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第32話 炎帝はどこに……

 とりあえず、堂々としていたら気づかれないだろう。と思っていたが、さすがにここまでとはな……。

 俺は炎帝を探すため、街中を歩き回っているのだが、誰1人として声をかけられない。

 もしかすると、俺が閉じ込められたことはあまり公表されていないのかもしれないな。

 そもそも、脱獄するなんか思わないだろうに。

 そんなことを思いながらただただ道を歩いているとふと、あることに気がついてしまう……。


 俺炎帝の顔知らないわ……。


 ……。


 ……。


 そもそも、炎帝の話をくれたのはムイであって、その時炎帝のことを見てもいなければま気づきもしなかった。

 ムイからすごい冒険者ということは聞いたが、「そうなんだ。」程度しか思わず、なんの情報も聞きやしない……。


 ほんとあの時の俺何やってんだよ!!


 叫びたくなるぐらいのイラつきを心に隠しながらトボトボも歩いていると、ふとあることに気がつく。


 炎帝を探すよりもムイを探した方が早くないか?

 俺は炎帝のことを1ミリも知らない。だが、ムイはそうではないし、俺はムイの事を知っている。

 となれば、そういうことだ!!


 よし、ムイ探しに変更!!


 流れが分かり安心する俺にさらなる不安が頭をよぎる……。

 それは、俺が捕まる直前みんなに対して「うん」と頷いたことだ。

 俺にとっては脱獄は無理だから先に行って。みたいな意味を含んでいたので、そう捉えられたらいくら探したところでムイと出会うことはない。

 いや、待てよ。冒険者ギルドで、確か換金に1週間はかかるはず。と言っていたな。

 ということはみんなはまだこの街にいるはずだ!!

 ふぅ。安心安心!!

 安心しきって心が落ち着いた俺は、鼻歌を歌いながらムイ探しを始めた。

 別れている小道を覗いたり、お店に入っていないか、近くから伺ったり、もしかしたら後ろに隠れてるんじゃないか? と急に振り返ったりと。だが、ムイは一向に見つからないまま、時間だけが過ぎていった。

 だが、そんな時聞き覚えよある声がする。


 「武蔵発見ー。あれ? 元気ないー。」


 「?! ムイ!! 良かった、会いたかったよ!!」


 「そうだよー。ムイだよー。もしかして、私がいなかったから寂しかったのー? やっぱり武蔵は私の事好きなんだねー。って腕引っ張らないでー。」


 「ごめん、ちょっとだけ我慢して!!」


 「さらに、裏道に連れ去られるー。」


 俺はムイの腕を引っ張ってあまり見られない裏道へ連れていく。

 ムイとの再会で一瞬忘れていたが、俺は脱獄犯。

 俺と一緒にいるところを見られると、ムイが手伝ったのではないか? と疑われてしまう。

 それだけ絶対に阻止しないといけないので俺はさらに小道に走っていった。

 小道と言っても商人の街と言うだけあって、しっかり足元は石畳でできており、そこら辺の街とはちがう。

 俺たちが今は知っている場所は色々入り組んでいて、家同士の高さ故日があまり当たらない場所だ。

 そこを俺とムイは走っている。

 もう、ここまで来れば誰もいないだろう。と思って少しづつは歩き、そのままそこで止まりムイの方を見る。


 「もうー。いきなり引っ張らないでー!! 女の子は繊細なんだからー。」


 「ごめん。」


 ムイの顔を見て言うが、いつも見せないようにほっぺを膨らませて少し怒ってる風にしている。

 表情が分かりずらいがこればっかりはすぐに分かる。

 だが、少しその表情した後、ムイは口を上げて少し笑顔になった。


 「でも、脱出できたみたいで良かったー。本当はどうにかしようと考えていたけど、色々とあって難しかったー。だから、嬉しいー。」


 「そうなんだよ。何故かここの領主のタナがそこに囚われててって、こんな話してるんじゃなかった!! 確か炎帝と会ったって言ってたよね!! 実はこの街なんだけど……」


 俺はこの街で起こっていることを、タナから聞いたことをそのままムイに伝える。

 ムイはいつも通り何を考えているのか分からない顔でただただずっと聞いていた。

 話しながらどう考えているのか? という疑問だらけでこっちが頭を悩んでいたほどだ。


 「って感じだから、炎帝に助けてもらいたいんだけど、場所わかる?」


 「炎帝はねー。またこの街にいるみたいなこと言ってたから多分大丈夫だと思うー。ちょうど武蔵もいることだし、炎帝紹介するよー。こういう時すぐに呼び出せる魔法とかあれば便利なのにねー。」


 「それが理想だけど、とりあえず炎帝を探してこの街を助けるよ!!」


 「わかったー。」


 よし。これで炎帝を見つけてこの街の問題も解決できる。

 それに、牢屋にいることも伝えて先に助けてもらわないとだよな。

 ってか、俺よりも冒険者歴がながいんだから、その辺は任せればいっか。


 などとそんなことを考えていると、急に右手に暖かな感触がやってくるので条件反射で少し横にズレるが感触は離れることなく着いてくる。


 視線を入れるとなぜそうなったのかがすぐに判断できた。


 「ムイ……。手は繋がなくてもらいいんじゃないかな?」


 「絶対にダメ。またどこか勝手に行くからー。それと、この方がわかりやすいー。私賢いー。ほらいくよー!!」


 「……。」


 結局ムイに反発できず、そのまま手を繋いだまま炎帝を探すことになった。


月水金更新予定

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