-2不思議な場所 I
というわけで、遅刻して学校に着いたわけだが流石に堂々とはいるわけにもかといって欠席することもできない
既に何度か欠席してるのだ、これ以上やると単位が落ちる…
つまりはバレないようにこっそり入るしかないわけで
今だ!!
教授がこちらに背を向けている間に素早く席に座り込む
教授がこちらを見るころにはノートを広げすっかり元から居たような顔をする
なんとかバレてはいないようでそのまま授業は続けられた
危ない危ない
「重役出勤とは、流石まさはやっぱり大物になるね」
隣からやけに皮肉めいた耳障りな声が聞こえた気がするが気のせいだろう
「ねぇ、席をとっておいたのに無視はないでしょ無視は」
…それを言われると何も言えない
「悪かったって、席とっておいてくれてありがとなハク」
「最初から素直にそう言えばいいんだよ」
こいつはハク、なんというか入学式の時に関わってからなんだかんだとずっと一緒にいる
腐れ縁と言っても過言ではない
結構顔立ちも良い方で俺とは違ってモテるらしく、女子に囲まれているところをよく見る
こいつの嫌味な性格を知らない女子は
知らぬが仏というべきだな
真実を知ったらきっと幻滅するに違いない
と、ほくそ笑んでいると
「ねぇまさ、なんか失礼なこと考えてない?」
チッ、するどいやつめ
「いやー、席をとってくれるなんてとてもありがたくて感激してたんだよ、さすがハク様!」
「ふーん……そういうこと言うなら、今度ノート見せて欲しいって言っても見せてあげないからね」
「嘘です,ごめんなさい。」
こいつには逆らえない
にしても、英語ほんとに苦手だなぁ
何言ってるかわからんし眠くなってくる、
でも、今後はグローバルだって言うし、やっぱり無理矢理にでも留学とかして外国行っておくべきだったか?そうでもしないと怠け者の俺がやる気しないからなぁ
英語の授業を聞きながらそんなことを思っている
外から朗らかな春の日差しが教室を照らしているせいな睡魔が俺を襲ってくる
出席もしたし、朝色々あって疲れたしなんで言い訳をしながら睡魔に身を委ねていく
「ちょっと!!聞いてるの!」
やべ…教授に寝てたのバレたか???
随分と高い声だし、かなり怒ってる感じかなぁ……
無視して眠りこけるわけにも行かず恐る恐る目を開けると
なぜか周りの景色は様変わりしていた
目の前には窓があり
自分が机突っ伏してるのは変わらないが、それも勉強机?で少なくとも大学の長机みたいな感じじゃない
そして、極め付けは
なぜか内容が理解できる英語の本が置いてあったのだ
突然の状況に混乱していると
「どこ見てるのよ!」
また可愛らしい声が聞こえた
ようやく自分が呼ばれてたことを思い出し声の方向に振り向くと
とても可愛い外人の女の子がこっちを睨みつけていた
とりあえず落ち着こう
正直何が何だか分からないけど、おそらくこれは夢だ
うん、夢なら英語が読めるのも納得だな
これが正夢かどうかはさておき、まず聞いておかなきゃいけないことがある
「えっと、あなたは誰ですか?」
驚いた、口から勝手に英語が出たこともそうだが
俺の言葉を聞いた途端
元から悪かったと思われる彼女の機嫌がみるみる下がっていったからだ。
「へぇ…そう言うこというんだ
だったら私にも考えがあるわ」
言うが早いが彼女は手に持っていた鞄を俺の頭に…
「…いっっった!!??」
目が覚めるとそこは見慣れた教室だった