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第21話 謎の石

 魔族たちは先程俺とユイが作ったなんちゃって沼を迂回するようにして俺たちに向かってくる。多分遠目から見ていたのだと思うが、ここまでバレるものかね……。


……。


 そう思って地面を見てみるが、土が湿っているのでそこだけしっかりと黒くなって他の場所と明らかに色が違うので目立ってしまっている。

 ……。


 とりあえず落とせばいいはず……。


 うん。そのはず……。


 俺は今の今まで気づかなかったが、シアはとっくのとうに気づいていたような発言をする。


 「さすがにバレるか·····。ユイ、あいつらを穴に落とす魔法はある?」


 「あってもさすがにあの数は捌ききれない。分散して対応する他ない。弱いゴブリンを初めに倒すことによって無駄な集中力を使わずに済むからさっさと対応すべき。武蔵いける?」


 「えっ·····。やってみるけど、オーガたちはどうするの?!」


 「それは大丈夫。それと失敗は許されない。私たちの命が関わってる。大丈夫。シアの武器があるから」


 「えっ。俺の実力は?」


 「ない!!」


 「·····」


 「2人とも遊んでないで行くよ!! 武蔵頑張って!!」


 「うん·····。」


 足の早いオーガやトロールが俺たちのところまでやってくる前に俺、リア組とシア、ユイ組で別れ、俺たちはとりあえずその場から遠くに逃げることになった。

 シアとユイは魔物が近づいてきたことを確認すると、俺たちから見て右側に走ってくれたので魔物たちはシア立ちに向かって走っていくが、何匹は俺たちの方にやってくる。

 しかも、オーガ、トロールの2体。

 俺は戦力外なのでリアだけではさすがに無理しか言いようがない。

 下手すれば俺の速度てきに追いつかれる可能性もあるし、どうする?


 「リア、どうする!!」


 「もちろんこれも作戦済みだけど、ここだとちょっと危ないな。もっとこっちに近づいてから実行するから、もっと遠くに逃げるよ!!」


 「俺身体強化使えないから追いつかれる!! ここまだと食われて終わりだって!! 本当にどうする!!」


 「大丈夫、信じて!!」


 俺の顔を見ながらうっすらと笑顔になったリアをどこか信じたい気持ちになった俺はリアが走った方向に必死走っていく。

 俺たちが始めここにおびき寄せ用。と作戦を立てていた場所から数百m進み、今はうっすら黒色が見える程度。

 ほんとにあれの意味はあったのか? などと思うほどだが今の俺はそんなことを考えるだけの余裕はなくただただ必死にリアに向かって走っていっていた。


 「さすがにこれ以上は……。リア!! 1人でも逃げて!!」


 「大丈夫。あともう少しだけ!! ここだと被害的に……。いや、武蔵も大丈夫か。最後の踏ん張りどころ!! 思いっきり走って!!」


 「ああ!!」


 リアに向かってはしっているのだが、リアは突然止まりポケットから何やら赤いものを取り出す。

 次第に俺とリアの距離は縮まっていき、さらにはリアを通り越しとリアは叫び出した。


 「いけぇェェェェェ!!」


 リアはそういいながら赤いものをオーガとトロールがいる地面に向かって投げ出した。

 リアは何かを投げたあと身体強化をしたのかあっという間に俺の隣までやってくるなりまたもや叫び始めた。


 「伏せろ!!」


 その声は今までに聞いたことがないぐらい威圧的で俺はとっさに走るのを辞め慌てて伏せる。

 伏せた結果魔物との距離が近くなるなど、忘れるほど無我夢中でただリアこえだけが俺の心に響いていた。

 次の瞬間


 バゴゴゴゴゴゴンンン!!


 後ろで今まで聞いた事のないぐらい巨大な音と共に強風と砂埃が俺たちを襲う。

 伏せている俺でありながら吹き飛ばされそうなぐらいの強さ。もし立っていたらどこか吹き飛ばされ落下でほぼ死んでいただろう。


 「よし、これで大丈夫。」


 「?! 魔物たち!!」


 「とりあえず、マップで確認してみて」


  「えっ。うん」


 そう言われたので目を開けるが、砂埃のせいで目に痛みが走るし、前が全く見えない。

 このままではマップの確認もそうだが、魔物たちがこのまま襲いかかってくれば何も対応ができずこのまま死んでしまう……。

 だが、何故か今まであった恐怖心が何故か少し楽になっていることを不思議に思う。

 

 「りっリア。砂煙で見えない……。」


 「ごめんね。ちょっとまっててね。クリーンウィンド!! これでもう大丈夫だから開けてみて」


 「あっ。ほんとだ!! ……。魔物たちのマークがほぼ消えてる……。えっ。あれって魔物たちがいたところだよね……。なんなのあの穴は……。」


 「やりすぎちゃったみたいだね、」


 「·····。ありえない·····。」


 魔物生息確認をした武蔵は魔物たちが襲ってきた場所を見たがそこには巨大なクレーターしか残されていなかった。

 クレーターの後ろにぽつりぽつりとゴブリンがいるものの、吹き飛ばされたせいかあちらこちらに傷ができ立っているのもやっとという感じだ。


 「これすると魔物の素材がダメになっちゃうからあまり使いたくないんだけどね。それにすごい高いし。まぁ、今回はしょうがないってことで。ゴブリン退治行くよ!!」


 「てか、それよりも魔法!! ユイしか使えないと思ってたけど!!」


 「私の場合元々魔術師を目指してたから簡単なものしかできないけどね。それでもないよりかはマシでしょ。そんなこと言ってないでさっさと倒すよ!!」


 「うん!!」


 そういうことだったのか·····。

 ちょっと待てよ。リアが魔法使えることに驚きすぎて忘れてたけど、あのパワーを持つ何かは何?

 何を投げたの?! 

 仮にあれが魔物が持っていたら恐怖しかない……。


 「武蔵、ゴブリンたち行くよ!!」


 「あっ。うん。」


 色々あって少し忘れ気味になりやすいが、4匹いるゴブリンたちを倒さないと!! それに今のステータス、相手の状態なら余裕だろう。


 よし。


 未だゴブリンたちはその場から動かないので俺とリアは走って ゴブリンがいるところに向かう。


 リアは俺よりも早くゴブリンにたどり着き2匹殺すとゴブリンは怯えるように俺に向かって走り出した。


 俺は借りている剣でゴブリンを斜めに切るとそのままスパンと切れ、驚いて一瞬時が止まる。

 だが、ゴブリンもそれは同じで驚いたあとなんと逃げ出した。ゴブリン程度なら余裕で追いつくのだ。

 走りながら剣を横垂直線上に入れ最後のゴブリンの体が真っ二つになり、とりあえずその場は落ち着いた。


 「ふぅ。」


 「武蔵、お疲れ。とりあえず作戦の場所に戻るよ。そろそろ2人も戻ってくる頃だと思うし。」


 「·····。休憩を少し」


 「そんなこと言ってる暇無いよ。行くよ!!」


 俺はリアに手を引っ張られながら作戦場所に戻るのであった。

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