第36話 死へのカウントダウン?!
「「シア!!」」
「低級冒険者かとおもいましたが、なかなかやるようですね。ですが、私の敵ではないのがちょっと残念ではありますが」
そういいながら魔族は力を入れ始めシアの剣が押させる。
そのせいで、シアの頬に爪がスレそこか血が流れ出してしまう。
俺はそんな光景をただ見ていること聞かできなかったが、いつも一緒にいるパーテイーはそうではなかった。
「ウォーターボール!!」
ユイが魔族に向かってサッカーボール状の水を放つ。
この魔法の特製は、速い水球を当ててプチ爆発してダメージを当てるという魔法のはず。
だが、目の前で起きたことは、魔族がもう片方の手に生えている爪でなぎ払い、水球が切り裂かれその場で水が落ちていった。
「うそ……。」
「詠唱が必要のない低級魔法では傷などで私を傷つけられるとでも思いましたか? 随分舐められたものですね。一応これでも中級魔族なのであなた方とはレベルが違うのですよ。身の程を知ってもらう必要があるみたいですね。」
「動かない……。抜けない……。」
「これほどの魔力しか使わない魔法で得られるとは……。低級冒険者でしたか。やり方を間違えてしまいすみません。」
リアは剣を抜くポーズを取っているのだが、そのポーズのまま何も動かない。
力を入れているのは俺から見ても明らかだが、それでも抜けないとは……。
俺たちは一体どうすれば……。
「今気づきましたが、領主の住居あんなことになっているということは仲間がまだいるみたいですね。あれをするほどの魔力。あなた達とは違い少し骨がありそうですが、私の敵ではないでしょう。ちょうど、その者達がぬけぬけとやって来ましたよ。これから死ぬとは知らず……。いや、あれは。炎帝と原物……。何故こんな辺境の地にあの原物が……。いや、これは好機と取るべきですね。」
そんなことを話している魔族となんだか目が合った気がする。
そして、魔族は見えない速さで消えたと思ったら俺の背後に立っていた。
しかも、首元に伸びた爪が当たっていて若干血が流れているのを感じる……。
これ以上力を入れれば俺はもう……。
「「武蔵!!」」
俺は何も考えられず、ただただ呼吸が早くなっていく。
俺の後ろにいる魔族は「ふふ」と笑いながら言葉を発する。
「やはりそうですか。私は魔族の中でも感情の流れを読むのが得意でして、流れがみえてしまうのですよ。この能力がここまで行かせるときが来るとは思ってもいませんでしたがね。これで、原物は終わりですね。仲間を裏切っても、助けても傷つくのはあなたのみ。魔王様はさぞ喜んでくれるでしょう。 」
「!!」
「おっと。炎帝、原物。指先少しでも動き次第首が吹き飛び増すからね。こちらにはおもちゃが沢山いるのですから、気をつけないと。それとも見せしめにとりあえず一人殺した方がよろしいですか?」
「いや、殺すな。」
「ですよね。あなた方高ランク冒険者は強さも大事ですが、それ以上に民衆の期待などが大切になってきますからね。だからこそ、魔王を殺した勇者は民衆の期待以上の働きをしたと英雄と呼ばれる。だが、勇者パーティーを途中で抜けたものはどうだ? 誰も称えられないだろ。期待ハズレだからだよ。結果を出したところで名を残せない。人族は名を残すことにこだわりがあるからね。」
「……。」
そんなことを魔族が言っているが、俺の方は酸素が頭に回らなくなり頭がぼーっとしてきている上に少しでも気を抜けば倒れてしまいそう。
ここで倒れてしまえば、爪に首がめり込みそのまま死んでしまう。
何とか頑張ってはいるが、いつまでも続くかは分からない……。
そんか意識が朦朧としている時、シアの声が聞こえてくる。
「武蔵待ってて……。犠牲者は私が変わる。武蔵はまだ冒険者になったばかりで対して期待もされていない。それなら、私たちを人質にする方が得があるのではないのか?」
「シア!! 何馬鹿なこと言ってるの!! 今は武蔵を助けることがいちばん大切だけど、それは誰も死なせないためでしょ。それに、残された武蔵のことも少しは考えなよ!!」
「リアは、武蔵がこのまま殺されてもいいって言うの!! 武蔵は私たちの大事なパートナーじゃない!! 見殺しになんてできないわ!!」
二人は揉め始めたが、魔族はそんなふたりを見て低い声で言った。
「遊んでいるのはいいですが、退屈しのぎにはなりませんね……。せっかくですし、とりあえずこの男を殺して見ますか? そうすればどんな方向の会話になるのか少しは退屈を凌げるかもしれませんし。それと、原物、炎帝、そしてお嬢さん。気づかれないように少しずつ前に進んでおりますよな。そろそろやめてもらいましょうか。この子がどうなってもいいのですか? 2人からはそこまで感じませんが、そこのお嬢さんからは大切なオーラが出てますよ。殺してしまったらさぞ悲しむことでしょう。」
「ちっバレていたか。」
「結局領主の場所も分からないままですので1人も救えてませんからね……。」
「武蔵ピンチー。武蔵ー。ピンチをチャンスに変えてみるといいことがあるって聞いたことがあるー。がんばれー。」
熱い、熱い、熱い、熱い……。
俺は急に熱くなった太ももを見ると魔族の指先が1本貫通していた。
そして少し意識がどこかに行こうとしたのだが、魔族は首元に爪を当てるのを辞め、俺の顔を手で持って倒れないようにしている。
「お嬢さん。魔力を声に乗せるとはいいアイデアだと思いますよ。ですが、私クラスではすぐに気がついてしまいますよ。しっかりと考えて発言しないと、もっと悲しく、そして辛い結果になりますよ。皆さんの感情がかなり動いたということですので、この男はすぐに殺さずじっくり料理でもしていきますかね。」
じっくり料理……。
ということはすぐに殺さねぇんだろ。
仮に俺を殺したら次はシアたち。
それなら俺がやることは決まってるよな。
俺は息が荒くなりながら大声を出した。
「原物、さっさと魔族を殺してくれ。たった一人の犠牲で二人以上救えるんだぞ。どんな答えを出すか明白だろ。」
俺は最後に少し笑いかける。
原物はそれを見て「うん。」と頷いてくれるが、ほかのみんなは慌てているのが見える。
頼んだ。原物。
こっちは女神がついてるんだ。
運が相当悪くても、何とかなるだろう!!
買ってみやるぜ!! 勝負だ魔族!!
「炎帝、あのガキ事焼き払え」
「……。えっ。正気ですか!!」
「ああ。男があれだけ言ったんだ。従う他ないだろ。俺はあいつを使えない奴だと思っていたが、そうではなかったな。」
「ですが……。」
「さっさとやってくれ。あと、俺は治癒能力はないからな!!」
「どうにでもなれ!!」
炎帝は低級魔法の火球を無詠唱で放つが、込められた魔力が多いのでバランスボールぐらいの大きさ。
そして、速さも先程のユイとは比べ物にならないほど速くどんどん俺たちに気まづいてくる。
だが、魔族は何も動かない。
そんな時、いつもの迷惑メールが届く。
ピロン!!
ピロン!!
「?!」
「……。へ?」
何故か女神のメールがくると同時に魔族は俺をほったらかして空中に逃げた。
だが、火球は止まらずこのまま死ぬ!! と思ったが、急にバリアのようなものが展開され目の前で火球は消え去った。
一体何が……。
「めっ神の使徒がこんなところに……。しかも、こんな低級冒険者風情が……。それにあのオーラ。神に寵愛でも受けているのでしょう……。それに先程の爪が一瞬で無になったことを考えれば、あれ以上いたら私自身が危なかった……。このことは魔王様に報告しなければ……。」
「させるか!!」
見えない速度で地面から三角錐のようなものが地面から生え先端で魔族を突き刺した。
魔族は両手で抑え外そうとするが、中心を貫通してしまっているためか、全く抜けずそのまま血を吐いていた。
「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。さすが原物ということでしょう。ですが、この情報だけは届けないと行けません。私を舐めてもらっては」
話の途中だが、魔族が急に木っ端微塵に飛び散り形すら無くなった。
そこにあるのは血の水溜まりのみ。
血がついた地面から生えた魔法はそのまま地面に戻っていった。
「これで一件落着だな。」
原物はそういうが、原物以外は現実を受け入れられないでいた。
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