外野の守備
トスバッティングの後は、内野と外野に分かれてノックを受けた。内野はバッターに近くて強い打球が来たり、ゴロの処理が難しそうだから、虎之介は外野を選んだ。三平君は内野でサードに入った。
梨田監督は内野のノックをしていた。外野は父兄の誰かがノックしてくれた。
軟球はよく跳ねる。捕ろうと思って前に出れば、弾んだ打球が虎之介の頭を越えて、後へ行ってしまった。ノーバウンドで捕れるのか、待ってワンバウンドで捕るのか見極めが大事だと思った。
そのうち、梨田監督から外野も守備に着くように指示があった。虎之介は真ん中のセンターを選び、6年生の子の後に並んだ。梨田監督は、外野は後にボールをそらしたらホームランだから注意しろと言ったが、虎之介は受けたノックをほぼ全部、ホームランにした。
ノックの後はベースランニングをした。まずホームベースから一塁までの駆け抜け。二塁打、三塁打、ホームランと走る距離が長くなると聞き、虎之介は内心いやだった。
最後に内野をみんなで丸く囲み、体操をしてその日の練習は終わった。1週間の中に、重大なイベントが出来たものだと虎之介は思った。