第8話 女神は嫉妬するのか?
「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。」
「がぁぁぁぁぁぁ!!」
俺はとにかく逃げることのみを考えオーガから絶賛逃げている。
一目見た瞬間に理解できた。あれは俺じゃ絶対に倒せないし、一発で死んでしまう。
俺は無心に走りどこか逃げ場を探しているのだが、出口が見えあることを思い出す。
そう、自宅警備員中はその敷地から出られないという悪魔ルール。俺はオークなどの魔物がいるこの森から出ることができない。
それに気づき、急いで進路を変え必死に走っていると遠くに人影が見えてくる。
まだ真っ暗じゃないだけが唯一の救いだが、ここであの人に擦り付ければ俺は助かるがあの人たちは死ぬ。だが、このままだと俺の体力はなくなり死ぬ。
冒険者なら協力を仰げるがその他ならどちらも死ぬ可能性がある……。
どうすれば……。
「はぁ。はぁ。はぁ。」
「こっちに来て!!」
その言葉を聞き、俺は人影がある方向にめいいっぱい走るとそこには剣などを構えた4人組の冒険者がいた。
女性でありながらもしっかりと鍛えられてい前衛や後衛は魔術師と言えるような格好をしている。
「ユイ足止めお願い!! リアはその子のことお願い、ユーリ行くよ!!」
「「はい!!」」
俺はパーティーがいる方向に走り途中で前衛の女性2人組とすれ違う。その後オークが聞いたこともない声をあげていたので後衛の女性の近くに着いた後、後ろを振り向くとオークは足を氷で固められ剣で何度も傷つけられていた。
オークも殴って攻撃はしているもの、彼女たちの素早さでは全く歯に立たず華麗に交わしながら攻撃しあっという間にオークが殺された。
俺が倒せなく逃げることしか出来なかった魔物をこうもあっさりと倒すとかレベルが違いすぎる……。
「大丈夫ですか?」
「あっ。大丈夫です。」
呆気を取られ少し返事を遅れてする俺に彼女はにこやかに話しかけてくれるが、魔術師みたいな服装の子はなにか嫌な感じで俺のことを見ている。
「もう大丈夫でしょ。リアから離れな。」
「はい。」
「もう、ユイったら。ほんと男嫌いなんだから!!」
「うるさい。」
「こんな森に一人でいちゃダメじゃない!!」
前衛の指示を出していた子がそういいながら俺たちの方にやってきた。
「この森は比較的にゴブリンが多いけど、オークやトロールもいるんだから出口が近いところで冒険者しないと命がいくつあっても落としちゃうよ。せっかくだから、一緒に街まで行こっか!!」
「それなら安心だね。君は大丈夫ですか?」
「いや……。」
全くこの事態を考えていなかった。
とにかく助かることしか考えていなかったのだ。
今の俺には自宅警備員のスキルのせいでら24時間この森から出れない縛りになっている。仮に一緒について行ったとしても森の出口で俺は謎の壁に阻まれそれがバレることによって街でも怪しいヤツと思われてしまう。
いや、ここで断ったところで怪しまれるのは一緒だろう。 ということは、どうしたらいいんだ!!
俺は今まで使ったことがないほど頭を使い考えるが全くいい案を思い浮かばない。
何も話さない俺に対し不審に思っている子と心配してる子で分かれているが俺にはそれに気づく余裕は無い。
「怪しいことがないなら一緒に出てもんだいないでしょ。」
「まぁ、そうなんですけどね……。」
「言葉を逃がす理由があるなら教えて欲しいんだけど。」
彼女は高圧的な感じでスラスラと言葉を操る。
「まぁ、まぁ、ユイもそんなに怒らないで。ほら、眉間にシワよっちゃってるよ。もう少し冒険していきたいのなら少しだけ一緒にいない? あなたが1人でも大丈夫なら私達も無理やり外に出そうとしないからさ。どうかな?」
「途中までお願いします!!」
「はぁ。甘いんだから……。」
ユイがボソッとそんなことを言うがリーダー的存在が言うならという感じで納得してくれたっぽい。
とりあえず、ゴブリンを狩って1人でも大丈夫ってことを証明すれば別れられるだろう。まぁ、別れたところで夜もここにいなくちゃ行けないんだよね……。
はぁ。
理想の異世界生活からどんどん離れていくな。
でも、今は美少女軍団と一緒に行動できるんだから少しでも得があると思わないとね。
ピロン!!
?
19件目
美少女と一緒で嬉しいなどとそんな気持ちを持っていてはいつまでたっても成長しませんよ。それに私の方が美少女だと思いませんか? 確かに私の方が何万年も年上ではありますが容姿端麗ということでは私の右に出るものはいないでしょう。くだらないことにうつつを抜かさずに精進してください。
なにこれ、幼馴染が嫉妬するみたいじゃん。
ピロン!!
20件目
女神は嫉妬などというちっぽけなことをするわけがありません。
はいはいっと。
「とりあえず自己紹介でもしながら歩こっか。私はシア。よろしくね。」
「私はユーリ。よろしく〜」
「私はリア、途中までよろしくね!!」
「そして最後に私がユイ。よろしく。」
「俺は武蔵です。よろしくお願いします!!」
「ユイ、丁寧でいい子じゃん。心配しすぎだって!!」
「でも、一緒に森を出ないということは何かあるってことでしょ。そういうことをしっかり考えないとでしょ。」
「もう!! ごめんね、武蔵。ちょっと男嫌いなところがあって。」
「大丈夫です。」
「その敬語? やめた方がいいよ。私たち冒険者に敬語なんて使ってたら舐められるだけだからね。もちろん貴族相手には使わないといけないよ!! 使わないと首チョンパも有り得るからね!!」
「ありがとう。」
「そんな常識も知らねぇのかよ。」
またもやユイがボソッと言っていたが本当に男嫌いなのだろう。
多分今後会うこともないし、さっさとゴブリン倒して別れますか。
女神様も嫉妬しますからね!!
ピロン!!
21件目
だから嫉妬していません!!




