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第26話 高級感溢れるお店

 「·····。あっ。ちょっと、ちょっと待てよ。本当にそのまま持ってくるやつがどこにいる!! 収納バックを持ってるからと言って狩った状態で出すやつがどこにいるか!!」


 「·····。えっ?」


 初め驚いていたカリアさんだったが、徐々に狂いだし瞳孔を開きながら俺たちに言葉を放った。

 その後の俺の返答で少し時間が空き冷静になってきているような感じもするが、一気にあんなに大きな声を出したせいか「はぁ。はぁ。」と肩を上下に揺らしながら魔物を見ている。

 

 「はぁ。はぁ。とりあえず解体はするが解体費が普通の2倍はかかると思ってくれ。こんなに出されちゃ1週間もかかる。また改めて出直してくれ。はぁ。仕事ないからこの職場がいいのによう·····。はぁ。」


 「「·····。では·····。」」


 疲れ果てたカリアさんに礼を告げたあと、私たちは少し申し訳なさそうにギルドを出た。

 それにしても、こないだの街でもそうだったけど解体せずそのまま出すと相当驚かれるっぽいな……。

 でも、まるまる一匹で提出した方が買取額がいいし……。

 それにあそこまでの驚き用……。

 多分収納バッグとかあっても相当高価なのだろう。収納魔法のことは黙っておこう。と決心したのであった。


 「あっ。」


 「リアどうした?」


 「美味しいお店聞くの忘れちゃった·····。どうする? また入ったところで厄介事に巻き込まれそうだけど、適当に入ってもね·····。」


 「さっきの商人さんのところに聞きに行くのはどうかな? せっかくだし色々見ときたいし。」


 「いいね。よし、出発!! で、どっち行けばいいの」


 「「·····。」」


 「武蔵、聞き込みGO!!」


 「·····。えっ。」


 「GO!!」


 「うん·····。」


 俺はリアに言われ街ゆく人々に話しかけようとするが、自宅警備員経験で家族以外と話すことがほぼなかった俺が普通に話しかけられる訳もなくただただ時間が過ぎていくだけだった。

 それにしても、シアたちは何故か大丈夫なんだよね。

 女神の差し金だからか? まぁ、信頼できる人々がこちらの世界でもいるってことが大切だろう。

 うんうん。と頷いているが、未だに誰とも話しかけられていない。

 ただただ頷く俺を見て4人は「はぁ。」とため息を付いているのがふと聞こえてくる。


 「私が行く。武蔵はどうせ無理。」


 「でも、ユイ男性嫌いでしょ? さっきからあまり女性歩いてないけど、大丈夫?」


 「問題ない。そのうち絶対に通るから!!」


 自信満々で言ったユイであったが、そこから前の道を通るのは男性ばかり。

 女性が通ったとしても反対側でその前を男性が突っ切ったりと、なんとも運がなくただただ時間が過ぎていくだけになってしまった·····。


 「しょうがない、私の出番か!!」


 シアは髪をかきあげながら自慢げに言葉を放っ。

 シアは誰に関しても苦手ということをあまり出すことがないので俺やユイよりかは全然大丈夫だろう。

 今度から絶対にシアにやってもらおう。と心に決めた時、


 「みんな遅いー。もう聞いてきた。早く行くよー。着いてきてー!!」


 「·····えっ。私の出番は?」


 「なしー。ほらほら行くよー。」


 「·····。うん。」


 「「·····。」」


 俺たちはムイにただただついて行くのだが、自信満々だったシアはなんだか落ち込み、リアはなにか申し訳なさそうでいつもより肩が下がっているのが伺えた·····。


 「まぁ、元気だして!!」ってリアがシアのことを励ましていたが、シアはなんとも言えない表情で感謝を述べていた。


 ムイはそんなことを気にせず、楽しげに少し鼻歌を歌いながらそのままお店に到着するがここでも俺の不運がやってくる·····。


 「クローズ·····。まぁ、いまさっき帰ってきてすぐにお店開けないよね·····。」


 「そう思って美味しいお店も聞いといたー!!」


 「ナイスムイ!! よし、美味しいお店目指してGO!!」


 「GOー!!」


 リアとムイは楽しげに息があっていてそのまま聞いた美味しい料理店へと歩き出した。


 「そういえば、みんなはこの後どうするの? なにか旅の予定でもある」


 「そうだね……。」


 「「……。」」


 シアが返答してくれたあと、みんな必死に考えているが何も浮かんでいないような表情をしている。

 そもそも、あの馬車の依頼だって、ユイの夢で受けろって言われたからとか言ってたからな。

 多分次の行先もあの女神が行った先になるのだろう。そうなると当分一緒に行動なのかな……。

 パーティー保留にしたばっかりだけどね……。

 はぁ。先が思いやられる。


 「そういう武蔵はなにかあるの? いや、ないか。そんな大きなため息着くぐらいだから。」


 何を!! と反論したいところだが、あの街を出たいしか考えていなかったのでこの先のこと全く考えていなかったからな……。

 そもそも、どこかに寝床みたいな場所を作って当分はレベルアップに着目した方がいいだろう。


 「とりあえず、今のところは暮らしやすいところでレベルアップかな?」


 「やっぱり。それなら、しばらく私たちと行動した方がいい。ひとりだと何かあった時に困る。それに私たちは武蔵のことわかってるからすぐに助けられるし連携も取れる。」


 「確かにそれはいいね。よし、武蔵こんな場所さっさと出て近くにある王都まで一緒に行くよ!! ここからだと馬車の旅、もしくは徒歩だけど、どっちか希望ある?」


 「そうだね、やっぱり馬車の方が安全だと。って!! なんでまた俺が一緒に行動することになってるの!! パーティーの参加は保留にしたでしょ!!」


 「これはパーティーじゃなくてただ友人が困ってるから助けたいだけだよね、ユイ。」


 「そう。シアの言う通り。」


 「ふたりはめんどくさい事になるけどいいの?」


 「もちろんー。それに武蔵といた方が面白そうー。」


 「王都に行けば私達も受けられる依頼が増えるからね。そこに武蔵を連れて行って冒険者の過酷さを知らせるのもいい案だと思わない?


 「ちょっと待って!! もう過酷さは知ってるから勘弁して!!」


 「冗談だって!! 冗談。ほんと武蔵は通じないんだから!!」


 「……。」


 その後食事処まで歩きながら予定をくみ、1週間後にギルドに行ってそのまま馬車を借りて王都に行くことになった。

 ムイが馬車の運転ができるらしいので頼むらしい。


 「あっ。ついたー。ちょっと高そうだねー」


 「……。ムイ、本当にここで合ってる?」


 ムイが止まった場所は真っ白な豪邸と行っても過言では無い建物だ。

 お庭があるのが当たり前のように見える外観だが、道路に入口があるので少し違和感がする。

 それに、こんなに綺麗な場所。俺たち冒険者が来てもいいのだろうか?

 貴族やら身分の高い商人はそういうことを気にして、冒険者お断り。という店に通うと聞いたことがある……。

 本当にここで合ってるのか?


 「もちろんー。私が聞き間違えるはず無いー。冒険者から人気って聞いたー。でも、高いからめでたい時にしか行かないって聞いたからピッタリだと思ったー。」


 「とっとりあえず入ろっか。」


 「「……。」」


 ドキドキなシアの声で俺たちはムイとシアの後を追ってお店に入るのであった。

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