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守備の上達
去年野球を始めた頃、外野ノックはまったく球が捕れなかったのに、5年生になると虎之介は外野ノックを受けるのが楽しくなった。守備は練習するほど上手くなると、梨田監督は言っていたが、ゴロもフライも、センターの虎之介は無難に処理できるようになっていた。
ある試合では、ランナー二塁において、正面のライナーを突っ込んで捕球した。二塁ランナーが飛び出していたのでセカンドの三平君へ送球すると、ダブルプレーになった。虎之介は自分のプレーがゲッツーとなったことに興奮した。
(ただ、足の遅さ、走る姿の不格好さというものは、虎之介の場合中学生になるまで解決にいたらなかった。中学生のとき、ある陸上の先生に出会い、「おヘソをひもで引っ張られる感覚」という指導を10分ほど受けただけで走り格好は良くなった。走り格好で悩んだ、恥ずかしかった小中学校時代。小学校の体育で「走り方」というカリキュラムを取り入れてもいいのではないかと思う。ちなみに虎之介はその後、高校の野球部では「文部省推薦の走り」と先輩に揶揄された。以上余談。)