第27話 高級料理店の格を知る
「いらっしゃいませ。何名様でしょうか。」
「えっと……。4人です!! あっ。5人です!!」
「承りました。ではこちらへ。」
「「……。」」
俺たちがすごいね。なんて言っていた料理屋だが、中は見たことの無い巨大なシャンデレラ。
それに、内装も白や金が多く、一瞬で高いということがわかるようになっている。
それに、床も大理石みたいなものでひきつめられており、本当に俺たちが来てもいい場所なんだろうか……。
チラッと横にいるシアを見たが、緊張している顔をしながら受け答えが早口な上ロボットのような動きで歩いている。
だが、俺もシア同様緊張が高まりすぎて思うように体が動かずロボットみたいに案内人の後をついて行く。
「お席はこちらになります。メニューもこちらからどうぞ。」
「あっありがとうございます!!」
俺たちは少し長いテーブルに椅子が6つある席に案内された。
メニューは各椅子に用意されており、座ると見開きでメニューが見られるような工夫がされている。
場違いではないかと恐る恐る周りを見るが、案の定スーツのようなオシャレな服を着ている人ばかりで、数人だけ冒険者のような服装をしている。
でも、冒険者の服装にしては高級感が溢れ出ていて俺たちのような冒険者ではないことは一目瞭然。
ゴクリと唾をのんだあと、ポケットに入っているお金を確認するが、銀貨1枚のみ……。飲み物でさえ買えない可能性がある……。
とりあえず、席にも着くとすぐに従業員数の方がコップにお水を入れて出してくれるが、その笑顔が全く嫌気がなく心から思っているような笑顔で眩しすぎてたった銀貨1枚しか持ってきていないのが申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
そんな不安なことばかり考えているとシアが恐る恐る声をだす。
「とっ。とりあえず、メニュー見よっか」
「「……。うん」」
俺は恐る恐るメニューに書かれている額などを見るが驚きを隠せなかった。
オーガのステーキ 大銀貨5枚
スティリックのお刺身定食 金貨1枚
野菜スティックの盛り合わせ 銀貨5枚
チーズの盛り合わせ 大銀貨5枚 等
そんな横文字のメニューを見ながら唯一頼めるメニューはないかと探してやっと見つけた!! と思ったものが、
ミーファの赤ワイン 1杯 銀貨1枚
これのみ!!
食べ物系でいちばん安いものはシェフの友人が作るパン。 銀貨3枚だ。
シェフが作ったものではなくその友人が作ったという素人が作ったみたいなパンが銀貨3枚!! ほんとふざけてるこの店!!
しかも、この世界では銀貨1枚あれば一般家族は1ヶ月暮らしていける程の価値。
それを踏まえてこの店やっぱりおかしいし、これを冒険者が行けるようにしていることがおかしすぎる。
俺はメニューを見てるふりをしてこっそり隣に座っているユイを見るが呆然としていて、ほかのメンバーはムイ以外同じ表情をしていた。
肝心のムイはメニューを机の上に起きただただ水を飲んでいる。
あっ。ちょっと待って!! 水も金かかるとかないよね!!
俺は慌ててメニューを見るが一応載っていなかった。多分大丈夫だよね……。
そんな時、シアが小声で俺たちに話しかける。
「みんなどうする? 来たからには頼まないとだけど、ご飯系はパン以外金銭的に難しい。ここはみんなパンを注文してさっさとかえるのはどうかな?」
相変わらず緊張感が混じった声で言ってくれる。
「そうすべき。」
「うん」
「そうだねー」
「……。」
「? 武蔵もそれでいい?」
「あの……。」
俺は話ずらそうに次のことを述べる。
「銀貨1枚しか持ってないんだけど……」
「「……。」」
「どうする? さすがにここまでとは思ってなくて……」
「大丈夫ー。私が武蔵の分払うから。銀貨は大事にしまっときなー。」
「ムイ!!」
「その代わり今度一緒にこの街散歩することー。いい?」
「もちろん!!」
俺は目を輝かせながらムイに感謝を述べたのであった。
とりあえず、ここは乗り切る。
乗り切るんだ!!
「ありがとうございました!!」
「「……。」」
お会計はみんなバラバラだと変な感じで見られるかも。となったのでムイがまとめて払いみんなは後でお金を渡すみたいだ。
それにしても、本当に俺の分払ってもらってよかったのだろう?
てか、どんな人に聞けばここを紹介されるんだ!! そうだよ!! 聞かないと!!
「ムイ、どんな場所誰に聞いたら教えて貰ったの? さすがに金額的に冒険者が行くととあこああろじゃないけど。」
「ああ。それはたまたま通りがかった炎帝に聞いたー。冒険者が入れるお店でいちばん美味しいのはどこー?って聞いたらここだって言われてー。でも、高いから気をつけろ。みたいなことも言ってたー。」
「「……。」」
「でも、みんなといい経験できたから問題なしってことでー」
「「ムイ!!」」
そこからシアとリアが「ムイったら!!」から始まり若干怒っていたが、肝心のムイは「パン美味しかったなー」しか言っておらずさらに2人を怒らせてしまった……。
とりあえず、今日の宿を見つけてゆっくりするかな。なんて思っていると、ムイは急に俺の手を引いたので体勢が崩れ転びそうになる。
「危なっ。」
「ごめんー。これから約束を果たしてもらおうと思ってー。」
「えっ。本当にふたりで出かけるつもりなの?!」
「どうせムイは武蔵に興味無い」
「まだ分からないー。とりあえず一緒にいないとねー。それにこのままいても2人の説教が長引くだけー。さっさと楽しみたいー。」
「「ムイ!!」」
「走るよー」
俺はムイに手を引かれながら走っていった。
一体どこに行くのだろうか?
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