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異世界28日【女神暦354年8月24日(空の曜日)】


おはようございます。


大草原にポツンと一軒家のお時間です。

誰も笑ってくれません。

ん~~と背伸びしてからベッドから抜け出ます。


さて、後半日歩けば目的地に到着する予定です。


朝ごはんを食べ、昨日とは外套と帽子のみ変えて出発の準備をします。

もちろん家は収納に片付けます。


歩いて街道まで向かい再び街道沿いを東の森に向け歩き出します。


今回の帽子はちょっと色鮮やかにして、ポンチョと帽子でメキシコ風を醸し出します。

だれもわかってくれませんけど。


てくてくと歩いていたら探知魔法に森らしき表示が現れました。

とすると、あと5km程で森に達するはずです。


朝歩き始めてからまだ1時間くらいしか経過していません。

私の歩く速度が速いのかもしれません。

9時前には東の森に到着しそうです。


私はウキウキしながら歩きました。


1時間弱で森が見える場所までつきました。

街道は森の中を通っているようです。


馬車が止まっていました。その近くにはハンターらしきグループが数組、それぞれの仲間毎に集まっているようです。

荷物を足元に置いて、それぞれの得物をチェックしているように見えます。


遠くから眺めていると、馬車はUターンしてズロイ方面に戻っていきました。

どうやら、東の森を往復している寄合馬車のようでした。

ズロイ方面に戻る馬車にもハンターが獲物を持って乗っていました。


私は他のグループと鉢合わせしないように遠回りをして森方面へ向かいます。

森の様子を観ると、西の森のオールドフォレストよりも里山のような林に見えます。

木の高さもオールドフォレストよりも背が低く5~6m高くても10m前後。

ただ森の深さは5km以上あり探知魔法でも全貌が分かりません。オールドフォレストよりも深い森のようです。

所処に薄赤のマークとオレンジのマークがあるので、魔獣や動物はいるようです。

薄赤は奥に行くにつれて増えていて、オレンジは奥に行くにつれ少ないように見えました。

今思えば、オールドフォレストはもっと真っ赤に近い赤だった気がします。


他のハンターたちの視界に入らないところまで移動して狩の準備を始めます。

私は外套と帽子を収納にしまい、狩りの準備を始めます。

このままでも狩りは出来るのですが、ベストの上から迷彩色のブルゾンのような上着を着ます。

帽子もサファリハットの迷彩色に変えます。


体のまわり10cmを意識して対物理バリアを展開します。魔法も実際の攻撃は物理になると思っています。

森の中で炎系の魔法は使わない方が良いでしょう。

精神魔法を使われたら流石に終わりですが、基本的に物理エネルギー相殺と実物体の防御ができれば問題ないとおもいます。

それに、光学迷彩、防音防臭の魔法を今回も使います。


早速森? 林に突撃します。BGMはありません。

探知魔法を15mの範囲で展開します。


早速、兎がいました。

静かに近づいていき、そお~と上から確保しました。

この兎は瘤のような角を持っていませんので普通の兎だと思います。

じたばた暴れていますが耳を持つと静かになりました。

確か転生前には兎の耳を持つことが動物虐待とか言われていました。

ここではそんなことは無関係です。何しろ愛玩動物ではないのですから。

この世界では食肉であり、皮は材料にすぎません。ですが……。仕方ありませんそのまま解放します。


狩の目的は解体を練習した魔獣の兎なので、野生の兎は不要です。

そういえば、昨日の解体時、兎であっても魔獣や魔物は全て1体2体と数えていました。

転生前の様に普通の兎を羽で数えることもなさそうなので日本的な数え方は止めて、頭か体で数えることにした方がようようです。動物の種類によって数え方を変える。日本的でいいですけど、そんなの覚えるの大変ですよね。しかも、数え方の殆どは昔の人のご都合主義ですからね。いつまでもそんなくだらないことに付き合う必要はないと思うのですけど。そんなごまかしの鈍ら坊主の数え方にいつまでも付き合うのはいかがなものですかねぇ。まあ、私はもう日本とは無関になってしまいましたが。

また、脱線しました。そこのけそこのけ脱線するぞゲームみたいです。



光学迷彩を展開しているためか、野生の兎や鹿、猪に穴熊っぽい動物によく出会います。

最も、探知魔法でマークのある場所を目指しながら歩いているので、当然と言えば当然かもしれません。


ある動物は触ったりすると、吃驚したように駆け出して逃げていきます。

又ある動物は逃げたりせずに後ろ足で私が触った部分を掻く仕草をします。

又ある動物は一瞬体が硬直します。面白いです。


奥に奥にと歩いていきます。


ついにそれは表れました。ロックヘッドラビットです。頭に丸く硬い角があります。

昨日解体の練習をした魔獣です。名前が長いので岩頭兎と書きます。


目と目が合った気がします。すると岩頭兎は私に向かって走ってきて、2mくらい近くに来ると、ジャンプして頭から私に体当たりしてきました。

つい腕を出して防いでしまいました。


物理防御バリアを張っていたので衝撃は伝わらず怪我もしませんでしたが、岩頭兎はそのまま走り去ってしまいました。


おかしいです。光学迷彩、防音消臭をしているのになぜ私の位置が分かったのでしょう。


もう一度岩頭兎を探しに行きました。

やはり、兎は私に向かって攻撃をしてきました。

今度は来るのがわかっていたので、手に持ったロングナイフで飛んで来て空中にいる岩頭兎を斬りました。

偶然かもしれませんが丁度首筋にロングナイフが入り頭と胴体が2つに分かれました。

一撃で頭と胴を切り分けるなんて自分自身が信じられません。


    「丈夫で強い肉体と生きていくためのあらゆる最高のすべと能力をお願いします」


もしかしてこの体の強さもお願いに含まれています?

そういえば、ギルドの試験の時も……。

考えないようにしましょうそうしましょう。



ギルドで解体用に出してもらった岩頭兎は、解体するときは頭と胴体は付いていました。一体どのように狩をしたのでしょう。


今度は見つけても近づかないで、遠目から魔法で攻撃することにします。

いました、やや遠くから土魔法で作った矢を飛ばします。前は氷矢でしたので今度は土矢と言ったところでしょうか。

それを10本展開して放ちます。


4本程兎に突き刺さり、他は地面に刺さりました。

これなら首と胴体が分かれることもないですが、毛皮に穴が開いてしまいました。


私は頭に矢が当たるようにして、倒していき、結果全部で8体ほど倒しました。


探知魔法で探しているとはいえ、それなりに時間がかかり、太陽も沈みかけたのか森も暗くなってきます。

近くに湖があるのが探知魔法で分かりましたので、そこまで歩きました。

幸い、魔獣や動物、他のハンターPTはいませんでした。

私は、昼間作った家を出して中に入りました。一応魔法で家の周りバリアを展開しておきます。


早速着替えてラフな格好になり、晩御飯を作ります。

簡単に野菜を炒め、もう一方のコンロで屋台で買った肉を厚めに斬って焼いていきます。

怪しい野菜炒めと、怪しい肉のステーキとパンと紅茶をテーブルに配膳して完了です。

いただきますと言って晩御飯を食べていきます。

今度は調味料もありますのでまあまあの味になりました。


食べ終わってから風呂に入り、明日の事を考えながらベッドへもぐりこみました。


それでは、おやすみなさい。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


異世界29日【女神暦354年8月25日(陽の曜日)】


おはようございます。


静かな湖畔のポツンと一軒家のお時間です。パチパチ~。


しつこいですか? 私以外誰も読まない日記なので無視です。


今日は岩頭兎と全面対決です。かかってこいや~~です。

この世界に毒されてきている気がします。


食事をして出発準備をして外に出たら、なんだかテントが2張りありました。

もしかしたら他のPTかもしれません。まだ、起きていないようなので急いで撤収の準備をします。

家の外に出る前に光学迷彩を掛け、家を収納していきました。

そして、そのまま森に入っていき姿をくらませます。

大丈夫だよね、ばれてないよね。見ていても急に家が消えたように見えたはず。そう思っておくことにしました。


森に入って岩頭兎を探していたら、猪がいました。

でも頭に角がありました。鑑定すると一角猪で魔獣でした。


どうやって倒そうか考えていると、ふと私は魔法で雷を使っていないことを思いだし、この猪を雷魔法で倒すことに決めました。


私は「えい」と雷を一角猪の角に落としました。

バリバリバリとすごい音がして眩しい光の為、目を瞑ってしまい再び開けると、目の前の一角猪が足をぴんと伸ばしたまま横に倒れ、すこし燃えていました。私はあわてて魔法で水を掛け火を消しました。

幸い火は燃え広がらず消えていきましたが、焦げてしまっています。これではなんの材料にも肉にもなりません。丸焦げです。

猪を木の棒でさして火の上で焼いている料理を思い出してしまいました。

それはさておき、もう少し考えて魔法を使うことにしましょう。


一応収納して、再び魔獣反応のあるところまで歩きます。

今度は岩頭兎でした。

私は岩頭兎の前に体を表し、攻撃に備えます。すると、岩頭兎は回れ右をして逃げていきました。

あれれ? こちらに向かってきませんでした。

なぜ私の存在がわかるのでしょうか? なぞです。


魔獣を探しながら歩き回ります。


カモシカがいました。鹿とは違います。鑑定するとウッドカモシカで魔獣と表示されました。

今度は失敗しないように弱めの雷にしました。


魔法を放つと硬直したよう足をぴんと伸ばして、倒れました。燃えることもありませんでした。

成功です。これなら毛皮もダメになりませんし、肉も問題ないでしょう。

ウッドカモシカを収納に入れた私はホクホクです。


その後、岩頭兎を見つけては何回かは逃げられてしまいますが、捕獲の効率も上がって行きました。

ウッドカモシカ、ホーンフォレット、岩頭兎ロックヘッドラビット、猪などを捕まえていきました。

うにょうにょしたナメクジみたいなものもいました。20cm位で気持ち悪かったので塩を掛けてやりました。

ニシキヘビのような巨大な蛇が木にいました。私と目が合ったような気がしますが、動くこともなくじっとしていたので私も無視してその場を離れました。

恐かったからではありませんよ。ほんとですよ。


何となく理解しました、地球に狩をしにくる異星人の映画を思い出しました。

そうです、アールノドシワレツネガーさんの映画です。

さらに、蛇などにもその特殊能力が備わっていると自然探究ワールドネイチャーという番組で見たことがあります。

つまり、岩頭兎は人の体温つまり赤外線を感知するのではないかということです。

光学迷彩、防臭、防音。もし体温いわゆる赤外線を感知するのであれば赤外線が漏れないようにしないといけません。

確か自動車によっては赤外線と紫外線をカットするガラスが使われているものもありました。

私の車は紫外線だけカットしていました。赤外線もカットして板ガラスを使うのは高級車だけでした。


私はさらに赤外線遮断の魔法を使いました。


そして、いました岩頭兎です。

私は兎の前に姿を見せます。するとどうでしょう。岩頭兎はまるで私が存在していないかのように、もぞもぞ動いているだけです。

私は思わずやったーと叫んでしまいました。叫び声が大きすぎたのでしょうか防音魔法から音が漏れたようで、岩頭兎が身をひるがえして逃げてしまいました。とほほ。



そんなこんなで午前が終わりました。でも、午前中だけで十分な獲物を取れました。


倒れた巨木の上で昼ごはんにしました。


解体練習用の岩頭兎は十分確保できたと思います。

あとは、襲ってくる獣や魔獣のみ狩ろうと考え、もう少し奥に行ってみることにします。


同じ魔法を使っていても仕方がありませんので、他の魔法も使いながら奥に進むことにします。



そこであの魔物に出会いました。



森の中に小高い山がありその切り立った所に洞窟を見つけました。

私は様子を見ながら近寄ります。そして、探知魔法で洞窟の中を調べました。

薄赤いマークが幾つもあり、その一部に薄緑のマークもありました。


洞窟は一階層でダンジョンではなく、最深部は100m位、いくつかの部屋に分かれていました。

光学迷彩、消臭消音IR遮断、物理バリアを掛けなおし洞窟の中に入っていきました。



松明が所々に使われて、その明かりがわずかに見えます。

松明と同じ色でライト使い、適度な間隔で点灯させます。


3つの薄赤マークが出ている脇穴に入り少し住んで部屋のようなところを隠れながら確認をしました。

緑色の体色で、腹が出て、顔は目が細長くエラの張って、小さな角があります。

何故だか非常にイラつく顔立ちです。DNAに刻まれた何かでしょうか?


鑑定を掛けたところ、ゴブリンと表示されました。

まさかこんなところでゴブリンに出会うとも思いませんでしたし、その巣穴があるとも思いませんでした。

そしてゴブリンは火を使うということを知りました。


私は3体のゴブリンに氷矢を放ちました。マークが消えました。

死体には灰色のマークが点くように探知魔法を設定します。



氷矢の射程距離がどのくらいかわかりませんが、探知魔法で洞窟の中の薄赤のマークに向かって追尾して飛翔するように氷矢を放っていきます。

薄赤マークは灰色マークに変わっていきます。全ての薄赤が灰色に変わるまで続けました。


その間、灰色マークに向かい、耳をそぎ落とします。耳が討伐部位ですのでこれは確実に必要です。

本体は収納して確保しても何の役にも立たないと座学で習いました。

でも、そのまま放置しておくのは嫌なので、一応、死体も収納しておきます。確か体に魔石を持って個体もあるらしいです。


少し広めの部屋を調べていたら、部屋の一角に剣や装備が積まれていました。ギルドのタグプレートも見つけました。それらもまとめて収納していきます。


私が耳をそぎ落とし収納しながら歩いていると、探知魔法から全ての薄赤マークが無くなり、薄緑マークのみ残りました。

個体数を数えずに耳を削いでは収納していましたので、この時は何体いたのかわかりませんでした。



最後に、薄緑マークが集まっている部屋の前にたどり着きました。

そこには木製のドアがあり、鎖でドアが固定されていました。


ロックはされておらず、何重にも鎖が巻かれているだけでした。

鎖を解き、ドアを開けました。中は広く暗く、松明の明かりも近くまでしか照らしていません。

私は魔法でライトをつかい部屋を明るくしました。


中には11人の女性がいました。

成人女性4人、私と同じくらいの年齢3人、そして子供4人。


私は「こんにちは~」と暢気に挨拶をしながら、光学迷彩を解きました。

「誰?」と言われたので、ハンターですと言いました。どろぼうではありませんので。


偶然イーストフォレストで、この洞窟を見つけて、中に入ったらゴブリンの巣だったことが分かったので、ゴブリンを全滅させたと伝えました。


女性達は助かったと喜び、抱き合って泣いてました。

一安心はできますが、私は帰るまでが大変だと感じていました。ハンターは私一人で11人を無事に街まで送り届けることが可能か一抹の不安が残ります。


その時、探知魔法に入口付近に再び薄赤のマークが点灯しました。

私は、「皆さん静かに、外に出ていたゴブリン達が戻ってきたようです」と言いました。

女性たちは一瞬で静かになるとともに、絶望しているようでした。


そして、即座に氷矢を薄赤マークに向けて放ちました。

程なくすべての薄赤マークは灰色マークに変わりました。


もう大丈夫です。皆さんはズロイの街の人たちかと聞きました。


そうです。という人と、違うという人がいました。

皆さんをズロイの街まで一旦送り届けます、できれば協力してくださいとお願いしました。

私みたいな若輩者の言う事に従ってくれますでしょうか?

皆は了承してくれました。


まず、移動に耐えられるか、怪我をしているか確認しました。

横わたっていて動けない人もいました。

連れ去られるときに腕を骨折したり、殴られている人もいました。


具合の程度を確認しながら治癒魔法を掛けました。

現代日本の教育の成果でしょう、保健体育で習った程度の知識でも十分治癒することのできる魔法を使うことができました。

私も実際ビデオの逆回転のように、傷が治っていく様を目の当たりにして吃驚しました。

魔法を使っている本人が驚いてどうすのでしょうね。


怪我をしている人を治し、移動できるか確認し、移動に問題無いようでしたので皆で入り口まで歩きました。

入口付近で倒れているゴブリンを収納して、洞窟の外を探知してから洞窟を出ました。洞窟は入口を土魔法で埋めました。一応入り口がわかるように印をつけます。


外は既に陽も影っていたので、今日の森からの移動は無謀と判断しました。


11人いて、野営は無理と判断できたので、洞窟の前に家を作りました。

簡易的なものなので大広間とリビング、風呂、トイレ、炊事場のみあります。簡易的な家ですよ?

私も今日はここで寝るつもりです。



夕食は女性たちの協力もあり、食材と道具を出して手分けして作りました。

この森で狩った普通の兎や岩頭兎を出すと、女性たちは私よりも手慣れたように上手に解体していきました。

少しうらやましかったです。

火は流石にプロパンガスは使えないので、竈を使います。やはり女性たちは手慣れたものでした。

デザートはあの木の実を切り分けて食べました。

女性達は一様に初めて食べる木の実だと言ってました。


夕食が終わってから、お風呂にも入ってもらいました。お湯を用意し、湯船と体洗いようの湯を別に用意してあります。

こんな場所で風呂? と驚いていました。

こんな所でこんな時だからこそ、湯船につかり、体を綺麗にすれば女性は精神の安定になるはずです。私がそうであるように。


石鹸は知っているようでしたが、シャンプーは知らないようでしたので使い方だけ説明しました。

ただ、こんなに緑の石鹸は知らないそうです。

薬草を石鹸に混ぜた私のオリジナルです。

いい香りでリラックスできます。


皆がお風呂に入っている間、着ているものを回収し、クリーンの魔法で綺麗にするとともに、サイズを見ながカピオの毛でパジャマ、どちらかというとスウェット上下に近いかな? を作り、敷布団と毛布も人数分作っておきました。

大広間に寝床を並べ、着ていた服も畳んでそれぞれ並べ置いておきました。

それが終わってから風呂場に行き、お風呂から上がってきた人にバスタオルとスウェット上下を配っていきました。

女性達はそれぞれが協力し合って体を拭いたり、子供に服を着せたりしていました。

お風呂は正解でした。皆落ち着きを取り戻しています。


大広間に集まり、各々が着ていた服を返却しました。

ただ、破けたりして状態がよくないものや動きにくい服が多かったため、明日の移動に不向きと思い、ジーンズやパンツ、シャツ、ジャケットを用意しました。靴についても今のうちに履きやすく、動きやすいものを作りました。その場で着てもらってサイズを確認してもらいました。服についてはすべて差し上げる事にしています。


そして、子供のほとんどは年配の成人女性~といっても20から25位~の子供であることが分かりました。私と同じくらいの年齢の女性はハンターPTで薬草や兎を狩に来て捕まってしまったそうです。


ハンターPTはPT名が『陽の雫』といい、リーダーは盾持ち剣士のコイラ|(16)、メインは槍で弓も使うメシュツ|(15)、魔法使いのパティ|(15)3人とも同じ村で同じ年の生まれのFランクハンターでした。

他の人の名前は一気に覚えられませんでした。


私は女性達に好きな寝床を選んでもらってから、明日この森を出ることを伝えました。

『陽の雫』ハンターPTの女性達にも移動の手伝いをしてもらうことを了承してもらいました。

なんか、お姉さまとか言われているんだけど、一応貴方たちと同じ年齢の設定にしていますよ。

わざわざ言いませんが。今回は勘違いしていてもらった方がいいようなので。

それに、私一人よりも皆で協力しながら脱出しようとした方が、一体感が生まれるはずです。

武器は明日渡すことにしました。


ライトを薄明かりにして、皆が布団に入ったのを見計らって、スリープの魔法を掛けました。

今だけでも安心して寝てください。


私は炊事場で明日の朝ごはんと、昼ごはん、休憩のおやつ、PTに渡す武器と防具を作ってから寝ました。


それでは、おやすみなさい。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


異世界30日【女神暦354年8月26日(月の曜日)】


おはようございます。


私が起きたときには既に数名の女性が起きていました。どうやら熟睡できたようです。

他の人をそれぞれで起こしてもらい、私はリビングに朝食を並べていきます。


皆、昨日とは違う顔立ちになっています。昨日は絶望に近い顔に見えました。が、今は希望にあふれた顔に見えます。


子供もいますので、無理をしないペースで今日中に森を抜けることを伝えます。

探知魔法では森の縁の確認がギリギリ確認できたので休みながらでも午前中に森は抜けられると思っています。

子供もいますので、多めに見積もって10kmを4時間なら歩破出来るはずです。


全員が準備できてから出発することにします。皆私が作った服と靴を履いてくれています。スタイルいいな。

皆の服は私が収納にしまっています。

家は再び使う事も考えて収納しました。


私が先頭に歩き『陽の雫』PTには殿を頼みました。

それぞれに笛(あのホイッスル)を渡して何かあったら吹くようにお願いしました。


皆に光学迷彩、消音、消臭、IR遮断の魔法をかけました。

もちろん、敵から見えなくする条件で掛けていますから、各人同士は確認できます。



私は探知魔法で方向と魔獣の存在を確認しながら、最短で森を抜けるルートを歩いていきました。

5回程休憩をしたのち森を抜けることができました。


時間は思ったよりもかかって、5時間近くかかりました。

途中で疲れた子供もいて、お母さんに背負ってもらうため、背負子を作ったりしたためです。

おんぶ紐より良いのではと思い作りました。評判は良かったです。

私とPTは戦闘になる可能性もあるため子供を背負うことはしませんでした。

もちろん母親たちはそれを理解しています。


それでも、森から出られたことで皆は安堵していたと思います。

朝早くから出発したので、時間は12時を過ぎたところです。


森から離れて昼ごはんにします。


テーブルといすを人数分だして、大きめのお皿、人数分のカップをを用意します。

収納から昼ごはん用に作ったサンドイッチをお皿に盛り、暖かい紅茶と冷たい紅茶を用意します。

サンドイッチは十分な量があります。

子供用にカピオのミルクも用意しました。お母さん達もカピオのミルクには驚いていました。

食べ終わったのを確認してから、片栗粉で作った餅っぽいものを出します。

掛けてあるのはきな粉と砂糖を混ぜたものです。喉に詰まらないようにお母さんたちに注意をしてもらいます。

きな粉は大豆を炒ってミルで細かくしたものです。

砂糖は店で売っていたザラメを砕いています。


暫く会話をして食休みをしてから再び出発します。


ズロイの街に住んでいる女性が、ズロイの街とイーストフォレストの間を往復している寄合馬車の事を知っていて、街道に出ればそれに乗ることが可能と教えてくれました。


私たちは30分ほど歩いて街道まで出ました。

丁度、ズロイの街に戻る乗合馬車がいたので交渉して乗せてもらいました。

戻るハンターがいなかったので空車で戻るところだったようで、喜ばれました。

また、女性たちを助け出したということを説明したら、運賃は無料にしてくれました。


寄合馬車はズロイの街から主にハンターを乗せてイーストフォレストまで行き、イーストフォレストから街まで戻るハンターを再び乗せズロイの街に戻るそうです。

私はそんなもの知らなかったので、イーストフォレストまで歩きました。がっくり。


街から乗る人がいなくても、イーストフォレストから戻るハンターの為に空でも毎日運航しているそうです。その逆ももちろんあるそうです。


女性ばかりでしたので1台で全員が乗れました。

馬車は4時間程でズロイの街に到着するそうです。

徒歩で1日半、馬車だと4時間ということを聞いて、行きの間ずっと歩いていた私はさらにがっくりきてました。がっくり2回目です。


馬車の中でも女性たちは笑顔が戻り、子供たちは安心して母親の膝の上で寝たり話をしたりしています。


子供たちにPTSDとか心配していたのですが、こういうことは日常的なので大丈夫と一人の女性が言っていました。もちろんPTSDをそのまま言ったわけではありません。


子供からも女性からもいろいろ話しかけられました。

今まで着ていた服は全ての女性が不要と言ってました。

その代り今着ている服と、寝るときに着た服が欲しいと言っていたので「古い服と交換でいいです」と言って渡しました。もともとそのつもりでしたので。

古いぼろぼろの服もこの世界の標準的な服と思うのでもらっておいて損はないと思います。


昼に食べたお菓子についても聞かれました。

私が作った菓子と説明したところ作り方を教えてほしいと言われました。

秘密にしているわけではないし、作り方は面倒ではないものの、口頭だけで説明できるか分からないので作るところを見てもらうしかないと言い、落ち着いたら教えますよと言っておきました。


ハンターPTからは収納の事と私のハンター歴、ランクを聞かれました。

彼女たちはFランクのハンターでしたので、私の事が気になったようです。

ハンター歴は言わず、Dランクのハンターとだけ言いました。

色々話をしているとそれぞれが眠りに入っていました。


私は探知魔法で周りの確認をしていたので、寝られません。


そうして4時間30分程で馬車は街門に到着しました。ほぼ定刻通りのようです。

私は門番に事情を説明して、タグプレートを見せ街に入りました。

馬車をハンターギルド入口前まで回してもらい、そこで皆に降りてもらいました。

御者の人にお礼を言ったら、御者の人から皆を救ってくれてありがとうと逆に返されてしまいました。



ハンターギルドに入って、受付で事情を説明したところ、この前の会議室のような場所に案内されました。

そこでギルドマスターのクスタントに再度事情を説明しました。


それぞれから事の詳細をクスタントが聞いた後、名前を確認し、この街で生活していた3人の女性と2人の子供は家に連絡が向かい、暫くしてからその家族が迎えに来たのでそのまま帰って行きました。

何度もお礼を言われてしまいました。私は頭の後ろを掻くことで照れ隠ししてました。


1人の女性とその子供の2人、ハンターPTの3人がその場に残りました。


彼女たちはこの街の人間ではない為、迎えは来ません。

彼女たちにどうするかクスタントが聞いています。宿に泊まるなら手配するとのこと。

しかし、彼女らは身銭もなく宿に泊まることもできないとのこと。


ハンターの女性たちは依頼を受ければ身銭を稼ぐことはできるものの、子供のいる女性はそれもままなりません。

ハンターPTに貸していた武器は既に返してもらっているので、彼女らもできることは街中の依頼位で帰るための資金を溜めるのも時間がかかります。まして宿代も、となるときついと思いました。


私は厚かましいと思いましたが、クスタントに6人ぐらいならば私の家に数日宿泊してもらうことも可能なので、条件付きで私の家に泊まるか提案しました。


1ヶ月以内にここを出立する予定で土地を借りているのでその間であれば泊めることが可能であること。

彼女らの家への連絡はギルドに行ってもらい、身内の人が迎えに来てもらえるなら、一緒に帰ってもらうこと。

それが無理なら私が出立時、住んでいる町まで同道してもらっても構わないが、その場合はしばらく先の日程になること。

ハンターPTは可能な限り、ハンターの依頼を受けてもらい、子供のいる女性は仕事が見つからない場合、私の家で家政婦をしてもらうということも条件にした。

子供が2人もいては外でおちおち仕事もできないでしょう。


4人はそれでお願いしますとクスタントと私に頭を下げた。2人の子供は椅子の上で既に寝ています。


取り敢えずこの部屋で6人に待っているようにいい、その手配をクスタントは職員にし、私は執務室まで連れていかれました。

執務室で倒したゴブリンの討伐部位を出すように言われ、私はそれを収納から麻袋ごと出してテーブルの上に置きました。


クスタントはどうやってゴブリンの巣を見つけたのか、どうやって倒したのかを聞いてきたけど、森の中をさまよい歩いていたら見つけた、魔法で倒したと伝えました。


後ろに控えていた職員に地図を持ってこさせて、どのあたりにあったのかを確認したいということで、地図を探知魔法の地図と照らし合わせながらこの辺と印をつけ、洞窟は入口を土魔法で塞いでいることも伝えました。

一度行った場所であれば探知魔法の地図は半径10kmの制限は無くなります。しかし、探知が行えるのは最大半径10kmで変わりません。


職員は討伐部位と地図を持って執務室から出て行きました。


暫くすると、先ほどの職員が戻ってきて、クスタントに何やら資料を渡し、クスタントは資料を読んでかくにんしてました。


確認が終わってからクスタントは討伐は全部で253体分あったと資料を読みながら私にいいました。

そんなにいたんですね。

その中で魔石があった兆候のある部位が45体だと。

何故それがわかるのか聞いたところ、耳の形と色が違うかららしい。私は全部同じにしか見えなかったけど。

そして人質の救助が11人。


銀金貨253枚、魔石が含まれたであろう分の+αが小銀貨45枚

人質救出報酬が小金貨11枚の報酬となりました。

魔石は持ってくれば買取もあるとのことでしたが、収納に253体のゴブリンの死体がある方が気味が悪い。

なぜ魔石も得ていないのに小銀貨がもらえるのか聞いたところ、魔石持ちは持っていない魔物より、より脅威になるため報酬が加算されるとのことだった。


他にも領主に事後連絡をするので、領主からも報酬が出る可能性があるとクスタントは言ってました。


これで、話は完全に終わったので、先ほどの会議室で待っていた貰った女性達と家に向う事にしました、時刻は既に18時を過ぎてました。



家のついての反応はまあ、想像通りというか。

靴を玄関で抜いてスリッパに履き替えてもらうところから説明しました。

部屋割りと、家の使い方?を説明してから夕食つくりをすることにします。

皆には2階の空き室を使ってもらうことにしました。

女性とPTの女性は生活魔法は普通に使えたので、部屋の灯りは自分たちで何とかしてほしいと伝え、リビングやダイニングは私がライトで灯りをともしました。


陽の雫のPTは同室でかまわないらしいので、2段ベッドを2つ作り部屋に設置し布団を3セット置きました。


ロザリンには普通のベッドを2つ設置をしました。

それ以外については食後にやることにして、夕食の準備を始めることにしました。


以前作り、私自身の評判が悪かったうどんを使って、焼うどんを作ることにした。

野菜と肉を適度な大きさに切ってから炒めて、ソースモドキ、塩で味付けをしてうどんを入れて作りました。


作りながら、子供を除いた女性陣にキッチン回りの使い方などを説明しておきました。

薪を使わないのに火が使えることに驚かれ、火を魔法で点火していないのに火が使えることに驚かれ、水道を栓の上下だけで水が出る事に驚かれながら。


焼きうどんだけでは何なので、パンを出し、スープはロザリンが作ってくれました。

食事についての評価はまあ、大騒ぎされることはなかったと書いておきます。ふん。

ただ、子供受けは良かった。

私はパンに焼きうどんを挟んで焼きうどんパンで食べました、なかなかいけてましたから。本当に。


食休みをしてからみんなで風呂に入りました。

無駄に広く作っていた風呂なので6人は余裕だった。

供たちを部屋で寝かしつけたロザリンさんも含めて家の事をしました。

私一人で生活するなら収納に必需品を入れて置いても問題ないのですが、他の人がいるのであればそうはいきません。

ロザリンさんたちと話しながら食器棚や食品棚を設置。

冷蔵庫は氷で使うつもりでいたけど、氷の魔石を使うと長持ちするとのことで、多くの家庭はそれを使っているとということを知りました。

魔石はギルドか商店で売っているらしいので、明日にでも確認しにいこうかしら。


今は、とりあえず冷蔵庫に氷を入れ、肉や野菜を入れ、調味料なども入ておいた。

マヨネーズとケチャップに女性陣に食いついかれたけど。

あと食品棚にはパンや粉物、お茶類を保管した。


他には掃除道具をや、タオル、シーツなどの保管場所も作り、必要なものを入れておいた。


そこまでで、私も眠くなってしまったので足りないものは明日ということに。


それでは、おやすみなさい。


追記:

今日は書く内容が多くて疲れた。

1日がなんだか長く感じた。


自己紹介した名前をとりあえず書いておく。


2児の母:ロザリン(25)

長女:カルメ(7)

次女:メルン(5)


タグプレートや武器・装備類を収納に入れていたのを伝えるのを忘れてた。

明日、再度ギルトに行きそのことも伝えないと。

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異世界31日【女神暦354年8月27日(水の曜日)】


おはようございます。

昨日はちょっと遅くまで作業をしていたので、熟睡しました。

ゆさゆさと小さな子供に起こされてしまいました。

えっと、カルメちゃんとメルンちゃん。おはよう。


小さな子供がにぱっと笑っておはようと言ってくれる。

そんな1日の始まりは気持ちいいですね。

着替える間もなく手を引かれてリビングに連れていかれました。


ロザリンさんと陽の雫の人PTと挨拶します。

早速、ロザリンさんが朝食の準備をしてくれたようです。


朝食をいただいてから、不自由な点はないか聞いたところ、クローゼットが部屋に欲しいとのことだったので、着替えてから各部屋にクローゼットを設置しました。

各部屋にはカーテンと雨戸と網戸は付いてありますのでそれ以外部屋の問題は無いようです。

網戸はなにこれ? と言われましたが虫が入ってこない様にするためと説明し、雨戸は雨が激しいときに閉めておくものと説明しました。

網戸については便利だという顔つきでふむふむと頷いていましたが、雨戸についてはきょとんとした顔つきになってました。

文化の押し付けは好きではないので、最後に自由に使ってねとだけいっておきました。


私は午前中は家のことをして、午後からハンターギルドに向かいました。

ロザリン親子は家で留守番をして貰いました。


陽の雫PTはギルドにどんな依頼があるのか確認するそうで、一緒にギルドに向かいました。


私は受付で、ギルドマスターに取り次いでもらい、陽の雫PTは受付に挨拶をして掲示板を見ていました。


ギルドマスターの執務室でゴブリンの死体があることと、ゴブリンが溜めていた武器やタグプレートを回収してあることを伝えました。


武器や防具、タグプレートは昨日の会議室のテーブルに出しました。

その量にクスタントは驚いていました。タグプレートも数個ありました。

職員の人が応援を頼みに下に降りていきました。


私はゴブリンの死体をどうすればよいか確認しました。一応魔石を持っている死体もあるはずです。


クスタントとは解体場に持って行ってくれと言っていましたので、その場を離れ解体場に行きました。

解体場でには私に解体をレクチャーしてくれた人がいましたので、事情を説明し、ゴブリンの死体を出すことンしました。

魔石があるゴブリン限定で出すようにしたのでその場に45体のゴブリンが山積みになって出てきました。


解体場の人に一気に出すなと叱られましたが、てへへとごまかしました。


後の事は任せて、受付に戻り、陽の雫PTの様子を確認しに来ました。

どうやら、住む場所があることで比較的安めの依頼を受けても生活に困らないので、安めでも数多くの依頼をこなすようです。体を壊さないようにしてもらいたいです。


で、1階のテーブルでぼけっとしていたら職員に呼ばれ2階の会議室に行きました。

会議室には数人の職員とクスタントがいました。

クスタントが私の方に歩いてきていきなり抱き着いてきたので、頬を思いっきりひっぱたいてやりました。

クスタントはそのまま床を寝床に倒れ白目をむいています。


副マスターという人がやってきて、倒れているギルドマスターを無視して私に感謝を伝えてきます。

私は何の事かわかりませんでしたが、話を聞くと、イーストフォレストに向かって戻ってきていないハンターのタグプレートがあったようで、それまでは他の街に行ってハンターをしていると誰もが思っていたそうです。

しかし、こうしてタグプレートが見つかったということは既に亡くなっている証拠になると。

それを見つけて持ってきてくれたことに感謝ということらしいです。

クスタントはつい感極まってしまって抱き着いたのではないかということ。


感極まるにしてもハンターが無くなっているのだろ? なぜ私に抱き着く必要がある?

なんかさらにイライラが増したのでそれをクスタントにぶつけることにしました。

横たわっているクスタントをゲシゲシと足で踏んでやりました。

何となくのイライラと、セクハラのイライラです。女の敵です。滅しなければいけません。


私に足蹴にされているギルドマスターを見るに見かねて職員たちが運び出しました。


副マスターと職員たちはギルドマスターより私を優先しているようです。

死亡が分かった家族たちにこのタグプレートを渡すそうです。

副ギルドマスターは武器や防具をどうするか私に聞いてきました。

私は武器を作ろうとすれば作れるので、特にいらないと思いました。

不要の場合ギルドが相応の値段で引き取り、ハンターに安く販売するそうです。

それならと、受付にいる『陽の雫』PTを呼んでもらうことにしました。

『陽の雫』がきてから、彼女らにここにある武器と装備から自分たちに合うものを選んでもらいました。

彼女らは武器も防具もないので選んでもらうことにしました。

すると、ゴブリン達に取られた自分たちの武器と防具があったようで、彼女らは泣きながら喜んでいました。

ギルドにはそれ以外を引き取ってもらう事にしました。


武器防具はまとめて金貨1枚。タグプレートは8個あったので小金貨8枚ということになりました。

武器は剣や槍、弓、杖などが複数。防具は軽装備、プレート装備などが複数ありました。

それでも金貨1枚は安い買取価格だと思いましたが、先ほどのハンターに安く売るということで納得はしています。武器屋やに売る方が高く買い取ってくれるらしいですけど。


私は『陽の雫』PTとともに受付に戻りました。

受付では解体のおっさんが受付職員と立ち話をしていました。


待ってましたと私の方に近寄り、全てのゴブリンに魔石があったと伝えてきました。

解体費として45体分で銀金貨3枚を要求されましたが、魔石45個を受け取りました。

解体費は魔石取出しだけなので、小銀貨6枚くらいでしょうか。

ゴブリンは肉も素材も取れないので魔石が取れないと丸々解体費のみ持ち出しになります。

魔石は最低でも銀金貨1枚にはなるのでトータルでは得をします。

魔石は様々な色の物が入っていました。色によって効果が違うようです。


既に夕刻になっていたので、『陽の雫』PTと一緒に家に帰りました。


家に着くと夕食が出来ていました。ロザリンさんに家政婦をずっとやってもらおうかしら。


夕食が済んで、ロザリンさん達に魔石を見てもらいました。

冷蔵庫に使える魔石があるかの確認です。

いくつかの魔石から青白い色の魔石が冷蔵庫に使えると選んでくれました。

ただ、魔石のランクが低いので3日おきに魔力の補充が必要だそうです。

魔石の種類で魔力が消費される割合が異なるので魔力補充は魔石によって異なるようです。


それでも使えるのであれば使うことにしました。

また、ライトの代わりになる魔石もありました。触っていると段階的に明るくなり、そのまま触っていると段階的に暗く魔石です。まるで転生前のLED電球のスイッチのようです。


魔石は定期的に魔力を注げば3年はどの魔石でも平均的に使えるそうです。

魔力の供給を繰り返すと最後は割れてしまう、それが3年前後とのことでした。


それにしてもロザリンさんや『陽の雫』PTメンバーは詳しいですね。

え、常識ですか? そうですか。


魔石は生活魔法のほとんどを補う種類があり、ごくまれに治癒や解毒の収納などの魔石もあるとのこと。

ライト、火、水、お湯、冷凍、清掃、洗濯、乾燥など出来るそうです。ただ、機能は決まっているので火の魔石で水を出したりはできないとのこと。まっ当然ですね。

しかし、便利ですよね。魔石があれば科学の発展なんて不要ですね。

これでは科学知識が広がりません。

しかし、その方がこの世界にとってはいいのかも。


魔法が使えない人でも、魔石が使えないかというとそんなことはなく、魔力供給をする業者がいるのでその業者に魔力供給を有償でしてもらえば、使えるそうです。現にそういう商売もあるそうです。


転生前の豆腐を売り歩いている豆腐売りを想像してしまいました。


~~~~~

まりょく~~ぅ。まりょく、魔力の供給はいらんかね~~ぇ。まりょくだよ~~。プ~~~~~♪

壊れた魔石の交換もうけたまわります~~。ませきやで~~す。


店の旗に「魔石交換承り枡』

~~~~~

昔の新聞配達風の自転車があれば完璧。なんだか、昭和臭いと感じてしまいました。

竿竹売りでもできそうだし、金魚売でも、風鈴売りでもよさそうです。


ライトの魔石は便利なので各部屋に配置することにします。

魔石に金属をつなげておくと、金属の先を触るだけで魔石を点灯させることもできるそうです。

静電容量うんちゃらみたいですね。

是非部屋に設置しましょう。



その前にロザリンさんに本格的に家政婦をやってもらいたいとお願いしました。

支払いは週一で銀貨5枚としました。それが相場だそうです。

解体もできるようなので、解体もお願いします。序でに教えてもらっちゃいましょう。

良い先生ができました。


『陽の雫』PTは何やら私に鍛えてほしいと言ってきているのですが?

ランクDなのにあんなに簡単にゴブリンを殲滅できる私に弟子入りがしたい?

いやいや、ただのチートですから。

朝起きて午前中は鍛えて欲しいと。仕事はそのあとに行く? う~ん。まあいいのかなぁ。庭も広くあるし。なんだか喜んでいますけど、私が教える事ってできますかね?

悪い先生になりました。


まあ、私も午後から解体の練習やオールドフォレストで狩りをしたいので午前中なら構わないでしょう。


ただ、鍛えるのは明後日からにすることにしました。

家にライト魔石の設置、解体場や練習場を整えたいので、明後日というのを納得してもらいました。


話し合いも終わったので先にロザリンさん達と『陽の雫』PTに風呂に入ってもらいます。

私はちょっとやりたいことがあるので後で入ります。


やりたいことは冷蔵庫に冷蔵の魔石を設置することです。

ただ、氷を取り除いて、魔石が外れないように設置するだけですが。

いい具合にできました。あとは3日毎に魔力供給するだけです。


皆が風呂から上がったのを見計らって私が入ります。


それでは、今日はここまでです。

おやすみなさい。

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異世界32日【女神暦354年8月28日(火の曜日)】


おはようございます。


異世界暦で考えると、私が転生して今日で1ヶ月ということになります。

なんだか両脇に違和感があるのですが?

布団をめくると2人の幼女が私の両サイドで陣取って寝ています。


ロザリンさんが入ってきました。2人の子供がいないと!!

布団を指さしました。


ああ、ロザリンさんへなへなしちゃって座りこんでしまいました。

まあ、朝起きて子供たちがいなくなると焦りますよねぇ。

子供を叱らないでください。


2人の子供は目をゴシゴシしながらおはようって言ってくれました。

私もおはようと返します。ほらお母さんが待ってるよと2人にお母さんのへなへな姿を見せます。

無邪気にお母さんおはようと言ってました。

無邪気なのはいいですね。


さて、ロザリンさんも立ち直って子供を自分の部屋に連れて行きます。

私も起きて着替えを済ませます。


違和感があったためでしょうかいつもより早く起きてしまったようです。

朝食はまだできていなかったので、できるまで部屋で作業します。


魔石のライトですが、手を触れる部分を謎鉱石から3種類で作ります。

鉄、銅、カーボンナノチューブです。

いずれも、触れただけで魔石のライトは点灯しました。


まあ、鉄を使いましょう。

魔石を挟む部分は3つの鉤で挟み交換しやすいようにします。魔石を1個使用します。

ライトの魔石は最大にするとまぶしいくらいでしたので1個でも明暗の明るさ調整で使えば問題ないでしょう。

スイッチはそれぞれにが個別に点灯することで明るさ調整を可能にします。

これを部屋数分作ります。

風呂場、トイレ、キッチン用もつくります。キッチンは調理場とキッチン全体で2個の魔石を使います。

風呂場も浴室と洗い場で2個。更衣室で1個を使いました。

廊下と階段は1個の魔石を設置することにします。不足する場合は後から追加しましょう。


そんな作業をしていたら朝食の準備ができたようです。


朝食を食べ終わったら、『陽の雫』PTはギルドに向かいました。

私はライトの魔石を各部屋に設置していきます。

ロザリンさんは布団を日干ししたり、洗い物をしてました。

子供2人は私の作業に興味があるのか、私の後をついてきては作業を見てました。


ライトの魔石の設置が終わったら、庭に作業小屋を設置します。そこにもライトの魔石を設置します。

これでゴブリンの魔石のうちライトの魔石はすべて使ってしまいました。

解体用の大きめのテーブルや、足元に血受けを作りました。基本ギルドで見た構造をまねしてます。

後はロザリンさんから使い勝手を聞いて手直ししよう。


あとは練習場を整備しました。まあ、標的の人形を作ったり長椅子やテーブルを作るくらいですが。


早速作った庭の長椅子でくつろいでいると、ロザリンさんが食材を買いに行きたいということだったので、お金を渡して、収納袋も買うように言っておきました。子供二人もそれについて行きました。



私は練習用の武器も作りました。竹刀と竹刀で槍のもの。なんていうんだろう。竹槍?

鉛を真ん中に仕込んだ鉄の素振り用の剣、同じく槍。これに体力の基礎力と筋肉をつける運動でいいのかしら?

魔法の基礎力アップはどうすればいいの? 座学で科学の基礎知識でも教えればいいのかしら?


それにしても、鉛を仕込んだ剣、相当重いはずなのに片腕でビュンビュン振れます。

軽め、やや重め、重めでそれぞれ作っておきましょう。


それも終わりダラダラと長椅子に寝転がって空を見ていたら、家の門が騒がしくなって、そちらを見たらロザリンさんが大勢を引き連れて戻ってきました。

何だと思っていると、捕らわれていた女性達と子供でした。

他は知らない人ですが、どこかで見た人もいます。

なんか面倒ごとになりそうだなと思っていたら、だらだらしているのを子供に見つかってしまい、お姉ちゃん起きてと腕をつかまれ皆のところに連れていかれました。


ありがとうと感謝の言葉を言われ、差し入れをもらい、いつの間にか宴会の体をなしてきました。

『陽の雫』も依頼を受けて仕事をしている途中で捕まったらしく、皆に連れられていました。


椅子やテーブル、バーベキューコンロに似たものまで持参してきて、どんちゃん騒ぎになりました。

商業ギルドのキルドマスターや受付の人、ハンターギルドのギルドマスター、副ギルドマスターもいました。

最初に会った商人さんもいました。もちろん知らない人のほうが多いです。


入れ替わり立ち代わり挨拶されて、精神的にへとへとになりました。


後でロザリンさんに聞いたら、買い物途中で捕まっていた女性と出会い、立ち話で現状を説明したら、その旦那が周りに報告して、ほかの女性の家族と連絡をして、挨拶に行くことになって、そうしたら、周り近所の知人もついてきて、いろいろ持たされ、歩いていると、私に感謝したいという人たちまでもついてきて、この様相になったとのこと。


まあ、なんでもいいですけど。それと、街だと思っていたけど規模的には町らしい。今はどうでもいいかな。


夕方暗くなってきた頃、それぞれが再びありがとうと言いながら帰っていき、静寂が訪れた。

解体場にする予定の小屋には差し入れが山積みになっていた。収納に入れておけばいいか。



夕食は作らず、先に風呂に入ってから、すぐに寝ました。


それではお休みなさい。


そうそう、どさくさに紛れてお菓子の作り方を明日の午前中に教えることになりました。



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異世界33日【女神暦354年8月29日(土の曜日)】


おはようございます。


今日は朝から雨です。

こんな日は二度寝に限ります。

しかし私の優雅な二度寝の時間は脆くも破壊されてしまいました。

2人の幼女によって。

しかも2人の幼女のおはようの挨拶と太陽のような笑顔によって完全に二度寝は破壊されました。

完全破壊で粉々です。


リビングで朝食をいただきました。ロザリンさんはいい仕事をしてます。


今日は訓練できないからねと伝えました。

『陽の雫』PTも雨の為、庭での特訓? ブートキャンプ? は諦め、今日もギルドに依頼を確認にいく事にしたようです。


それならと雨合羽と雨用のロングブーツを作って渡しました。撥水加工も抜かりないです。

ホイホイと簡単に魔法で作っていたら、コイラから「これで商売できるのでは?」と言われてしまいました。

ハッっと思わず顔を見てしまいました。その手があったか!と。

でも、折角異世界転生したのに製造で一生を費やすのは機械みたいでいやです。

なにしろ、それはつまらない。一生部屋の片隅で、小さな窓一つの中でモノ造り。タコ部屋か! 蟹工船か!

私は首を振って、「いえ、いろいろ旅をして世界を見て回りたいんですけどねぇ」と誤魔化しておきました。

それからスリッパも多めに用意しました。おかし作りに何人来るのか分からないので。


『陽の雫』PTがハンターギルドに向かうのと擦れ違うかのように、捕まっていた奥様達となぜか商業ギルドのギルドマスターがやってきました。捕まっていた以外の子供も何人かいます。

なぜ商業ギルドのギルドマスターが付いてきてるの?

美味しそうな話を聞いたのでと言いました。

それはお菓子として? 商人として? まあ、いいでしょう。


早速、靴からサンダルに履き替えてもらって、それぞれにタオルを渡します。

キッチンは広めなので問題ないでしょう。


カルメとメルンの2人の幼女も遊び相手が出来て喜んでます。

子供たちには、カーペット以外何も置いていない、リビングの隣の部屋に、ジェンガとドミノ、積木などを出して遊び方を教えておきます。ドミノは倒すだけですけど。

この部屋は日本伝統の襖を開けるとリビングやキッチンからでも目が届くので安心です。

なぜかギルドマスターのチェロミアンナの視線が鋭いのですけど。


早速、始めようかと思ったら、家の中を見せてって言われてしまいました。

まあ、多少の違いが有るかもしれませんので説明したほうがいいと思い各部屋とトイレ、風呂を案内し使い方など説明しました。

なんだか、家の内覧会みたいになっていました。

チェロミアンナからはトイレの使い方、キッチンのコンロについてしつこく質問攻めにあいました。

トイレは使えるかもしれないけど、コンロはガスが供給されないと使えませんから。

え? 魔石で同じようなものがある? 魔石を使っていないので興味深い? そうですか。

後でロザリンさんに魔石について教えてもらいましょう。


落ち着いたところでようやく始めることができました。

ポタスをすりおろして片栗粉の作り方から初めて、きな粉の作り方というかきな粉の材料が大豆ってわからなかったみたい。

なんやかんやと姦しく話しながらお菓子作りは進んでいきました。


出来上がったお菓子をみんなで試食しました。なかなかの出来です。


そこで私は片栗粉の他の使い方も説明します。

実際に野菜を炒めて、水溶き片栗粉でとろみをつけたり、とろみをつけたソースをステーキに掛けてみたり、とろみのついたスープに溶き卵をいれてみたり。

それらを見せてこんな使い方もできますとレクチャーしました。


昼に近かったためか、早速女性たちはそれぞれの発想で片栗粉を利用していました。

そしてそのまま昼食となり、作ったものの評価をみんなでしていました。

だまにしてしまっていたり、ドロドロになってしまっていたり失敗もありますが、初めてですから調整しながら使っていくようすれば分量も慣れると説明しました。


子供たちは昼ご飯を食べた為か、カーペットの上で寝始めました。

ロザリンさんが子供たちにタオルケットを掛けていきます。


母親たちはジャンガで遊び始めました。

私は商業ギルドマスターのチェロミアンナさんに掴まり2人だけで話がしたいと言われました。

理由は片栗粉の製造販売、お菓子の製造販売、ジェンガの製造販売、トイレの製造販売をしたいと言ってきました。

私は自分で考えたものではないので、どうぞと言いましたが、明日契約書を持ってくると言われてしまいました。

いや私は作らないですよ? それに、ジェンガなんてただ木を長方形に切るだけでできるのですぐ真似されると思うのですけどねぇ。

一応お任せしますとだけ言っておきました。


15時を過ぎるころになると奥様達は子供を連れて帰って行きました。


やっと一息つけました。

ロザリンさんが紅茶を入れてくれました。子供たちと一緒にそれをいただきます。

なんかホッとします。

以前、マヨネーズを作った時に作っていた、あれを食べてもらうために取り皿とスプーンを4セット用意してもらい、それぞれ小皿にアイスクリームをとりわけスプーンを付けて幼女2人の前とロザリンさんと私の分として用意しました。


私の分は? なんであなたがいるのですか? チェロミアンナさん商業ギルドの仕事はどうしました?

副マスターに任せている? ハンターギルドといい、商業ギルドといい、副マスターの方が仕事できるのではないのですかねぇ。まったくもう。

まあ、それじゃこれをどうぞ。と私が食べる予定だったものをチェロミアンナさんの前に差し出した。

直ぐに、もう1セットロザリンさんが持ってきてくれました。


評判は良く。幼女は食べ終わって、物欲しそうにこちらを見ていたが、今度は本当に鬼になるしかないのです。

「たくさん食べすぎるとお腹が冷えるからダメですよ」と言っておいた。

貴方もダメですよ。子供に示しがつかないでしょう。ほら、食べた終わったならとっとと帰ってくださいな。チェロミアンナさんに家から追いだいえ、退去してもらいました。あ~めんどくさい。


今度こそ本当に一息つけました。


それから解体に必要と思われる物をロザリンさんに聞きながら作りました。


暫くすると『陽の雫』PTが帰ってきました。

お疲れ様といって、先に風呂に入ってもらいました。


夕食を取るころには雨は上がり、明日の庭での特訓は出来そうです。

雨でぬれていたら魔法で水分を蒸発させて乾かせば問題ないでしょう。


『陽の雫』PTにも食後アイスを食べてもらいました。


明日、チェロミアンナさん来るって言っていたような……。

まあ。明日は明日の風が吹くです。


私はお風呂をいただいて寝ることにしました。


それでは、おやすみなさい。



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異世界34日【女神暦354年8月30日(金の曜日)】


おはようございます。


今日は起こされることもなく、部屋へ入ってくる明かりで目が覚めました。

うん、幼女2人もいませんでした。


早く寝ている分、早く起きられるようで良いことですよね。

ん?ドアが少し開いていて、二つの頭と片方ずつの二つのめが隙間から覗いています。

お、おはよう。

ドアが開いて、幼女2人がおはよう~と言いながら入ってきました。


朝食をいただいてから『陽の雫』PTに特訓をするか確認します。

3人とも「する」ということでしたので、もう少ししたら動きやすい服装で庭に来るように言いました。

靴も用意するのでそれを履いてくるように伝えました。


まあ、動きやすい服装なら、私はジャージです。


普段着に近い軽装で3人は庭に来ました。どうやら私の服が気になっているようです。

でも、私が履いてくるように言った靴がやたら重いと言っています。

それもそのはず、靴には片方1kgの重りがそれぞれ入っています。

これからはどこへ行くにも、何をするにも、この靴を履いて行動するようにいいました。


まずは体をほぐすために、ラジオ体操を行います。私の真似をするように。

いち、に、いち、に。


次に柔軟です。二人一組一人で余りますので私と。

背中を合わせて反り返します。 いちに、さんし。

地面に座って、背中を押します。 いちに、さんし。


特訓をする前には必ずこの行程を行うように伝えます。

中に鉛の入った武器(最初は一番軽いもの)を渡して、西門に向かいます。


門番の人に挨拶をしてから、城壁に近いところを走ります。

城壁半周を2時間を目処に走ります。街の半径は大体5km位なので、大雑把に計算して半周は15kmと見積もっています。正しい値は実際に走って探知魔法のトリップメータで計測します。平均1km6分で今日は走ります。

今は平均速度も探知魔法の地図に表示されています。

よ~いスタート。

今日は初日なのでペースは私が守って先頭で走ります。

とっ、とっ、とっ、とっと走ります。

皆の靴は片方1kg、チートな私は片方2kgの靴を履いています。


とっ、とっ、とっ、とっ。

とっ、とっ、とっ、とっ。


3人のペースを見ているとペースいい具合ですがパティのペースが落ちています。

既に南門が見えてきました。

ここまでで、1時間ちょっと。少し遅いです。いえ、意外と距離がありますね。ここまでで10kmほどありました。西門から南門まで10kmですか。予想よりありました。

他の子の限界を見たいのでそのまま走らせ続けます。

11km超えたところでパティが限界のようです。私が背負って走り続けます。

13km地点でメシュツが限界です。二人は流石に担げないので大八車を出して乗せます。


とっ、とっ、とっ、とっ。

ガラガラガラガラガラ。


大八車を転がしながらコイラの後を走って付いていくと、東門が見えたあたりで座り込んでしまいました。ここらが限界でしょう。

東門まであと少しというところでした。本人は悔しがっているようで地面をたたいていました。

コイラも大八車に乗せました。それぞれに水筒を出します。

最終的に西門から東門まで19kmありました。流石にいきなりこの距離を走るというのは無謀だったかもしれません。でも彼女たちの限界が分かりました。

3人ともよく頑張りました。

私? 普通に走りきれました。ええ、息切れすらしないで普通に。


門番の人に何事かと言われてしまいました。

私は訓練をするために西門から城壁沿いに東門まで走ってきましたと言いました。

西門から入り、家までガラガラさせながら帰りました。なんだか恥ずかしかったです。ジャージに大八車。

ダイハツの車ならかわいいのもあるようで良かったのかも。


家に着くとロザリンさんが何事かと出てきました。

2人の幼女も出てきました。大八車から3人を降ろし庭に座らせます。

幼女が走ってきて大八車に上がったのでシーソーのように遊んであげました。

一旦降りてもらって大八車をしまい。庭の片隅にシーソーを作りました。

下にはクッションを配置し落ちても怪我をしないようにしました。

ブランコや鉄棒も作ろうかしらねぇ。


庭に寝転んでいる3人に、これから1週間、東門から出て南門から家に帰ってくるように言います。

砂時計を2つ作り作り1は1時間、2は45分で砂が無くなるようにし、走る前にこれをさかさまにして、1の砂が無くなって家に戻ってきたら罰を与え、2の砂が落ちる前に到着したら次のステップに進む事にしました。一応門の手続きと街の中も走る分も1km弱含めて見積もって45分を決めました。


明日と明後日は今日の靴を履かなくても構わないけど3日後は必ず履くようにいいました。

最後に、私の靴は片方があなた達の靴の片方の倍の重さがありますよといい、脱いで持たせてみました。

これでも、所詮Dランクのハンターにすぎません。まあ、私はチートなので。

もし2日続けて1の砂が落ちきる前に3人が到着できなければ特訓は止めますとも言いました。

これから風呂に入ってもらって必ず体を解すこと。そうしないと筋肉痛になり明日は走れなくなりますから。とも言いました。


復習として、最初にやった準備体操は必ず行うこと、西門から南門を廻って家に戻ることを再度言い渡します。

これは日課なので2の砂が落ちる前に家に到着できるようになっても、必ず毎日行うようにしてくださいとも。


それでは解散です。午後まで休憩して昼食を食べた後にギルドの依頼を受けるように。


3人はよろよろと立ちあがって家に入って行きました。


明日から3人がどのように行動するか楽しみです。反骨心がどう表れるか。

でも、これで強くすることはできるのでしょうか。


ロザリンさんに心配いらないから、大丈夫3人はきっとやり遂げます。と言っておきました。

私も家に入ろうとしたら、幼女2人が『陽の雫』PT3人の靴を並べようとして、持ち上がらず、う~ん、う~んと唸ってました。

私が代わりに並べ、頭を撫でてあげました。


ロザリンさんには3人の様子を見てもらって、体をほぐせるようなら手伝ってあげてくださいとお願いしました。


まだ10時前なんですよね。起きるの早いなこの世界。

二度寝も許されないし。幼女目覚ましが正常に機能してる。


昼食を食べてから出かける予定ですので、それまでは前に作った積木に数字と記号、字を書いて計算ができるようにしました。

これを使って幼女2人と遊びながら計算の練習や文字の練習をしました。



昼食を食べて私も出かけることにしました。

玄関を見ると、先に出かけた『陽の雫』PTは重い靴を履いて出かけたようです。

結構根性あります。


私が出かけた理由は、西門から延びる街道の土が気になっていたので取り除こうかと思ってました。


西門から出かけると『陽の雫』PTが黙々とその作業を行っていました。

きっと依頼がギルドに出ていたのでしょう。

これだけ根性があるならパワーアンクルを作って渡そうかしら?


仕事の邪魔をしては申し訳ないので、頑張れと小さな声で言って光学迷彩を掛け、オールドフォレストに向かうことにしました。

良かれと思ってやらなくてよかった。他人の仕事を奪ってしまう事になるかもしれない。ちょっと反省。


早速森に入り、クレイジーラビットとアサルトボア狙いで狩りをします。

1時間程狩りをして、クレイジーラビット、フォレストウルフ、アサルトボアー、ファイベアー、ブッシュサーペントを狩りました。

オークも倒しました。ギルドの座学で説明を聞きましたけど、やっぱり本当にいるんですね。

ゴブリンがいたから本当にいると思っていましたが。異世界なんだなぁ。と。

それと木が動いていたんですよ。本当に。でも60cm位だったので見ているだけにしてましたけど。

同じような木で大きな木は動きませんでした。

鑑定したらマイグレートヒノキ。1m位までの若木が日当たりの良い定着場所を選んで移動する。と出てきました。

木自身が根を張る場所を決めて移動するんですね。これも森を維持する為の自然の法則なのかな。

森林火災で燃えても、そこまで歩いて根を張る若木。異世界面白いです。


後で幼女たちに教えてあげましょう。私より詳しかったら凹みますが。


それなりの数を狩れたので満足して街に戻ります。

街道の整備も今日の分は終わっているようで『陽の雫』PTは既に引き上げていました。

あしたもがんばれ!



で、家に帰ったらチェロミアンナさんにめっちゃ怒られました。

今日来るって言っていたでしょって。はい聞いていました、すっかり私は忘れていました、日記には書いていたのですけど。

さらに、あれは何だとシーソーを指さし詰め寄られます。説明させられました。


仕方なかったので、私用に作っていた秘密兵器を使ったことで怒りは収まりました。

しかし、おかげで、その存在を知られてしまいました。

幼女2人とロザリンさん、『陽の雫』PTにも出しました。

秘密兵器で転生前に食した物とは天と地の差がある、滑らかに作れていない今一つの失敗作なプリンを。


喜んでいるので、良しとしましょう。


で、チェロミアンナさんは資料というか契約書を何種類も持ってきて、私に説明します。

契約金としていくらか。販売価格の1%を契約料といて2か月に1回入金され、それが5年契約だそうです。

税金を差引して販売価格の1%前後の入金になるそうです。

6年目以降は権利契約が自動消失というのか基本のようでした。

ただ、商業ギルドに登録が必要のようで、実際に商売をしないということで特別会員扱いでの登録になりました。

入金は渡されたタグプレートの番号で確認するそうです。

タグプレートは昨日書いた内容で作り、持ってきてくれたようで、ハンターギルドのタグプレートとの違いは刻印されているギルドマークのようです。


チェロミアンナさんの用事が終わってから夕食にして、その後風呂に入って、幼女と遊んでから寝ました。

動く木について幼女たちは知ってました。お姉ちゃん知らないの? って言われましたよ。とほほ。


寝る前に、ひと仕事しておきます。




それではおやすみなさい。



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異世界35日【女神暦354年8月31日(木の曜日)】


おはようございます。

今日も幼女目覚ましが発動しました。

私があと5分といったら、掛け布団が無くなってしまいました。

幼女2人の仕業です。酷い所業です。私は二度寝する権利を行使することもできなくなってしまいました。


私の二度寝を返せ~~と、ロザリンさんに抗議すると、幼女2人に言ってください、起こすのが楽しいみたいなので。と切り返されてしまい、幼女2人を見るとニコニコの笑顔でこちらを見てます。

何も言えず膝を落としてorz状態になったら、幼女たちが私の頭を撫でてくれました。

くっ。コロ。


『陽の雫』PTが見当たらないので、聞いたら。特訓をしに行きましたよとロザリンさんが教えてくれました。

どうやら根性のあるPTのようです。


暫くすると陽の雫PTは「ハァハァ」いいながら戻ってきました。

2の砂時計の砂は既に全て落ち切っています。1の砂時計はまだ落ち切っていませんでした。


私はおはようと言いながら濡れタオルを渡しました。

おはようと返されて3人は風呂場に向かったようです。昨日作ってあげたジャージを着ています。

朝食の前に走ると、依頼の仕事を午前から行えるとのことで朝食の前に走ることをみんなで決めたそうです。

汗を流した彼女たちを含めて朝食にしました。

彼女たちに「どう? やれる?」と聞いたら、「やって見せます」と言われました。


朝食を取って仕事に行く彼女たちを呼び止め、パワーリストバンドを渡して、これを腕に付けるように言っておきました。

流石にジャージはきていません。私は彼女らに紫外線カットの幅広の帽子を渡して、これを被って作業しなさいと言っておきました。一瞬ビクッとしていましたが、流石に帽子に鉛は入れませんよ。

他にも水筒と、手ぬぐい、軍手もどきを渡しました。


ロザリンさんが昼のお弁当として作ったものを渡していました。

それを収納袋に入れて持って昨日と同じ作業をしに出かけていきました。


食料品は足りてる?と聞いたところ、差し入れ分だけで2週間は賄えるので、問題ないと言われました。

まあ、私の収納に入れてあるので必要だったら言ってくれるよう言いました。


私はジャングルジムと鉄棒、ブランコ、滑り台、子供の高さのトンネルを製作して、庭に設置していきました。

家の公園化現象。


幼女2人とともに遊び、遊ばせます。特に滑り台の評判がよかったです。

いっそ、2階から1階に降りる滑り台を作りましょうかねぇ。


昼食を食べてから解体の練習をします。

晩御飯にも使えるロックヘッドラビットを出します。

ロザリンさんに見てもらいながら解体をしていきます。

時折ロザリンさんに注意を受けつつ解体を行いました。

最初の頃の様に内臓や生首を見て吐いたりしなくなりました。

ロザリンさんは途中で家の仕事をしに戻りましたが、私は休憩をはさみながらもひたすら解体を行いました。

気が付けば収納の中の岩頭兎もなくなっていました。

全部で23体の岩頭兎を解体していった。そのうち6体に魔石が見つかりました。


内臓など不要な部位を燃やすのは焼却炉を作って燃やすとのことだったので早速焼却炉を解体場の横に作っていきます。

確か、謎金属に様々な金属が含まれているので、そこから融点の高い金属を使います。

謎金属を鑑定し、融点を調べると、タングステンというのが高いようです。

鉄ではなかったのですね。

その金属を魔法で焼却炉として形を整えていきます。

どの道、魔法で焼却するので煙突と入口、下に灰の取出し口だけをつくります。

下から20cmの高さに焼却物を置ける場所をつくります。


燃やすものを木の箱に入れてセットします。あとは、太陽の表面温度の3分の1の、2000度~2500度の温度をイメージして燃焼していきます。3分くらいで全て燃えつきました。煙も殆ど発生しませんでした。

解体した毛皮は収納し、肉は食用にするので丸洗いし、それぞれ収納に入れます。


ロザリンさんに毛皮を見てもらって、ギリギリ合格をもらいました。

体の大きさは魔獣で違うものの、解体の手順はこれが基本になるそうです。

他にも毒を持っていたり、特殊な体だったりで手順が変わるなどの例外はあるそうですが後は経験の積み重ねと言われました。


こんな面倒なら、解体魔法が有ればいいと思いました。

ロザリンさんに聞いてみました。

解体魔法は流石に聞いたことが無いと言われてしまいました。


私が再び解体場に向かうと、『陽の雫』PTが帰ってきました。昨日よりへとへとのようです。

お疲れ様と声を掛けておきます。


クレイジーラビットを収納から取り出し解体テーブルに置きます。

解体されていくことを念じて魔法を放ちました。


ハハハ。できちゃいました。部位ごとにテーブルの上で仕分けされて並んでいます。

内蔵はばらばらになるので一塊ひとかたまりとして焼却炉に入れ、それ以外は収納しました。



夕食前に風呂に入って体を綺麗にして、夕食をいただきました。

解体魔法が使えることを伝えたら、4人に驚かれました。


『陽の雫』PTから仕事の進捗を聞きました。

パワーリストバンドで昨日より疲れたが、予定通り本日分の距離は終わらせたとのこと。


ここで幼女たちに本題をぶつけます。

明日からは起こしに来ないでいいからね。と伝えたら、「やーー」と返されてしまいました。


今日から夕食後の寝るまでの間、『陽の雫』PTに勉強会を開こうと思うと提案したら、是非と言われた。


文字が読めないとか、文字が書けないということはないらしいが、計算が四則演算がいまいちなのと簡単な科学的な知識を学んでもらおうかと。

今日は四則演算積み木で幼児たちと一緒に遊びながら勉強してもらった。


今日はここまでです。


それでは、おやすみなさい。


もっと早く解体魔法に気が付いていれば。

夜の勉強会は結局、この日だけになりました。



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異世界36日【女神暦354年8月32日(空の曜日)】


おはようございます。


確か土地を借りるのは1ヶ月単位ということなので、来月も借りることにします。

その前に幼女が起こせない様に、ベッドを1mと高くしておきました。


幼女たちがやってきました。どうや、起こせないだろうと様子を見ます。

(実はこの時は気が付かなかったのですが、起きて様子を見るということは、所謂、既に起こされていたのと同じだったということに)


幼女たちは困っていました。布団の上に上がることも、布団をつかむこともできなかったのです。

何もせずに、そのまま部屋から退出していきました。


勝った!! 大勝利です。さて二度寝しますか。


と思ったら、スリッパを玄関から持ってきて、こちらに投げてきました。

それを布団の上の私に玉入れのように投げてくるのです。

こらこらこら~。起きるから投げない様に。

おはようと幼女たちはあかるい顔で挨拶してきました。私も渋々挨拶しました。


ベッドを元の高さに戻し、スリッパを玄関に持っていきました。


『陽の雫』PTは食事前にランニングに行くことを日課にしたようで、今朝も既に走りに行っているようです。


まだまだ2の砂が落ちる前に戻ってくることは無理そうです。

2日でできたら、異世界人すごいと褒めちゃいますよ。


『陽の雫』PTが戻って風呂も済ませて朝食です。

朝食の時に、この土地は月単位で借りていたけど、来月も借りることにしていると皆に伝えました。

8月16日に借りたばかりだったので、来月も借りる事、『陽の雫』PTが頑張っているのでその面倒を見たいと伝えました。

『陽の雫』PTはありがとうございますと言ってきました。

ロザリンさんは実家に戻るのが遅くなるかもしれないけど、我慢してもらいました。

ロザリンさんは気にしないでください。ここで家政婦として働けるので助かっていると言ってくれました。


これにより、私は幼女2人から二度寝を奪還するためのチャンスを自ら手に入れました。


『陽の雫』PTはいつも通り依頼の作業にいきました。

私は商業ギルドとハンターギルドに行きます。


幼女2人も「いっしょにいく~」といってきたのでロザリンさんの許可を得て連れていくことにしました。


ギルドの受付で今借りている土地を来月も借りたいことを伝えます。

商業ギルドちぇろみあんなのタグプレートを見せます。

「少々お待ちください」と言い残して受付の人がどこか行ってしまいました。


チェロミアンナが現れた! ギルドマスターの部屋に連れていかれました。

お茶とお菓子を幼女たちの分も出してもらって。話を聞くことに。


女性たち救出のささやかなお礼として9月分は土地代を無料にしてくれるとのこと。

折角の厚意なので受けることにします。

何か面白いものはないか? と聞かれましたが。特に思い当たるものはありませでした。


商業ギルドを出て、ハンターギルドに向かいます。

ハンターギルドの受付でロザリンさん達の実家との連絡はどうなっているか聞きました。

馬を使っても往復7日はかかるそうです。片道3日、街で用事に当てるのを1日と見込んでとのことです。

連絡が付いたら家まで連絡してほしいと伝えます。

動く木の事も聞いてみましたが、気になっていた点を聞いてみたら、あの若木はある程度街からの距離を維持してしか根は張らないとのことでした。


その後、幼女たちを引き廻し、街を徘徊し、買い物をして、昼ご飯を食べに家に戻りました。

もちろん、買い食いは許しませんでした。でも、女は秘密を共有し合うものです。


あっさりロザリンさんにばれてしまい、食事の前の買い食いは自粛してくださいと言われてしまいました。


午後は収納に入れているゴブリンを処分しようと西門から出かけます。


『陽の雫』PTは頑張って作業しています。今回は声を掛け肉串を差し入れました。


私はさらに南に30分程歩いて、ゴブリンを燃やしても街に支障のない所まで来て、土魔法で穴を掘りゴブリンを廃棄していきます。

そして魔法で私の好きな恒星のうちの一つ、シリウスの表面温度のイメージで焼き尽くしました。

もちろんバリアで熱が漏れないようにしてあります。

ほんの5分ほどで200体強のゴブリンの肉体は焼滅しました。焼いたので消滅ではなく、焼滅です。

後から読み直して誤字書いてるって自分で思わないように説明も書いておかないと。

シリウスにはAとBがあるとか、今になってはどうでもいい話です。


焼き終わって、冷え切ったら穴の表面がガラス状態になってました。埋め戻してガラス化をなかったことにしておきます。


さて、帰るかなと穴の後から離れたら、オールドフォレストからこちらに向かってくるピンク色のマークが探知されました。

森に近すぎる場所で処理をしてしまったかな? と一瞬思いました。

それはゴブリンより遥かに大きく、ゴリラを大きくして毛を含め濃緑色に塗った姿形をしていました。

こちらにのしのしとこちらに向かって歩いてきます。

鑑定したらのフォレストアドラミルと出ました。

顔もゴリラに似ています。体長は3m位でしょうか。頭に3本の角があり、2本はおでこの上あたりから生えており、残りの長い角が頭の後ろから前に向かって伸びていました。


私は物理シールドを掛け、左右の腰に帯びていたロングナイフを抜きます。

戦う準備をして待ち構えていたら、私の横5m程を通り過ぎ、埋めた穴の後を確認してました。


第3者がその時の私を見たら、頭の上にクエスチョンマークがいくつも見えた事でしょう。


確認が終わったのか、再び私の横を通りすぎるかと思ったら、立ち止まって首をこちらに向けました。

私を嘗め回すかのように見てから再び森に帰って行きました。

一瞬緊張が走りましたが、何するでもなく帰ったので胸をなでおろします。

その時の探知魔法のマークが緑色に変わっていました。


私は街に帰り、ギルドで受付にその話をしました。

すると受付の人に、それは珍しいものを見ましたね。と言われました。

何でも、魔物でありながら滅多な事では人間を襲わず、人々から森の管理者と呼ばれており、さらに滅多に人前に現れ無い為、出会えると幸せになるという。伝説があるようです。


都市伝説か!! と突っ込みを入れてしまいました。


さて、家に帰って食事をして風呂に入って寝るとしましょうか。


家政婦バンザイ!! 家の事を任せられる家政婦の存在はありがたいです。


さてベッドをこのように配置してと。


それではおやすみなさい。



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異世界37日【女神暦354年9月 1日(陽の曜日)】


おはようございます。


異世界で迎える新たな月。

今日は絶対に起こされることはないはずです。

なぜならば、ベッドをドアの前に配置しておいたからです。

二度寝の権利を行使しますよ。

それでは、おやすみなさい。


ド、ドンドン、ドンドン、ドンドドドンドン、ドンドン。


ええ、分かりました起きますって。

ベッドをドアの前に置いてドアを開かないようにしておいたところ、ドアが激しくノックされ、その音が間近から聞こえるので起きてしまいました。


ベッドを元の位置に戻します。

ドアが開られ、幼女アタックを受けました。おはよう~。


お、おはよう~。


今日の『陽の雫』PTはもう少しで2の砂が落ち切る前に家にたどりつけそうだったと嬉しそうに話しながら食事をしています。

なんですと、特訓を始めてまだ4日のはず。2の砂を減らしておこうかしら?

しかも、話を聞くと、今日、陽の雫PTが走っていると、他のハンターと思われる人も一緒に走って来たそうです。


成果が出たのならそれはそれで嬉しいのですが。

初日の様に死にそうではないので成果が表れたのかなぁ。


いつも通り依頼の仕事をしに行きました。街道の土を取り除くにはまだまだかかるでしょう。

西門からオールドフォレストまでの距離は10km程ですが、道は土に埋もれている状態で硬くなっていましたから。


私は今日は昼食は不要とロザリンさんに言って出てきました。


ハンターギルドに向かい、何か良い依頼はあるか確認します。

家を数日空けなければいけない依頼などはできません。


あれ? この依頼私向き?


┏━━孤児院修復依頼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

┃ 孤児院修修理・修復・改修 ┃

┃ ┃

┃依頼料1日銅銀貨8枚 但し院長査定による ┃

┃依頼ポイント1日30ポイント ┃

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


でも、1日で銀銅貨8枚ってずいぶん安いですね。

その代り依頼ポイントが高いです。


依頼ポイントと討伐ポイントはランクアップ試験の試験料みたいなものですから、ランクアップをしたい人にはおいしい仕事ですね。でも依頼で生活している人には安すぎます。

この値段設定では食うこともできません。

ポイントもランクアップ試験の時に差し引かれ、試験に不合格だと再びポイント集めをしないと、試験を受けられません。

討伐はお金はためやすいけど、ポイントは貯まりにくく、このような公共性ある依頼をしないと一気にポイントは貯められません。

お金もポイントもためやすいのは護衛の依頼ですが、時間を束縛されて1日中、常に緊張を余儀なくされ、対人戦闘が発生しやすいという危険な仕事になります。対人の場合、相手の技量がわからないので、死と隣り合わせの依頼となります。死ななくても下手な怪我をすればハンターは引退を余儀なくされてしまいます。


この依頼票を受付に持っていきます。

受付の女性は「これを受けるんですか?」って聞いてきました。

私は「ええ」と頷きました。


依頼が受領されたので、早速、孤児院に行きます。


孤児院に到着して、建物を見ると確かに修理・修復・改修が必要です。

院長さんに挨拶してから、依頼を受けたこと伝えました。

貴方が? と驚かれましたがDランクのハンタータグを見せると納得してもらえました。

現在の子供たちは全部で11人、男の子4名、女の子7人です。年齢は上が12歳で、下は5歳でした。

院長さんが常時いて、住み込みの女性が1人、転生前の世界で言うボランティアで補助してくれる人が5~6人。

意外とボランティア多いかなと思ったものの、手が空いているときにしか手伝いに来れないため、依頼を受けてもらう期待はあまりしていなかったとのこと。



とりあえず要望を聞いて、どのように作業をしていくか考えました。

そして、修理・修復・改修をしないで、新たに建ててしまいましょうと院長さんに提案しました。

金銭的に余裕がないので無理と言われました。

まずは今の状態を見せてもらいました。

孤児院の大きさ、井戸、、庭の状態も見ていきます。

庭には菜園もあり、子供たちが世話をしているようです。


一通り見て回ったのち、建て替え案の図を紙に鉛筆で書いていきます。

出来上がった図面で孤児院の説明をしていきます。

そして図面をもとに、作る前に実物の縮小モデルを魔法で作ります。

それを院長さんに見せます。何やら驚いていますがしっかり見てほしいです。



そして本格的に作っていきます。魔法だと建造・建築ではなく、製作・作製という感じです。

孤児院の敷地内では作らずに、いったん街外に出て製作をすることにします。


細長い学校のような2階建ての建物。中央と左右に階段があり、左右の階段の各階の踊り場には扉を設けて非常口にし、外には滑り台が設置します。

非常時には屋上から2階、2階から1階と滑り降りられます。遊び場になってしまうかな?


屋上は洗濯物などが干せるようになっています。さらに貯水槽も設置します。

2階が孤児たちの部屋、天井を高めにしていますので、2段ベッドも余裕をもって使えます。

子供たちは2階の広い寝室にベッドを並べて寝ます。ベッドの隣には着替えを入れる小さいタンス。

転生前のカラーボックスに扉がついて、上には引き出しがあるような感じです。それがベッドの間に設置されます。

大広間の隣に部屋を3つ作っています。住み込み用の部屋です。

廊下を挟んでトイレ。もちろん女子用、男子用は分けました。

それと洗面所。こちらは男女の区別はしていません。

1階はダイニングと多目的室|(教室も兼ねています)があり、談話室、院長の執務室、寝室、保健室、炊事場と洗濯場、そして風呂場。

もちろん1階にもトイレを作り、手洗い場も作ります。

この世界には黒板もチョークもありました。実際に孤児院で使われています。


一番最初に家を作った時の貯水槽を設置していきます。毛細管現象を利用した水の吸い上げ方式を使います。何とか屋上の貯水槽まで井戸の水が吸い上げられるように4つの貯水槽も作ります。


一旦作ったものを収納します。


これまでの孤児院を潰して設置したいのでまだ基本的なガワだけの製作になっています。

それでも細かい部分~便器、窓、扉、ベッド、机などまで~作りこんでいます。


これを途中で昼食休憩を挟みながら行いました。


今日はここまでです。作業の続きは明日しましょう。


門の外から戻り、孤児院に行き今日の作業は終わりました。明日また来ます伝えました。

その時に収納に入っていた、解体練習で使用した岩頭兎の肉をいくつか渡しておきました。


家に帰ると幼女2人から手荒いアタックを受けました。

私はがっちり受け止め、2人の頭をガシガシしてあげました。


それから風呂に入り、夕食を食べ、少し幼女たちと遊んでから寝ました。


それではおやすみなさい。


私はあれを作り布団の中に置いておき、寝ました。



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異世界38日【女神暦354年9月 2日(月の曜日)】


おはようございます。


『陽の雫』PTは日課のマラソンに出かけました。

私はついに二度寝を奪還しました。幼女は来ません。

私がこんなところで二度寝しているとは気が付かないでしょう。

でも、私を起こしに部屋に行き、あれを見た時の顔を見たいので、2段ベッドから降り、『陽の雫』PTの部屋から出ます。

そうです、昨日は陽の雫PTの部屋の2段ベッドの使っていないベッドで寝たのです。

光学迷彩を掛けて靴下だけを履いてそっと私の部屋の前で待ってます。

きました、二度寝強奪幼女姉妹です。

部屋に入って行きました。布団を叩いています。あれは起きませんそこにあるのは私サイズの人形ですから。

上に乗りました、馬乗り状態です。くくくっ

その状態でさらに叩いてます。つ、ついに禁断の掛布団奪取がでるか? でたぁ~。

それは私のお人形さんです。おお、首を横に倒してから周りを見回しています。可愛い。

私は笑いが止まりません。くっくっくっ。

何やらこっちを見ました。光学迷彩を掛けているのに気づかれた?

あっ。消臭・消音魔法をかけていなかった事に気が付きました。半分寝ぼけていたからかもしれません。

そんな私に向かって、遠慮のない幼女アタックが炸裂しました。

光学迷彩を解くと、幼女たちがおはようと言ってきました。私もおはようと返します。


それでも今回は私の勝ちです。ついに二度寝奪ん? 二度寝をしていませんでした。どうしてこうなった?


『陽の雫』PTは今日も2が落ち切ってから帰ってきました。

話を聞くと、ほかのハンターが特訓と知ってか知らずか勝手に参加しているようです。

今は走っているだけだけど?


朝食を食べた後、『陽の雫』PTはいつも通り出かけていきました。


私は孤児院に向かいました。

院長さんに取り次いでもらって、完成したので実物を見てもらおうと、一緒に門から街外にでます。


20分ほど歩いて、新孤児院を収納から出しました。


でで~~ん。と


何やら驚いていますが、私は説明していきます。

1階の説明、2階の説明、屋上の説明と続けます。

火災などの緊急時は階段横の扉を開けると脱出口となっている滑り台の役割の説明をします。


何やら険しい顔をしています。

そして、これは設置してもらうことはできないと言われました。

理由を尋ねたところ、こんな物を建ててもらうと寄付が集まりにくくなってしまうと。

それならばこうしてはいかがと、外壁や内壁などにトリックアートとエイジング塗装の魔法を掛けていき見た目を見すぼらしくしていきました。

30分ほどかけて全体に魔法をかけていくことで数十年経過した家のような装いにすることができました。

白磁の装いだった外壁は色あせひび割れ雨の流れたような跡のようにどこからどう見ても作ったばかりとは思えません。

これでどうでしょうか? と聞いてみると。

なぜだか呆然として答えてくれません。


しばらく待っていると漸く、小さな声で「これなら」と言ってくれました。

私は小さくガッツポーズをしました。


それと、院長さんの要望で水回り他を変更します。魔石を使えることを前提に使用するためだそうです。

他にもリネン室、物置などを追加し、ほかの要望にもこたえていきました。

院長さんにOKをもらってから収納にしまい、街に戻りました。



院長さんも途中からノリノリで要望を出してきていましたので2人で楽んで手直ししていきました。子供の様に。

そのため、結構な時間が経過してしまっていました。孤児院での設置は明日にします。

そういえば昼食を食べてませんでした。



家に帰るため街を歩いていたら、後ろから声を掛けられ、振り返ると、『陽の雫』PTがこちらに小走りでかけてきました。

話を聞くと丁度仕事を終え、ハンターギルドから家に戻るところで私を見つけたということらしい。

何をしていたのか聞かれたので、孤児院の補修に絡む依頼の帰りであることを伝えた。


家に帰って、風呂に『陽の雫』PTと一緒に入ってから夕食をいただきました。


寝るまでの間は幼女たちと遊んでいました。


それでは、おやすみなさい。


くくく、これで明日の私は確実に二度寝ができるはず。




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異世界39日【女神暦354年9月 3日(水の曜日)】


おはようございます。


昨日寝るときに私は光学迷彩を掛けて寝ました。

これで確実に二度寝ができるはずです。

何しろ私はいない事になっているからです。

もちろん消音・消臭もかけています。

世界の二度寝を愛する人たちに幸あれ。

幼女は布団をめくったようです。さあ、諦めて部屋から出ていくがよい!!


なぜ乗っかる? なぜ揺らす? 私を見えていないはずでは?

え? 掛け布団が盛り上がっていた? 敷布団が沈んでいた?

そうですか、私は重力に縛られていたのですね。

私と幼女たちとの戦いはまだ始まったばかりなのです。まだ負けてはいませんよ。


さあ、朝食を済ませて孤児院に向かいます。


幼女2人も私についてきたいらしいので、ロザリンさんの許可をえて連れて行きます。

孤児院の子供たちと仲良くしてくれるでしょうか?

何時までかかるかわからないので、2人の昼食は私が食べさせるとロザリンさんに伝えました。



孤児院に着いてから早速作業を始めます。


とりあえず子供がこちらの作業から興味を逸らすために、庭にジャングルジムとシーソー、ブランコ、滑り台などを設置し、子供たちに外で遊んでもらいます。

幼女たちも孤児院の子供たちと一緒に遊んでくれています。


私は、孤児院内を立ち入り禁止にして、巨大な壁で四方を囲います。

そして例の看板を立てます。そうです、あのお辞儀をしているヘルメットをかぶった人の描かれている工事中の看板です。あれって名前有るのかしら。



孤児院内の荷物を片っ端から収納に入れていきます。

最後に建物を収納します。


次に土台を整備して、新しい孤児院の建物を設置します。

貯水槽は屋上だけで毛細管現象を利用した水の吸い上げ方式は使いません。水の魔石を使うようです。

下水をつなぎ合わせて、基本部分はこれで完成です。


収納していったものを適所に出していきます。

布団やシーツなどは以前囚われの女性達のために作ったものを、ベッドに置いていきます。

これまで使ってきた布団系のものは屋上に作った納屋に入れておきます。これも院長さんの要望です。

それとは別にシーツや掛け布団などを大目に納屋に入れておきます。

屋上は外から見えない様にぼろ屋根のトリックアートにしています。普通に見ただけでは屋根にしか見えません。ドローンなどで上から見たら一発で屋上がばれてしまいますが。この世界にはもちろんドローンなどありません。


執務室や宿直室、住み込みの部屋などは以前の物をそのまま出しておきます。

調理場には新しい鍋類|(古い鍋も置いてあります)や新しい食器なども食器棚に入れてあります。

もちろん、今まで使用していた食器類も入れてあります。もしかしたら食器に思い入れがあるかもしれません。


今まで使用していた灯り系の魔石や、炎系、水系、クリーン系の魔石は院長さんの指示のもと設置していきます。


院長さんと住み込みの女性|(初めて見たので驚いていました)に問題が無いか確認してもらいました。

1時間程掛けて問題が無いことを確認してもらいましたのであれを玄関に設置し、目隠しである四方の壁を取り除いていきます。

その最中、おかしかったのは工事中の看板にお辞儀をしている子供たちが結構いたことです。


目隠しの壁を取り除いて新しくて古い孤児院が姿を現しました。

子供たちの反応は、転生前の言葉で言うところの『微妙』でした。


玄関前に掛けたアレ。 そうです。くす玉です。


院長さんが子供たちを玄関前に集めています。

幼女2人は私の左右に陣取っていました。


この家がこれから皆さんの住む、お家になると説明しています。

そして最後に私を呼んで子供たちにお礼を言うように言ってました。

私は幼女2人にくす玉の紐を持たせて、せ~ので引っ張ってもらいました。

くす玉からは鳩が飛び出しませんでしたが、「新しいお家おめでとう」という文字の垂れ幕が垂れてきました。

この家は以前と同じように土足で上がれるようにしています。

玄関には泥落としがあるだけですが、子供たちは上がるのに一瞬ためらっていました。

それでも、院長さんと住み込みの女性の手を引きながら中に入って行きました。


私も幼女たちと一緒に見学をして回りました。


一通り見て回ってから院長さんに依頼完了のサインをもらいました。

庭に設置した遊び道具は収納せずに、そのままにしておきました。

もしかしたら、街の他の子供たちも遊びに来るかもしれません。その時分け隔てなく遊べたら最高です。


皆が落ち着いてから、住み込みの女性が昼食作りを始めました。

私は収納に入れていた、解体練習で使用した岩頭兎の肉を再度提供しました。

肉の状態をみて微妙な顔をしないでください。悲しくなります。


一緒に食事をと言われたので、それに乗ります。

2人も食べたそうにしていたので問題はないでしょう。


孤児院の人たちは短いお祈りをしていました。私と幼女は「いただきます」といいます。

院長さんから、そのイタダキマスは何ですかと言われたので、料理をしてくれた人への感謝、その命をいただくことへの感謝、命を獲ってきてくれた人への感謝を表した言葉と説明しました。


神への感謝は?と言われましたが、私は神様が料理をしてくれたわけでも、食材を獲ってきて来てくれたわけでもないので神へは特に感謝することもないと言いました。

まあ、それでも、この世界に送り出してもらえたことには感謝してますけど。あれが神かどうかはわかりません。

私は、その代り不遇の生活をしていても、神を恨んだり、呪ったりすることもないこと、あくまでも私の考えです。と付け加えました。


午後は再び子供たちと遊んだり、庭の空いている場所に謎の木の実の種を3か所に植えておきました。

何年後かわかりませんが大きくなれば謎の木が育つと思います。

そうすれば市場に実が出回るかもしれません。


私は遊び疲れた幼女を背負い、そして抱っこして孤児院を後にしました。


2人をロザリンさんに引き渡して、私は一人ハンターギルドに向かいました。

ギルドに入り、依頼完了の手続きをすると、受付の人が何やら驚いていました。

完了内容がSSだったので、何をしたのか聞かれてしまいました。

私は単に家の改修、改良を行っただけと伝えました。

受付の女性にそんははずはないと言われてしまいました。

と言われても私は困ってしまいましたが、別の受付の人が明日院長に確認に行けばいいと言ってくれました。

ちなみにギルドでは男性の受付も女性の受付もいます。いないのはケモ耳の受付だけです。何故だ!

明日確認に行けばいいと助け船を出してくれたのは男性の受付の人でした。


取り敢えず、依頼完了の手続きをしてもらい、3日で依頼ポイント120ポイントが貰えました。

A完了が普通の依頼ポイントの30ポイントがもらえ、完了がSなら+5ポイント、SSなら+10ポイント、SSSなら+15ポイント上乗せされるそうです。

逆にB完了は-2、Cは-4と減って行きFまではポイントがもらえ、Gはポイントがもらえない未達成となるようです。

なのでS以上は滅多に完了として付かないそうです。

BやCはよくあるそうです。

報酬は銅銀貨24枚で変わらず、小銀貨2枚と銅銀貨4枚をもらいました。


その貨幣を見て私はやり遂げた感で一杯になりました。


そのまま居酒屋で一杯。などということもなくそのまま家に帰りました。


家に帰ると午睡を済ませた元気な幼女達に迎えられそのまま夕食となりました。

既に『陽の雫』PTは帰ってきており風呂も済ませたようです。


私は夕食の後、一人でゆったりと風呂をいただきました。


その後いつも通りに幼女たちを遊び、布団のお世話になりました。


それでは、おやすみなさい。






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異世界40日【女神暦354年9月 4日(火の曜日)】


おはようございます。


今日は秘密の部屋で寝ています。2階の3番目の部屋です。

この部屋はドア扉ではなく、スライド扉なのです。

廊下から見ると壁と一体化になっており、そこに部屋があるとはだれにもわかりません。

そう、誰にもです。


昨日の夜に、ロザリンさんに朝食は不要と伝えてあります。

もちろん、幼女2人には内緒です。

ちなみにこの部屋はロザリンさんも知りません。


こうしてゆっくり寝ていたのですが、トイレに行きたくなりました。

トイレは1階にしかありません。私は静かに1階に降り幼女たちに見つからないようにトイレに入りました。

一息ついてトイレから出ると、トイレの前に幼女2体が、それぞれ阿形像、吽形像のように立ってました。

ああ、二度寝が……。

トイレは2階にも必要とその時思いました。

私は泣き落としを入れて、今日は寝かせてくれとお願いしました。

こうしてついに二度寝を確保したのです。

手に入れた二度寝は1階の私の部屋で正々堂々としました。


11時前におはようと言いながらベッドから生還した私は近寄ってきた幼女たちの頭をわしゃわしゃと掻き乱しました。

や~と言いながらも喜んでくれているようです。


着替えてリビングにいくと、見覚えのある客人が紅茶を嗜んでいました。

なぜここにいるチェロミアンナ!

随分と優雅な寝起き時間ですねと、嫌味を言われました。

いやいや、昼間から他人の家に上がりこんでいる人には言われなくはありません。

貴方に用事があったのに幼女2人が起こしてはダメといって攻防戦にたため、自ら不戦敗を選んだそうです。

おお、いい子だ2人とも。


早速、「お主! なに用だ」と尋ねたら、どこの言葉だと突っ込まれました。

早い話トンネルの利用準備がもう少しで整うそうです。

『陽の雫』PTが思ったより早くに街道の土砂の撤去を終わらせたようです。


チェロミアンナさんが一緒に視察してほしいとのことで、昼食|(私は朝食ですけど)を食べてならいいですよと言いました。それまで外で待っていてください。

ロ、ロザリンさんこの人に朝食、あっ、昼食は不要です。ちっ、仕方ありませんね。

皆で一緒に頂きました。

え? 甘味? ありませんよ?

さあ、視察に行きましょう。

幼女2人も付いていきたい? ロザリンさんの許可があればいつも通り良いですよ。

いいって? にこにこしながらロザリンさんがこちらを見てます。

まったく、幼女2人には甘々ですね。私は二度寝を勝ち取るのに苦労しているというのに。



家を出て、門番さんに挨拶をして、西門の街道を歩いていきます。

土に埋もれた街道の石畳がきれいに表れています。『陽の雫』PTは良い仕事をしたようです。

なんだか、街灯でも立てたくなりますね。


トンネルが見えてくると人が集まっているようです。

そういえばトンネルの幅は街道よりわずかに広かったようで、馬車が対面通行できるとのこと。

偶然にしては流石私。さすわたです。


トンネル部分まで土砂は除かれています。本当に完了したようです。

馬車も数台停まっています。 商人さんの馬車ですか? そうですか。

どうやら今日は試しで馬車を通して問題点があるか探るそうです。門扉もあけられています。

私が街道からトンネルに入ろうとしたら、躓いてしまいました。


んも~、だれこんな段差作ったのはと、言いながら魔法で街道とトンネルの段差をスロープのような坂に変えていきました。


周りの声が喧しいのですが無視していいでしょう。これなら寝起きの私でも躓きません。

平地で躓くこともありますがそれはそれ。公にしなければ問題ないでしょう。


え? 私に馬車に乗れと? 反対側の出口に向かう? だめですよ子供もいますし。

のりたいの? 馬車に? それならば乗りましょう。


灯りの魔石の設置は終わっているようで一定間隔で明かりがともっています。

私の乗る馬車には『陽の雫』PTも乗ってきましたので、労をねぎらいます。

幼女2人と、陽の雫PTにひそかに作っておいたアイスキャンディーを渡します。

チェロミアンナさんは別の馬車なので問題ありません。


しかし、トンネルの内側の壁が殺風景ですね。これではトンネル内は退屈です。

だれがこんな退屈なトンネルを作ったのですかね? まあ、私ですが。


殺風景なトンネルを魔法を使って海の底のイメージ絵を張り付けていきます。壁紙のイメージです。

イルカやクジラ、ジンベイザメ、ウミガメ、各種魚たち。サンゴやイソギンチャクもいます。

灰色だった壁が青い海になり、海の生物たちの様子が張り付いていきます。

天井付近は明るい青い海の海面が広がっていきます。


絵が描かれた壁の様子は先頭の馬車も、私の乗っている最後尾の馬車から分からないでしょう。

馬車が進むたびに後方に幻想的な世界が綴られていきます。

帰り道の馬車なら幻想的な世界を見る事ができるはずです。

馬車の速度は大体自転車ていどの時速15~20km位でしょうか。この速度なら楽しめると思います。

子供はこういうのを喜びますからね。トンネルの中で退屈することはないでしょう。


30分ほど馬車に揺られていると反対側の出口に辿り着くと同時に馬車が止まりました。

こちらの街道は土に覆われたままです。


私はトンネル出口から50mほどの街道の土砂を魔法を使って取り除き、段差をスロープの坂に変えていきました。

あれ、『陽の雫』PTが膝から落ちているのですが。どうしたのでしょう。


そしてトンネル内側の絵に幼女たち気が付きました。

あれはなに?と聞いてきたので、海の中に住んでいる生物たちだよ。と教えてあげました。

気に入ってもらえたようで私は満足です。


あれ? 皆さんどうしました?

あの壁画はなんだって?

馬車にのって殺風景なトンネルを見るのは退屈と思うので、魔法を使って絵を張り付けてただけですよ。

これなら退屈することもないでしょ?


チェロミアンナさんなんです? えっ! 幼女たちが持っている木の棒はなんだ? アイスキャンディーに決まっているじゃないですかぁ。お戯れを。

えっ? あなたの分? いえ、ないですよ。私も食べていませんし。

味を食べて評価したい? 氷菓と掛けているのでしょうか? でもないですよ。尤もあってもあげませんけど。


『陽の雫』PTはあの土砂を取り除いた魔法の使い方を教えてほしい?


なんだか、忙しないですねぇ。皆さん落ち着きましょう。


誰のせいだ? 誰の所為です?


いや、そんなに怒らなくても。ほら、幼女2人が怖がっているじゃないですか。

あ、喜んでますね。


取り敢えず、トンネルは問題なく使えそうでよかったです。

なんだか私を除いて他の人同士で話をしていますね。除け者ですか? 幼女たちと遊んじゃいますよ。


聞き耳を立てていると、こちら側に門番用や旅人用の簡易宿泊施設が欲しいがどうするべ? みたいなことを話してますね。

そうですよね、時間指定で門を閉めるなら野宿になりますものね。


それなら私が囚われられた人用に作ったものを出しちゃいましょう。


どど~~ん。と。


皆さん、これならどうです?

なんだか、話に夢中で見てくれません。

折角出したのに、幼女たちと『陽の雫』PTたちは見てくれました。

幼女は今日はここで寝るの? と聞いてきます。

いえいえ、帰りますよ。ロザリンさんも、美味しい食事も待っていますからね。


チェロミアンナさんが簡易宿泊施設を見て唖然としています。

私はこれでいいなら使ってください。と言いました。

え? ああ、囚われていた女性達を救出したときに宿泊所として作ったものですよ。

もう使わないと思うので、使うのであればどうぞ。

使わないなら収納に入れてしまいますよ。え?使いたい。どうぞどうぞ。お金? いりませんよ。もう使わないですから。



それより帰りませんか? ここで長話をしていても決まらないものは決まらないですし、帰りが遅くなるとロザリンさんに怒られてしまいます。


再び馬車に乗りトンネルを馬車が走ります。

幼女たちはトンネル壁画をみながら飽きることなく私に話しかけてきます。

幼女たちは空気が読めるようです。

そのままトンネルを抜け、ギルドマスターの乗っている馬車以外は城門に向かいそのまま走ります。

ギルドマスターたちはトンネルの鍵を締めてから戻ってくるのでしょう。


城門で私たちは降ろしてもらえると思っていましたが、家まで送ってくれるそうです。

馬車もいいものですね。




家の前で降ろしてもらい、お礼を言って家に入りました。


ロザリンさんが夕食の準備の途中だったので、みんなで先にお風呂をいただきました。



今日はここまでです。


それでは、おやすみなさい。


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異世界41日【女神暦354年9月 5日(土の曜日)】


おはようございます。


今日は幼女たちに起こされることなく起きました。

どうやら幼女たちが睡魔に負けたそうです。

ロザリンさんがにこやかに説明してくださいました。


私は幼女たちを起こしに行こうかなと思いましたが、子供に無理をさせてはいけません。

寝る子は育つ。のモットーです。


そういえば砂時計の2の砂はまだ落ち切っていません。でも残りわずかです。

とその時、『陽の雫』PTが戻ってきました。

おお、まさか。

砂時計を見るとまだわずかに砂がありました。

『陽の雫』PTが喜んでいます。第一目標達成です。

丁度今日で8日目で1週間目です。

頑張ったようですね。


実技の訓練は明日からやりましょう。今日は仕事も休んでゆっくりしてほしいところです。

まあ、筋肉のクールダウンと言いますが、休むことも立派な訓練です。


幼女たちも起きてきたことですし、食事にしましょう。


機能で街道の整備も終わり、依頼料がなんと小金貨3枚ということです。

無理をしなければ1か月3人で小金貨1枚で暮らすことができるらしいです。


どうしても訓練がしたいと言ってきたので、体は休ませるとして、頭は使ってもいいでのでは? と考え午前中は座学で転生前の科学について学んでもらいましょう。

でも、朝食後から昼食まで4時間くらい有りますので明日は2時間打ち合い、1時間座学にしましょう。


実は3人は3人とも魔法が使えるようですが、魔法使いのパティが攻撃魔法、単純な治癒が使えるそうで、他は生活魔法のみのようです。

ロザリンさんも生活魔法だけは使えるようです。折角なのでロザリンさんにも、幼女2人にも聞いてもらうことにします。


まず、魔法を発動させるには必ず詠唱が必要だと3人とも言ってます。ロザリンさんも同じようです。

初めは私が何も詠唱せず魔法を発動しているので驚いたそうです。

しかも、魔力を大量に使っているはずなのに、倒れたりしないと。

まあ、そこはチートですから。


それぞれに光の魔法を使ってもらいました。全員が10秒以上の詠唱をして魔法を発動させます。

私はまず、生活魔法を使う時に詠唱しないで使えるようになるよう訓練するように言いました。

詠唱することは使う魔法がばれてしまう上に、発動するまで時間がかかりすぎますし、噛んでしまったら発動が止まってしまいます。転生前の私はよく噛みました。


最初のうちは長い詠唱を短い詠唱で発動する訓練を始めてもらいます。

私は「ライト」の一言でライトを点灯させます。自分にとって身近でイメージの湧きやすい一言の言葉を選んで発動するよう訓練してもらいます。目標はこのように一言発動を目指してもらいます。

これは独自に訓練できると思うので、今はやりません。時間があるときに各個人で練習をしてもらいます。


今は科学的なことを学んでもらうということで、簡単な所の火についてです。

なぜ、燃焼するのか。なぜ火は消えるのか。

ある程度、掘り下げて教えていきます。そのために黒板もチョークも作りました。


幼女2人も真剣に聞いています。さすがロザリンさんが読み書きを教えているだけのことはあります。

でも、わかっているのでしょうか?


学ぼうという意思の強い人にとって、その時間はあっという間に経過していきます。

休憩を1回入れただけで8時ぐらいから始めた勉強会は既に11時になっていました。

ロザリンさんが食事の支度があるということで授業はこれまでにします。


『陽の雫』PTは生活魔法を短い詠唱で発動させる意味があるのか、授業後に聞いてきました。

生活で使っているから生活魔法で短い詠唱で使う必要など無いのですから。


例えば、ライトの魔法を剣で戦っている一瞬に使えれば、目くらましになること、火の魔法を相手の剣の持ち手に纏わせたり、装備の内側に発火できれば一瞬でも怯み、そこに隙が作れる。などを説明しました。

ちょっとずるいかもしれませんが、それが生死を分けるかもしれないのです。


そのため生活魔法でも使い方によっては攻撃の補助に使えるはずです。たぶん。


火については今までこんなこと聞いたこともないと言ってました。

まあ、実際にガラスコップでロウソクの炎が消えた瞬間を目の当たりにしたので信じているようです。

しかし信じているだけでは本当はダメで、それが当たり前の現象であると理解して、当たり前のことと思ってもらうのが一番なのです。

転生前の世界では、火が燃焼するのは小学生の頃の理科の実験などで酸素が必要と皆が理解し、当たり前のことだと認識していたと思います。

そのため、それ以外の方法、例えば空気が遮断された水中で燃え続けるというマジックには驚くわけです。


それが理解できれば、巨大な炎の魔法や火矢が使われそうなとき、周りを二酸化炭素で覆い酸素を遮断するか、逆に酸素を提供することで爆発的燃焼を引き起こし混乱させることも可能なはずです。


どこかで試さないといけないでしょうか?


昼食をいただいた後、陽の雫PTは今日は別の仕事をするそうで、ハンターギルドに向かいました。


私は、庭で魔法の実験をしたところ、爆発音が轟いたため、何事かと兵がやってきて、いくらあなたでも庭先で魔法の実験はしないようにと絞られてしまいました。トホホ。


私は西門から出て、しばらく歩いたところで実験を行いました。

右手でファイヤーボールを打ち上げ、その周りを二酸化炭素で覆ってみたり、逆に酸素で覆ってみたりもしました。

また、火矢を想定して木の棒に火をつけ、二酸化炭素で覆った場合と、酸素で覆った場合を、可燃性ガスで覆った場合を試してみました。

いずれも予想通りの現象になりました。

可燃性ガスについては教えないほうがいいでしょうね。


街に戻ろうとしたら、門番にほどほどにしてくださいねと言われました。


う~ん、調子に乗りすぎたかしら。


夕食を食べてから風呂に入り、幼女たちとひと遊びして、ちょっとやりたいことをやって寝ました。



それでは、おやすみなさい。



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異世界42日【女神暦354年9月 6日(金の曜日)】


おはようございます。


しばらくの間、二度寝はできません。

そのため幼女たちのなすがままされ放題で起こされます。


『陽の雫』PTは今日も無事に2の砂時計が落ちる前に家までたどり着いたようです。

昨日の夜、靴の重さを500g増やしましたがそれでも2の砂時計が落ち切る前に戻れたようです。

ずいぶん体力がついたのではないでしょうか? この世界の人は侮れません。


朝食をいただいてから、食休みをした後、特訓に入るつもりです。


食休み中に、昨夜作ったノートと鉛筆を渡していきます。

真ん中の芯が出ているものを見せて、このように周りの木を削って芯を出せば書くことができることを教えます。

幼女の分は大人たちに削ってもらうように言いました。

鉛筆削りかぁ。グルグル取っ手を回す物でない、小さな歯が付いたものならつくれるかな?

たしか、こんな形でと魔法で作っていきます。出来ました。私の分も含めて7個作って皆に渡します。

これなら安全です。

それとゴムがあるか聞いてみます。

普通にゴムを使ってました。ちょっと借りて消しゴムを作っていきます。

紙に文字を書いて消してみます。おお、消えますね。

パンを使う方法も考えましたが、食べ物を使うのは流石に抵抗があります。

消しゴムも皆に渡していきます。


さて食休みも終わりましたので、特訓を始めましょう。

以前、作成した重量を増やした模擬剣を3人に持たせて素振りをしてもらいます。

上段から振りぬき中段で止めるよういいます。

出来ていました。魔法使いまでできるとは思いませんでした。

パワーリストバンドで依頼をこなしていた成果が出ているのでしょうか?


私は剣術など教えられませんが、私の速度になれれば多少のことには対応できるはずです。

3人に物理シールドを掛け、私自身にも掛けます。

それぞれ得意な武器で私と打ち合いをします。魔法使いでも杖で近接戦に対応できるようにしておく必要があるため、やってもらいます。もちろん重量マシマシの特製武器です。


10分の砂時計で一人ずつ打ち合いをします。


先ほど書いたように私は剣術は教えられないため、指導はハンターギルドにお願いしようと考えています。

それまでは私のスピードに慣れてもらおうと考えています。


私は休みなしで2時間、『陽の雫』PTは1人ずつ10分戦って20分の休憩があります。ず、ずるい。

1人4回の対戦になります。


真剣に10分対戦すると、20分の休憩を入れても4回目の対戦は10分対戦できないくらい体力を消耗しているようです。

この状態だと午後ギルドの依頼を受けるのは無理でしょうか。


4回の対戦を最後までそれぞれがこなすことを次の目標にしましょう。


15分の休憩をいれてから1時間程座学をやります。

これにはロザリンさんも参加しています。

火について掘り下げて説明していきます。



昼食をいただいてからの午後は、私が狩ってきた魔物の解体を行ってもらいましょう。

私は、魔法で解体できるので、解体の興味がなくなってしまいました。

解体の指導はロザリンさんにお願いします。


初日の今日はアサルトボアーにしました。

収納から解体台の上にだすとロザリンさんにこんな巨大なもの1人で解体は無理と言われました。

いえいえ、ロザリンさんは指導していただければいいのです。どこからナイフを入れるとか、解体の注意点などを、都度『陽の雫』PTにおしえてください。

それよりも、幼女2人がボアーで遊び始めているのですが……。



解体に2時間ほどかかりましたが無事に終わったようです。

食用の肉の一部はロザリンさんが使い、毛皮や討伐部位、余った肉は私が収納に入れます。

部位と毛皮はハンターギルドに買い取って貰う予定です。

解体の手数料はもちろんロザリンさんと『陽の雫』PTに渡す予定です。



解体が終わって休憩していると、ハンターギルドからお使いの人が手紙を持ってきました。

ロザリンさん宛と、別の町のハンターギルドから『陽の雫』PT宛です。


ロザリンさんの手紙は両親からの手紙で、ロザリンさんの夫は襲われたとき既にゴブリンに殺害されていて、葬儀も既に終わっている。いつでも戻ってくるのを待っている。という内容だったそうです。

いつも明るいロザリンさんが沈んでしまいました。子供達にこのことを話さなくてはいけないのでしょう。

ただ、ロザリンさんは薄々わかっていたようです。


折り返しの手紙で、9月一杯、こちらで家政婦として雇ってもらっているので、その後実家に戻るという手紙を認め、ギルドから実家に送ってもらうそうです。


『陽の雫』PTは無事で安心したという、定着していた町のギルドマスターからの手紙だったそうです。

3人とも村から出て町でハンターになったので実家からは断絶されてしまったようです。


それでも、この世界に家族がいるのはいいな。と思ってしまいました。

私は、転生前も既に家族はいなかったので。



ロザリンさんには今日の夕食は私が作りますので、休んでもらってもいいですよと提案したのですけれど、何故かきっぱりと断られてしまいました。


何故でしょうね? こう見えてっも料理は得意なのですけど?



手紙の事も含めて一休みしてから、魔法について話をします。

私はほとんどチート状態なので如何に詠唱時間を短くできるかが話題に上がります。



こちらの言葉で、光が点いている状態を表す言葉がない。

日本語で考えてみると、灯り、電灯、光それぞれで考えても光りが灯っている状態を表してはいません。

灯火とうかが灯りが点いていることを表しているのでしょうか?

日本語はややこしくて灯火ともしびと使う場合は、灯すという動作が必要だったりする。でも漢字は同じで読み方を変えるだけで状態と物体に変わってくる。

私が使っているライトという言葉も、実際はライトオフが着火という意味だったりして、ライトだけだと照明そのものをさす言葉に近いのではなかったか?


う~ん。辞書が欲しい。ここにきて日本語の勉強になるとは……。トホホ。


灯りが灯っている状態をライトとして関連付け(イメージ付け)することで、その一言で灯りが灯る。




関連付けしてみてはどうだろう? と私は皆に提案してみた。

つまり、「光の精霊よ……光あれ」が詠唱なら、詠唱直後の光が灯っている状態をある言葉と関連付けてしまう。

関連付ける言葉は新しい言葉でもいいけど、慣れ親しんだ言葉がイメージできるのではないだろうか?

灯火という言葉を詠唱を行って光が灯った状態として結びつけることで、『灯火』というだけで光が灯るのではないか?

光が点いている状態のイメージを『灯火』としてしまえば、『灯火』というだけでそのイメージが浮かび、発動するのではないか。


と説明します。



さっそく3人は顔を見合わせそれぞれが詠唱して光が灯った状態をイメージとして言葉に結び付けているようだ。



これを何と言ったか。転生前の日本的な言い回しで言うところの言霊!! かな?



早速、魔法を使い慣れているパティが『灯火』と言っただけで、魔法が発動し光が点灯した。


これを言霊であると皆に説明する。 |(ほとんど適当ですけど信じる者は救われるからいいかな。)

言葉に魂である魔法の発動直後の状態であるイメージの霊魂を乗せる事。


私の説明が下手にもかかわらず、理解してくれたようで、ロザリンさんや槍の子メシュツ、剣の子コイラが順次発動に成功する。

幼女たちはというと、ロザリンさんによると、まだ生活魔法を教えていないのでう~う~唸っていた。


しかし、暫くすると、カルメが魔法を発動し、続いてメルンも成功した。

それを見ていたロザリンさんは魔力量が少ないはずなのにと、青ざめた顔をしていた。



後でロザリンさんに聞いたところでは10歳くらいから魔力量を溜める練習をして魔法を教えるのが一般的なため、魔力量を溜める練習をしていないのにライトの魔法を使ったことに驚き、魔力量が少ないと1度ライトを使うだけで倒れてしまうはず。といっていた。

でも倒れませんでしたね。2人とも。



まあ、幼女2人は喜んでいるのでいいのだけれど。

ロザリンさんが使わないようにと必死で2人に頼み込んでいる。


それを見ながら、「押すなよ、絶対に押すなよ」という旧世代前のギャグを思い出してました。



『陽の光』PTは昨日の今日で単語を発するだけで魔法が発動したことにうれし泣きをしていた。


こういうのは、切っ掛けが大切で、一度成功すると、他の魔法でも成功するはずだと言っておきました。


本当でしょうか? 私は知りません。でも自転車と同じで一度乗れてしまえば年とっても覚えているものです。違うかな。まあ、なるようになるでしょう。


皆で魔法に夢中になってしまっていたため、遅くなってしまいました。

これからロザリンさんに食事の準備は頼みにくいので、今日は皆で外で食事をすることにしました。

囚われた奥様の旦那さんがやっている食堂を以前教えてもらっていたので、そこにみんなで向かい、美味しい食事を堪能しました。



戻ってきてから風呂に入り、少し遊んでから、寝ました。


それでは、おやすみなさい。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



異世界43日【女神暦354年9月 7日(木の曜日)】


おはようございます。

あれ? 幼女がずいぶん成長した?

寝ぼけていないで起きてくださいとリーダーのコイラに言われました。

今日は珍しく『陽の雫』PTに起こされました


どうやら既に走ってきて、風呂も済ませたようです。

なんだか、『陽の雫』PTが今まで以上に明るいように感じられます。

幼女たちも私と同じく『陽の雫』PTに起こされたようです。


幼女たちにおはようとあいさつし、朝食をいただきます。


陽の雫PTにいつもより顔立ちが明るいように思うのだけど。と聞いてみたら、特訓の成果が出てうれしいといってきました。


ああ、昨日の件ですよね。まさか本当に成功するとは思ってもいませんでしたけど。いえ、独り言です。


それはよかった、今度は剣術だね~と言っておきます。


午前中は昨日と同じように打ち合いをします。


今日の打ち合いは昨日よりもスピードを上げて打ち合いをしたので、3回めの打ち合いで3人とも立ち上がれなくなっていました。そのため4回目の打ち合いはできませんでした。


昨日の速度で打ちあった方がいいのかな?


昼食までの間、2時間ほど雑談を含めた座学を入れます。

今回は昨日の復習も兼ねて火についての続きを説明します。

温度の説明も含めて絶対零度から陽の温度についても説明していきます。

星の色が違うのは燃えている温度が違うからと簡単な説明をします。

光のドップラー効果は不要でしょう。説明もできないですし。テヘ。


昼食後は解体はしないで、『陽の雫』PTとともにギルドに向かいました。


ハンターギルドで実技や剣技を教えてもらえるか確認するためで、もし可能なら申し込もうと考えています。

2日に1回2時間程度で良いので、Fランクの『陽の雫』PTを鍛えてほしいと受付に使えます。

依頼という形でも特に問題ないということにして、得物は、剣と槍・弓を希望しました。


魔法使いは私が科学や化学、保健体育程度の内容の人体について家で座学として教える事にしています。


依頼料は1回1時間で合わせて銀貨2枚が妥当とのこと。剣で銀貨1枚、槍または弓で銀貨1枚必要ということでした。

2時間は長すぎるので、1時間でみっちりやった方が良いというのと、槍と弓の両方は教えられないので、槍か弓で空いている人次第で1時間ということになりました。

メシュツに確認してもそれでいいとのこと。


一応明日から午後1時半から2時半までを1日おきに10回分お願いした。

全部で銀金貨2枚と依頼受付料銀貨2枚となった。


折角来たのでギルド内の訓練場を2時間使わせてもらうこととした。

使用料は小銀貨5枚だった。

実力を見てみたいからと依頼受付を行った受付の人も見学したいそうで、なんでも、どの程度の人に依頼を頼むか実力を見て判断したいとのこと。


訓練場にいき、重さマシマシの得物は持ってきていないので、そこにある訓練用の得物を使わせてもらうことにする。私の分は収納に入れっぱなしなので重さマシマシマシくらいの得物を使う。

パワーリストと靴は脱がせて、収納から元の陽の雫PTの靴を取り出し履いてもらう。

どのくらい成長したのか、この目で見たかったというのもある。

いつも通り2時間10分交代で4回を行う。


物理シールドを掛けて打ち合いを始める。

物理シールドを掛けていることは『陽の雫』PTは気が付いていないとおもう。

なので私の剣を受けるのも必死である。


いつもより動きが軽快な気がする。いつもの速度より速度を上げてみる。それでも対応できている。いいねのボタンを押したいくらい。

転生前ならさぞインスタ映えしていることでしょう。


剣も槍も杖もいい。このくらい近接戦闘できるならいいんじゃないだろうか?


4回目打ち合いのときは速度をいつもの2倍速くしてみた。取りこぼしはあるもののついてこられているようだ。

あっという間に2時間の使用時間である各人4回の打ち合いは終了した。

気が付かなかったが、周りを見ると多数のハンターと受付の人が訓練の様子を見ていたらしい。

3人に手拭いを渡しどんな感じか聞いてみる。

体が軽く感じて楽しかったと? うんうんそうだろうそうだろう。 成果が出ているようでよかったぁ。私はほっとしました。


受付の人が近づいてきて、この剣と槍を持っている子への依頼ですよね? と聞いてきた。

ええ、まだランクはFなのでできればDかCランクの技術がしっかりした人へ依頼を受けさせてください。と言っておいた。

あれだとBランククラスでないと訓練にならない思うと言われたが、既に受付してもらっているので、とにかくお願いしますと私は言っておいた。


私もこれほど成果が出ているとは思わなかったので、心の中で謝りながら舌を出していました。

悪気はないのだ、私もこれほどとは思っていなかったのだ。なんか転生前の漫画で書かれていたことを実践しているだけなのに。今度は大リーグボール養成ギブスでも作ろうかしら。


でもまあ、訓練の時はこれを重さマシマシを履いてもらうので問題はないでしょう。


明日からは魔法使いを除いて2人は1時半からこっちで訓練を受けるように、魔法使いは家で座学。ということを伝えて、ギルドを出た。


ちょっと遠回りをしたいと告げ、孤児院に向かった。



孤児院で院長さんを呼んでもらい、問題があるかどうか確認する。

問題はないらしいが、お辞儀の人は来ないのか?と聞かれて困ったらしい。


私にも会いたがっている子供がいるとのこと。

まあ、その子は孤児院に着いたとたんに私の足を抱えているこの子の事ですよねぇ。

あと幼女姉妹にも会いたいらしい。


今日は新しいおもちゃ、いあ、新しいお姉さんたち3人組を遊び相手に連れてきたといって、犠牲者に、いえ、被害しゃとして、ちがう普通に遊び相手として子供たちに紹介した。


陽の雫が解体した肉を冷蔵庫に入れ、私も遊びにつきあう。

1時間程遊んでから、また来てねと約束させられ、孤児院を後にする。


家に帰って、先に風呂をいただいて、夕食を食べる。

幼女たちに付き合ってから、明日の資料と材料を作ったのち眠りにつく。

あることが偶然にもできてしまいました。


それでは、おやすみなさい。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 剣技特訓開始



異世界44日【女神暦354年9月 8日(空の曜日)】


おはようございます。

久しぶりに幼女ペアに起こされました。

何故か転生前の歌を振り付きで歌って欲しいと思ってしまいました。


はいはい、ぼけ~としてないで起きますよ。


外を見ると天気は良くなさそうですね。今にも雨が降りだしそうにどんよりしています。


朝食を食べて、食休みをしたのち早速特訓を行います。


その前にギルドで使うための剣と槍を渡しておきます。

今使っているのは重いので相手に衝撃が伝わりやすいので使わずに、この剣を使ってくださいね。

剣全体が重いわけではなく、持ち手の部分だけ重くなっています。

これで剣に振り回されることはないでしょう。 まあ、たぶん。所詮私も素人ですから。


さあ、いつもの特訓をしましょう。


2時間で10分ずつ4回の特訓です。速度は一昨日の速度に戻します。


この速度なら陽の雫PTは魔法使い以外は最後まで立ってました。


まあ、魔法使いに体力を期待するのは酷かもしれませんが、3人の場合二人が正面の敵と戦っているときに後ろから接近戦を挑まれないとも限りませんし、長距離移動の場合、3人の移動能力が均衡していることが望ましいのではないでしょうか。

それとも私の理想が転生前の小説、マンガ等を参考にし過ぎるのでしょうか?



それでは次は座学です。今日は水の特性を説明していきます。

氷は解けると水になるんですよ。知ってます?

バカにしないでくださいと言われました。

では、なぜ溶けるのでしょう、なぜ凍るのでしょうと続けます。



一通り私の話を聞いて『陽の雫』PTとロザリンさんが驚いていました。

幼女たちは目をキラキラさせながら話を聞いていました。



さてロザリンさんは昼食の準備に取り掛かりる時間です。


そういえばロザリンさんは雑談で私が話す様々な料理をメモしては再現しようとしてくれます。

唐揚げ、コロッケ、ハンバーグ、メンチカツ、カツレツ、酢豚、ビーマン肉詰め等々、他種に亘ります。

もちろん材料が違いますので、必ずしも転生前と同じものにはなりません。


そういえばこの前は天ぷらを作って試食してました。私も試食品をいただきましたが、油の切れが悪いくらいで、味はなかなかでした。

もしかして実家に帰ったら料理店でもやるのでしょうか?


以前買った米をそろそろ精米したいですね。

飼料に使うなどもったいないです。カピオ達に食べさせているのでしょうかねぇ。



今日の昼食もおいしくいただきました。


午後になって雨が降り出してきました。


ハンターギルド内の訓練場は屋根がある屋内と、屋根のない屋外がありますので訓練に支障はないでしょう。

パワーリストの重さを少し増やしておきました。

緩めに物理シールドを掛けておきました。物理攻撃が当たった場合100分の1で衝撃が来るようにしておきます。



私は昨日の夜、記憶にあるイメージで作り上げた人体模型を収納から出し、深層にある記憶を紙に転写した人体図を教材として魔法使いと、ロザリンさんも学びたいということだったのでロザリンさんにも渡しました。

人の絵があって、パラパラ漫画のようにめくると血管、神経、筋肉、内臓、骨とわかるようになっています。

そうです、人の体について勉強してもらおうと思っています。所詮保健体育レベルですが。


幼女たちの分は作っていないので、ロザリンさんの教材を共有してもらいます。

頬を脹らませても作りませんよ。可愛いなぁもう。


この世界には獣人や魔人もいるそうですが、体内構造が同じかわかりませんので、人族限定の教材になります。

大人2人はある程度のことはわかっているようですがこれほど詳細には知らなかったそうです。


まあ、学校にでも行かない限り学びませんからね。


この教材は絶対に他人に存在を教えないように言明しておきます。

お偉いさんに見つかったらどうなることやら。教会などから反教会勢力と思われ、何されるかわかりません。

まあ、そんなときは教会を潰しますが。


今日は軽めに人体について説明していきます。

ハンターギルドで2人が訓練している間だけこの授業をすると伝えました。

教材は2人にもなるべく見せないように伝えておきます。



授業をしていると2人が帰ってきたようなので終わりにします。

思ったより帰ってくるのが遅かったです。既に16時に近いです。



実技の訓練は1時間で終了したそうなのですが、雨だったので暇を持て余していたハンターたちが打ち合いの相手を無料で申し出てくれたそうです。その中には朝のマラソンに付き合ってくれている人もいるとのこと。何でもハンターギルドもハンターたちの底上げにつながるためか、朝のマラソンに参加すると、ギルドポイントを1ポイント加算しているそうです。  ……初耳なのですけど。


剣や槍を体で受けても衝撃はあるものの、怪我にならなかったので、悪い部分を兎に角攻撃されて指導してもらえ、いい勉強になったとのことでした。

隙があると、ほら隙、って打ち込まれたとのこと。

明日にでもすぐにやりたいと言っていた。


1日置きではなく、残りを毎日で9日間に変更してもらえるか受付の人に交渉してもいいよと言っておいた。

体が覚えている間に徹底して教え込んでもらった方が上達するかもしれないですし。


この調子なら意外と早くDランクになれるかかな?

陽の雫PTがDランクになれたらこの街から移動しよう。



今日は久しぶりに全員で一緒に風呂に入った。

夕食の手伝いをみんなで行うということで。



雨は降り続いていますが、今日はここまでです。



それでは、おやすみなさい。




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異世界45日【女神暦354年9月 9日(陽の曜日)】


おはようございます。


今日は幼女たちが私と一緒に寝たいということで、両サイドに陣取って寝ています。

予めロザリンさんにも許可をもらったようで、今回は問題はないでしょう。


『陽の雫』PTに幼女たちとともに起こされました。


朝食を食べるときに聞いたら、朝早くにハンターギルドに行き、昨日の話の通りに変更してもらったとのことです。


今日も朝から雨のようです。


戦いは雨の中でもありますので、いつもの2時間で10分×4回のルーティンをこなします。


ただ、休憩中は縁側で雨に濡れないように言っておきます。タオルもバスタオルサイズを多く用意してあります。私はなぜか問題なかったのですが、ぬかるんだ庭に足を取られてバランスを崩す姿が多かった気がします。踏ん張りも効いていません。


あれを作って遊びながら体幹を鍛えさせるかな。


午前の座学の前に今日は風呂に入ります。体が濡れたままだと風邪をひくかもしれません。

これまで簡単に風呂に入るとか書いていますが、ロザリンさんが湯の準備をしてくれています。

急な場合は、私が魔法で湯を溜めています。なので準備ができていない時でもお風呂には入れるのです。



今日の午前の座学は風の特性を説明していきます。

何故風が吹くのかから始まり、かまいたちの現象や竜巻の現象について学びます。

結局、気象関係の説明もすることになるのですけど。

実験を交えながらの説明に幼女たちは喜んでいます。


いつものように驚いていただいて光栄です。

いつものようにキラキラしていただいて光栄です。


いつものようにロザリンさんが昼食の準備に入る時間になった時に午前の授業は終わらせました。


私はバランスを崩していたことを鑑みて体幹を鍛える必要があると思い、食事までの間にバランスボール、バランスボード、バランスシーソー作りました。あと、雨が止んだら平均台も庭に設置する予定です。


バランスシーソーは幼女用に小さめの物も作ります。


遊び方を教え、時間があるときはこれで遊ぶように言っておきます。

何かを鍛えるためとなると楽しめないので楽しむように仕向けました。

幼女たちが一番喜んだようです。



昼食をいただいて、早速『陽の雫』PTの内の2人はギルドに向かいました。

このころには雨も上がって虹がでていました。


残った魔法使いには、座学の間、椅子をバランスボーにするように言いました。

最終的には両足を床から離して安定的に座れるようになること。と言っておきます。


午後の座学は昨日の続きを行いました。


1時間半ほど勉強会をしていると、陽の雫PTが帰ってきました。


私は保健体育の授業を終わりにしました。


結構ギルドで鍛えられているにも関わらず、戻ってきた2人は笑顔で一杯でした。

もちろん魔法使いの子には、なぜ保健体育の授業を行っているのか説明済みですので、魔法使いの子に焦りはないです。


30分程休憩を入れて、解体のお時間です。

今日はクレイジーラビットを解体してもらいます。

大きいもので解体慣れしてもらえれば、小さなものでも解体をできるようになるでしょう。だって大は小を兼ねるはずです。違いますか?



無事解体が終わって、一部の肉は食用としてロザリンさんが持っていきます。

毛皮と他の部位は私が収納に納めておきます。


食事まで1時間半ほど余裕ができましたので、庭の外周に平均台などを設置していきます。

最初は平均台、雲梯、ジャングルジム、平均棒、吊り輪、跳び箱、ボール当て、ロープ網渡り、登板棒兼滑り台付、ロープ橋、最後は家の壁にボルダリングを作り2階まで、2階から3階の見晴らし台までロープを張りロープ登り、3階に滑り台を設置し1階まで滑り降りられるようにします。

これを一連の流れとして運動します。

これにより、将来は上海雑技団も夢ではない。 と拳を作って力説しましたが、わかってもらえませんでした。


私が実際に試してみます。平均台の上で1回転して見せます。いえ、1回転はしないでいいですよ。

と最後まで説明しながら見てもらいました。


3階から見る夕日がきれいです。明日は晴れかな?夕日がきれいなら晴れというのは日本の地理的要素によりますからこちらでは関係ないでしょう。


こらこら、幼女たちは危険なのでやらないようにね。

頬をふくらましてもだめですよ。

う~。分かりました、最後の壁昇りはやってはダメですからね。それとこの帽子をを必ず被ること。

そういってヘルメットを渡しました。


1周をできる限り早く進められるように。

夜は部屋の中でバランスボールなどをすればいいです。これは、解体後やってもらいましょう。




夕食がそろそろできそうですので、手洗いと泥を落として、部屋に戻りましょう。

風呂は食事をしてから入りましょうか。


夕食をいただいて、風呂に入って、バランス遊び(体幹を鍛える)をしてから寝ました。

もちろん明日の準備もしてます。


それでは、おやすみなさい。



しばらく1日は大雑把にこんなスケジュールになってます。時間通りではないです。結構前後してます。


6:00~7:00 『陽の雫』PTマラソン&朝のお風呂   ロザリンさん朝食準備

7:00        幼女、襲来。決戦、二度寝の選択を でんでんでんでででんでんでん

7:30~8:30   朝食&食休み

8:30~10:30  打ち合い特訓

10:45~11:45 座学

12:15~13:00 昼食&食休み

13:30~14:30 ギルド特訓  魔法使い座学特訓

15:00~15:30 休憩 

15:30~17:30 解体、遊具周回、入浴

18:00~19:00 夕食、食休み

19:00~20:00 幼女たちと戯れ、入浴等

20:00~21:00 ぐらいで幼女眠りに。室内体幹トレーニング

幼女眠りについた後が私の自由時間~23:00位の間で眠りにつく




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異世界46日【女神暦354年9月10日(月の曜日)】


おはようございます。


足がこそばゆいのですけど。

布団をめくって足元を見ます。

幼女がくすぐっていたようでした。

はいはい、おはようございます。それでは、おやすみなさい。

くすぐった~い。わかりました起きますよ。


朝食をいただきます。


2時間の打ち合いを行います。特筆すべきことはないですね。

強いて書くと少しスピードを上げて相手をしているくらいでしょうか。


今日の座学は光の特性についてです。

昨日虹が出ていましたね。

虹はなぜできるか知ってますか?

プリズムで虹を説明します。虹で興味を誘って、光について教えていきます。知っている範囲ですが。

凸レンズで光を1点に集めて火をつけます。これは庭先で説明しました。

実験はいいですね。


驚いていただき恐縮です。

キラキラの目を向けていただき恐縮です。


ロザリンさんが昼食の支度に入りました。今日はあれが食べられるそうです。

とても楽しみなのです。

ハンバーグを上下からパンズで挟むあれです。ハンバーガーです。


昼食をいただきました。大きなパンズ|(転生前のパンズの二回りは大きい)で手のひらサイズのハンバーグを挟んだ豪快なハンバーガーです。パンが硬めでしたがおいしかったです。

こちらもおかずを挟んで食べる事はします。しかしハンバーグはないので、転生前の一般的ハンバーガーはありませんでした。肉を角切りにして焼いたものを、挟んで食べることはあるそうです。


ロザリンさんはやはり食事処をやるのが良いのではと思います。


午後からの座学はいつも通り人体の不思議をやります。

今日で人体の説明は大体完了になります。


ハンターギルドから2人が戻ってきてから、解体です。

今日は以前イーストフォレストで狩ったウッズカモシカを出しました。


解体が終わると、周回の遊具遊びです。15分の砂時計を1人ずつに用意して、この砂時計の砂が落ちる前に周回するのを目標にします。やはり目標がある方が達成感があるはずです。


何周でもやっていいですよ。でも、無理はしないように。


遊具遊びでしたが、何となくフィールドアスレチックかなぁって思ってしまいます。

直ぐに結果は出なくても、体幹に必ず役に立つと私は考えています。



さあ、今日はここまでです。夕食の準備が整ったようですので家に入ります。

泥を落として手も洗いましょう。


それでは夕食をいただきます。


それから風呂に入り、室内で体幹を鍛えます。


それでは、おやすみなさい。





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異世界47日【女神暦354年9月11日(水の曜日)】


おはようございます。


今朝も幼女パワー×2によって起こされます。

私をゆさゆさ揺らして、私が布団の中にもぐりこむと、布団を奪い取ろうとします。

奪われまいと私が抵抗すると、足元から布団をめくられてしまいます。

くぅ~、そうきたか~。


私がおはようと寝ぼけ眼で言うと、おはようと言いながらさらに揺らしまくります。

小舟に乗っている気分だ~。


朝食をいただきながら、今日の打ち合いがどうしようかなと考えていたら、皆にあれが出てきました。

そうですプリンです。

どうやら私が作った下手なプリンを、作り方を軽く説明しただけなのに、試行錯誤しながら作っていたようです。

しかも、おいしい~。私が作ったものよりもはるかに滑らかでおいしくできています。

ロザリンさんを料理の達人と呼んでしまいますよ。


今日の打ち合いは昨日よりわずかに速くしています。これから毎日、前日より少し打ち込み速度を速くしていきます。


今日の座学は土の特性についてです。

岩、石、砂利、砂、粘土それらを説明していきました。

どうやら粘土で造形するのは楽しいようです。

砂を細かくして、水に含めて噴射すると岩を切ることもできます。

水だけでも切れますが、そこに砂を含めると効率が良くなります。

岩も崩れやすい岩石、崩れにくい岩石、風化についての説明などもしていきました。



昼食をいただいてから、午後の授業になります。

もちろん『陽の雫』PTのうちの2人はギルドに向かいました。


昨日で人体の説明はほぼ終わりましたので、なぜ人体の説明をしたのかを解説していきました。

簡単な治癒魔法をつかえたという魔法使いの子は傷などを治す程度でした。

切り傷、擦り傷は目に見えるので治癒魔法として使うことができたので、内部構造を知ったことでもっと複雑な治癒魔法もできるようになると思います。希望的観測ですが。


今日からは攻撃魔法の実習を行っていきます。

無詠唱は無理でも単語詠唱|(言葉一つで魔法発動)が可能になっていますので、それの練習です。

そして、これまでの午前中の座学の知識によって、どんな発動をしたいのか既に具体的に考えられるはずです。

そして実際に、かまいたちや高温の炎の発動に成功してます。

最初に出会った時より、発動速度や威力が増しています。

魔力も少なくて済んでいるのは科学的理解ができているからだと、私は思っています。実際はどうなのかわかりませんが。


ハンターギルドマスターと数名のハンターと思しき人たちと一緒に『陽の雫』PTの2人が帰ってきました。

何事かと理由を聞くと、あの遊具アスレチックをやってみたいということでした。

1回銅貨1枚とし、料金箱を作りお金を入れてもらいます。

このお金は『陽の雫』PTの貯金としておきましょう。


でも、今日はいいとして、毎日押しかけられるのは困ります。

折角ギルドマスターが一緒に来ているので苦情をいれます。


それならと、ギルドの訓練場に設置してくれないかと頼まれました。

面倒なので、金貨5枚いただけるなら設置しましょうと言ったら、ぜひお願いすると言われてしまいました。金貨5枚ですよ? ふつう断りませんかねぇ。

え? 安い? いったいこの世界の金銭感覚はどうなっているのやら。


明日の午後設置することになってしまいました。

ちくせう、金貨10枚くらいぼったくればよかった。


他の人が来たために今日の解体は無しになりました。

ロザリンさんによると、食材はたくさんあるので問題ないということでした。


ハンターたちが引き上げてから、夕食をいただきました。

明日は午後私はギルドに行くため午後の授業は無しと伝えます。


風呂に入ってから暫く遊んで、明日の資料を作ってから寝ました。


それでは、おやすみなさい。


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