、これが俺たちの新居だ。
やさこがキッチンで夕飯作ってくれた。
激辛カレー。いつもの味で、汗だくになりながら食べて、
「美味いよ、やさこ」って言うと、
彼女は「当たり前だろ」ってツン言いながら、でも口元緩んでた。
食事が終わって、片付けしながら、俺は提案した。
「なあ、お風呂、一緒に入ろうよ」
やさこがピタッと手を止めて、俺を振り返った。
赤い瞳が一瞬キツくなって、
「……調子に乗りすぎ」
って、低い声。
次の瞬間、拳が飛んできた。
本気じゃないけど、結構速いパンチ。
でも、俺は強くなった。
プロのトレーニングで反射神経が磨かれてる。
軽く体を捻って、避けた。
やさこが少し目を見開いて、
「……避けたな」
俺はニヤッとして、
「褒めてる? でも、まだ慣れてないなら一人で入っていいよ。
俺は後で入る」
やさこは頰を赤くして、
「……まだ、慣れてないから。一人で入る」
って、バスルームに逃げ込んだ。
待ってる間、俺は荷物をさらに整理。
やさこのちいかわぬいぐるみを棚に並べて、ニヤニヤしてた。
風呂上がりのやさこが出てきた時、ドキッとした。
長い紫がかった髪が濡れて、肩に垂れてる。
シンプルなタンクトップとショートパンツ姿で、スタイルの良さが際立つ。
肌が少し火照ってて、赤い瞳が恥ずかしそうに逸らしてる。
「……何ジロジロ見てんだよ、ばか」
って言うけど、声が小さい。
俺は正直に、
「可愛い……。やばい、ドキドキする」
やさこは「もう」って言いながら、髪をタオルで拭いてソファに座った。
夜も更けて、寝る時間。
マンションは広いけど、俺のベッドはシングル。
予備の布団があるから、
「やさこの部屋に布団敷くの手伝うよ。別室でいいなら」
って言うと、やさこがモジモジして、
顔を赤くしてボソッと。
「……一緒に、寝たい」
え?
俺が固まると、彼女はさらに恥ずかしそうに、
「ベッド、シングルだから狭くない?」
って聞いてきた。
やさこは小さく、
「……大丈夫」
って、目を逸らした。
ベッドに入って、狭いけど、ぴったりくっついて。
やさこの体温が伝わってきて、幸せすぎる。
ピロートークを少しした。
今日の引っ越しのこと、親への挨拶のこと、将来のこと。
「これから、毎日一緒にいられるね」
俺が言うと、やさこは俺の胸に顔埋めて、
「……照れるけど、悪くない」
って甘く呟いた。
俺は彼女の頭を撫でて、そっとキスした。
その日はそれ以上は何もせず、
抱き合ったまま眠った。




