第31話 脱獄犯になりました
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あの魔族はあなたでは絶対に勝ち目がありません。その領主の言う通り助けを求め、あなたたちは手を出さないこと!! この街には炎帝と呼ばれる冒険者がおりますので、その方を見つけ声がけをするのが良いかと思います。色々と探りましたが、その方でしたら勝てる可能性が高いと出ております。くれぐれも怪我のないように。
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そこにいる炎帝は私の眷属なので本日の夢でそれとなく伝えてみます。それと、炎帝が来るまでは決して魔族と戦わないようにしてください。今回いる魔族は魔族の中では下級魔族と呼ばれるくらいにいるものがほとんどで、1匹のみ中級魔族が潜んでおります。ですが、その中級魔族でも下の下というランクです。あなたはいつかそれよりも強い魔族を倒さなければ行けませんので、それだけを肝に銘じて貰えれば喜ばしいと考えております。どうか生きてまたあなたの姿を私に見せてください
……。
ちょっと待てよ。
このタナがいくら束になっても勝てないという相手が中級魔族の中でも弱い部類……。
俺はタナが冗談交じりに叩いてくるのでさえ結構限界を感じているということは、一生勝ち目がないとしか思えないのだが……。
そもそも、異世界召喚されたんだから最強!!
よし、魔族共をやっつけて街を助け、仲間たちと祝い酒!! ぐらいしたいじゃん!! それが、戦わないでください!!
はぁ。ほんと呆れるの一言だよね。
もういいや、とりあえず寝よっと。
大きなため息を着いたあと、何も無い地面に横たわり体を丸めながら目をつぶったが、全く眠れず数時間経ったあとやっと夢の中へ。
だが……。
……。
……。
寒!!
まだ冬にもなってない上にここは比較的暖かい場所だが、床の冷たさが直接体に来るので寒さで起きてしまう。
隣に寝ているタナはヨダレまで垂らしぐっすり寝ているし、ほんとよく寝れるもんだ。
ここだけ切り取ると囚われの身だと感じることがなくただただ酔っ払いとしか思えない。
とりあえず今日は炎帝がいることをタナに伝え、その後いろいろとトレーニングを積んで明日に備えて寝るだけか……。
それにしても絶対にユイとか心配してるだろうな。だって、一応あんなことがあったんだし……。
それでいうと、ムイもなのか?
シアやリアはまぁ、心配はしてくれてると思うが、暴走前のユイを見て慌ててそう……。
なんだか俺もあのパーティーにだいぶ大切な存在になってきたんだな……。
早く会いたいな〜。
「おっ。女か?」
「ひぃ!!!!!」
一瞬で心臓がバクバクし、気持ち悪い。気持ち悪い。とあたまでサイレンがなり始めた。
なんとこいつ、俺の耳元で急に話しかけてきたのだ。
タナは驚いたと言うよりか少し面白がっていてなんとも気に食わない奴だ。
こんなことをしているが本当に領主なのか?
「悪い、悪い、ちょっと驚かすつもりがよ。そこまで驚くなんて思いもしねぇじゃねぇか。やっぱり男が考えることなんて女しかねぇよな。想い人でも置いてきたんか? どうする? 今日決行にするか? 俺はいつでもいい。お前の勇気さえあるのならな!!」
「……。考えときます……」
「そこは、元気よくはい!! でも言っとけよ!! ほんと覇気がねぇな!!」
少しうるさい声が牢屋内に響き渡るがほかの声は一切帰ってこない。ってか、そもそも、昨日も俺たち以外の声を聞いていないような……。
もしかして……。
「ここの牢屋にいるのは、タナと俺だけ?」
「あたりめぇだろ!! そもそも、どんな悪いことすればここに来ると思ってんだよ。俺が領主の時なんて一回も使った事のねぇ場所だぞ。今ではみんな踊人形だがな。それと、呼び捨てにするなよ。次やったらわかってるよな!!」
「……。はい。あっ。そうだ。言うことがあったんでした!!」
「おいおい、聞かせてみろよ。」
俺はタナの耳に手を当て小さな声で言葉を発する
「この街に炎帝が来てるので、脱獄後お話ができれば好都合かと」
「おい!!」
「えっ。」
「そんな耳近く話したらくすぐったくて何も聞こえねぇだろ……」
「……。」
毛むじゃらのおじさんにそんなことを言われても心が1mmも動かないって。
はぁ。
「冗談だ、冗談。そんな死んだ目をするな。わかった。それなら早いうちの方がいいな。いいか、そもそも魔族たちはここにほぼ来ねぇ。いつ行こうが構わねぇんだ。それで場所がな。」
そういいながら一番端にあるどことも変わらない土床を軽く叩くと穴が空き、そこには空洞で人一人通れそうなぐらいの小さな穴があった。
もしかして、これが昨日話していた……。
でも、タナの大きさ的には通れそうにないや。
「そうだ。ここから脱出経路じゃ。お前さんはさっさと出ていって炎帝に俺の救助依頼をさっさと出してこい。いいか、必ず戻ってくるなよ。絶対な。炎帝なら勝てるかもしれないが、お前には無理だ。こんな時に優しい言葉のひとつでもかけるべきだと思うが、本当のことを言わずに死んでいく冒険者は多いいので言わせてもらった。なに、魔族と戦いさえしなければ生きていける。健闘を祈る」
「ありがとう。」
とりあえず俺は穴に体を入れ、芋虫のように動いて排水管を目指して進んだ。
排水道と言われていたが、そのままの意味で1m程の幅がある水の通り道がどこかに向かってただただ流れていくのだが、非常に臭い。
排水と言われているだけ、どこかの捨てている水などが全てここに集まっていることだろう。
俺は必死に服を鼻に付け少し対策をするが全く意味が無く、涙目になりながらタナが言っていた出口の通路へ移動した。
その出口とは昔使っていたこの街に何個か点在する井戸のことである。
現在は水が入っていない上にそこまで深くないので、何かあった時のための脱出ということは領主のみ知られているので領民には昔の名残だけ伝えてあるそうだ。
だが、そこまで深くないとは行っても3mほど石が積まれその上が地上ということなので結構大変。
その上身体強化も使えないからな……。
はぁ。
異世界に来てほんと何やってんだか。
そう思いながら一つ一つ丁寧に石を掴んで行き一度も落ちることなく牢獄を脱出できた。
現在の服装てきにあたまを隠せないのでどこかの店ね買い物を……。
おい、ちょっと待てよ……。
あっ。俺金ねぇは……。
とりあえず、炎帝に助けを求めに行かないと……。
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