−3 過ちと去りし日 Ⅱ
「ん〜、今日もねたねた!!」
勉強会が始まってから1月が経った。
あれから俺はサラと1週間に一度夢の中で勉強をしている。
あぁ、あの子の名前はサラって言うらしい。
どうやら夢の中で俺はあの子の家にホームステイを行っているようだった。
しかも、どうやらサラと夢俺(夢の中での俺)はかなり仲がいいらしく
よくサラの友達を交えて遊んだりしているらしい。
それに比べて俺は、つるむのは男友達で、英語が喋れるわけでもないし
ましてや美少女と同じ屋根の下で暮らすなんてこれから一生ありそうもない
「はぁ、いいなぁ夢の俺」
「…自分に嫉妬するってどうなの」
ハクがいるのを忘れてた
「どうして、俺の隣にいるのはお前なんだろうな」
「喧嘩なら買うけど????」
「やめてくれ、また周りの女子に嫌われる」
「きちんと勉強したら?英語とか
もしかしたら夢みたいになれるかもよ」
そうなんだよな、あの部屋にあった映画とか
吹き替え版で見てみたけど正直めっちゃ良かった。
どこでこんなの見つけたのかと思ったら夢俺が
どうやら、サラ経由で教えてもらったらしい
知った経緯含めて、夢俺は、もう1人の俺みたいだ
本当に、俺が英語を勉強…いや留学していたらああなっていたみたいに
俺がまだ高校生の頃、学校では留学生を募っていた。
詳しい話は忘れてしまったけど、学校の都合だかイベントだかで長期的にしかも格安で留学ができるらしい。
実はこの留学について俺は結構興味を持っていた。
というのも、その頃から普通の学生であることが悩みだった俺は、ちょっと特別な趣味を持ちたくて洋画を見ることにハマっていたからだ。
まぁハマったと言っても週に1本くらい見るぐらいで、しかも内容は金曜の夜にやっているようなやつだったり、平日の午後にやっているような所謂名作と呼ばれるものなんだけど
そんなこんなで不思議な「縁」を感じた俺は、普通からの脱却をしたいという気持ちも手伝い申し込み用紙を受け取っていたのだった。
しかし、結局は行かなかった。
格安で行けることからか定員よりも応募者が多くなってしまい、留学希望者は英語ができるものから優先的に行けるようになったからだ。
このことが学校から発表されてから、英語ができるやつが行くというような空気みたいなものができてしまい、当時から英語ができなかった俺や友達には縁のない話だなと、提出をできずに期限が過ぎてしまったんだ。