第33話 ついに見つけた!!
あれからしばらく時間が経ち、炎帝を探しているのだが、なかなか会えずムイとのデートになってしまっていた。
炎帝以外にもシアたちと会えるかも!! と思っていたが、そっちも会えずじまい。
この状況を不安に感じた俺はつい手を握っている方をぎゅっと握ってしまう。
あっ。と思ってすぐに辞めるがムイはいつも通りの表情で、
「大丈夫ー。そのうち見つかるからー。」
と答えてくれて、どこか心が安らぐような感覚に陥った。
よし!! と思いながら顔を上げて進もうとするが、ムイはその場で止まっていて、俺だけ先行になるので少し転びそうになってしまう。
もしかして……。
「どうしたの? 誰かいた?」
期待を含みながら言うがムイは頭を左右に振った。
では、何故止まったのか? ここに何があるのか……。考えてみるものの何も分からない。
「もうー。武蔵は考えすぎー。ほら、ここ。シワ寄っちゃってるでしょ。もっとリラックス。はいー。深呼吸ー。」
「すーはー。すーはー。」
ムイはそういいながら両手を広げて深呼吸するので同じようにする。
頭の中に溜まっていた空気が外に流れ新たに綺麗な空気が流れる感覚がする。
それと同時に心のドキドキが止まらなくなった。
手を広げて深呼吸しているが、片方はムイと手を繋いだまま。
それに、こんなにも可愛い子と手を繋いで二人でいるこの状況……。
って何言ってるんだ。
今まで何も気にせずムイといたじゃないか!!
そう言い聞かすが、ドキドキは止まってくらずなんだか早くなっている感じがする。
だが、こういう状況になると確実に邪魔の合図がなるんだよな……。
ピロン!!
……。
「? 武蔵どうしたー? 深呼吸またするー?」
「ううん。大丈夫。よし、炎帝探しの続きをしよっか。」
「うん!!」
今はムイとの時間を楽しみたいから、無駄なメールは無視無視。
ピロン!!
ピロン!!
……。
なんだか鬼の角が生えてるような感じがしたのでとりあえず開けることに。
はぁ。ムイとの時間を大切にしたいのになー。
35件目
私の眷属を牢獄に入れるとは何を考えているのでしょうか? それに、あなたたちが言うようにこの街を支配しているのは魔族。あの集団は魔王のためといいながら姑息な手ばかりするので、しっかりと安全な対応をしてください
36件目
なんですか!! 最近同僚が情報メールばかり届けるのでそれに対抗していい情報をあげたというのに!! そんなこと言うなら考えますよ!! あっちょっと待ってください!! 本気にしないでくだしい!!
7件目
炎帝もいいですが、この街にはもっと強い冒険者がいるみたいです。詳しいことは言えませんし、私の眷属ではないので訴えることもできません。全ておまかせ。ということになってしまいますが、心から出会えることを願っています。
それと、ムイにドキドキしすぎないようにしてくださいね。
私嫉妬してしまいます。
えっ。嫉妬!! えっ!!
ムイに対してのドキドキモードから女神にドキドキモードになりかかったが、この女神の今までの行いを思い出し直ぐに終了となった。
だが、炎帝よりも強い冒険者というのが気になるな……。
情報はそれしかないから、とりあえず炎帝探し中心に頑張りますか!!
気合を入れた矢先またもや連絡が届く。
ピロン!!
8件目
報告なのですが、女神同士のメールは互いに見えるようにしましたので、より良いメールを遅れると思います。それと、今までのメールから見ても私の方が優れた情報を提供し、あなたの役に立ててると自負しております。もし困ったことがありましたら、いつでも頼ってくださいね。
あっ。ちょうど会議に行ったのでしばらく私と2人っきり。
いっぱいメールを送ってしまおうか迷ってしまいます♡
……。
これは、ドキってよりか迷惑メールだな……。
少し冷静に判断できるようになったおかげで、全くと言っていいほどなびかずそのままスルーすることにした。
おっと、こんなことに時間をかけてる暇はないんだった!!
炎帝を探さないと!!
俺とムイは炎帝を探しているとムイが突然大きな声を出した!!
「ムイ?! どうしたの!!」
「思い出した。確か甘いものが好きだから、いっつも甘いもの食べてるってこないだ言ってた……。この街の甘いものが売ってる店に行けばそのうち会えるはず!!」
「でも、この街のこと全く知らないし……。」
「そこはお任せあれー。」
そういいながら胸を叩くが、実際本当におまかせしていいのか分からない。
だが、ムイはなんの迷いもなくスムーズに突き進み始めた。
「実は武蔵が捕まってる時美味しい甘味処をみつけたからもしかしたらと思ってねー。あっ。武蔵のことを探しながら甘味処はついでにって感じー。それで見つけたのがあともう少しで見えるところなんだけど、こじんまりしてて、炎帝が好きそうー。」
「こじんまりとした甘味処……。よくそんな場所見つけたね」
「それが私の特技ー?だからねー。よし、着いたー。」
「……。ここ?」
「うんー。」
そこは裏道にあるただただ普通の木造住宅。
それに目立った看板も無い。
いや、よく見るとポストの上に看板みたいなものがありうっすい字で甘味処と書いてあった。
こんなんじゃ、見つけられない上に営業中なのかも分かりやしない……。
どうやって見つけたんだ?
気になって聞いてみたが、なんとなく歩いていたら見つけた。のみだった。
ムイは1回入ったが美味しかったらしく、多分ここなら炎帝がいるだろう。と言っているが、こんなところに有名な炎帝が来るのか?
はぁ。ムイさんはなんにもわかってませんね。
そう済ました顔でムイのことを見ているが、「入るよ。」とだけ言って家の中に入っていった。
入ると、「いらっしゃい。」とカウンターでコップを吹いてるダンディーな方が言ってくれてそのままカウンターの席に着いた。
メニューは。と思うがどこにもないし、貼ってすらいない……。
本当に何屋だ?
「武蔵、どれにする?」
「どれにするってまずメニューがどこにあるのさ!!」
「ほら、あそこ。壁に直接書いてあるでしょ?」
「……。」
確かに壁には書いてあるが、またもや消えかかっていて考えながらじっくり見ないと分かりやしない……。
とりあえず、ムイと一緒でいいや。
「ムイと一緒でいいよ。」
「わかったー。」
「おっ。いらっしゃい!!」
こんなところに客が来るのか? と思い振り返るが、ローブを纏った若い男だった。
本当にこんなところに来るなんて変わってるし、よく見つけるな。なんて思いながら何を食べるんだろうな? と期待していると、その男性はムイの隣に腰をおろしフードを取った。
「お久しぶりですね、ムイさん。この街で何度かお目にかかりますが、仕事か何かですか? ここだけの話あまりいい噂はお聞きいたしませんので、早めにクエストを受注して別の街に行った方が良いかと。」
「相変わらず心配性……。もう少し武蔵を見習って欲しい。」
「武蔵? もしかして、お隣にいる男性のことですか?」
「そう、これが武蔵ー!!」
「あっ。どうも、武蔵といいます」
「ギルドなどで炎帝と呼ばれてる。リアナール・ディ・ハーロー。だ。ところで、パーティーメンバーか?」
「悩み中なんだよねー。でも、絶対に仲間にするー。」
「……。お父様に怒らなければよろしいですが……。」
大変そうな目をされた俺だったが、ムイの父親にはなにか秘密があるのか?!
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