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背番号「2」

 キャッチャーを始めるにあたり、またスポーツ用品店へ行ってキャッチャーミットを買った。ピッチャーから投球を受けるこのミットは、普通のグラブと違い、丸くて分厚かった。キャッチャーマスクはクラブの備品があるので気にしなかった。

 ピッチャーにはすでに新チームでエースと期待される、藤本君がいた。学年は一つ下だが、サウスポーでピッチングセンスは抜群だった。

 梨田監督は虎之介に、野球で一番おもしろいポジションがキャッチャーだと言った。虎之介には深い意味はまだわからなかったが、センターに比べて一球一球忙しそうだった。

 虎之介はまず、キャッチャーとしての投球フォームから練習に入った。球を捕ったらすぐ右耳と右肩の間に、球を持った右手を上げる。盗塁を刺すためだ。外野のように大きく手を回しては間に合わない。また、キャチボールでは捕球する瞬間に右足でステップし、すぐ左足を上げる。同時に球を持った右手を上げれば、すでに送球する姿勢だ。そうすることで送球動作は格段に早くなった。

 3月に入り、例によって公民館で6年生の卒団式が行われた。新チームのキャプテンにはスキーの怪我で療養中だが、予想通り鏡君が選ばれた。そして、新6年生の虎之介には背番号「2」が渡された。

 6月には地元いずみ市で第1回少年野球いずみ大会が開催された。この大会で、中星クラブは創部3年目にして初めての賞、準優勝に輝いた。虎之介はピッチャーの藤本君の功績が大きいと思った。梨田監督は藤本君に、いいピッチングができるのは、キャッチャーのおかげということを忘れるなと言ったので、虎之介はなんだかこそばゆかった。

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