−3 過ちと去りし日 I
それから、一週間は何も起こらなかった。
なんとなくだけど、他の時に寝ても彼女には会えない気がしていた。
恐らく、あの洋画を見る講義の時間だけ起こるのだろう、そして今日がその日だ。
「なんだか楽しそうだね、英語苦手じゃなかったけ?」
期待に胸を膨らませていると
横から水を差す声が聞こえてくる。
「英語が嬉しいんじゃねぇよ、多分またあの子に会えそうな気がするんだ」
「え?あぁ、そうなんだ。ふーん…」
「なんで、お前が嬉しそうなんだよ」
興味なさげなふりをしているが、明らかに声色が嬉しそうだ
「今日も寝るってことは何かされても気づかないってことかなって」
「絶対やめろよ!?」
油断も隙もあったもんじゃない
実際なんでか分からないけどあの夢を見る前後は
結構頭がぼやけるからなぁ、何かされても気づかないかもな
そうこうしているうちに講義も始まり即就寝
この講義は映画の内容の要約だったり
映画内にあった、好きなフレーズを書いて提出するだけの簡単な講義でいいから楽だ
実際、教授が講義内で映画を見るためにやっているんじゃって噂だ。
さて、
夢の世界へさぁいくぞ〜〜!!
ふと、目を開けると見覚えのある勉強机に目の前の窓からは月が見える
どうやらまた来れたらしい。
「今日もやるわよ!!」
聞き覚えのある元気な声が聞こえる。
振り返ると、思ったとおりあの子がいる
夢の中とはいえ、今日は名前ぐらいは知るぞ!!
そして俺らの勉強会がはじまった。