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12/27  作者: しるこ
18/37

1/13

昨日の夜はトンテキでした


11:43

すごくしっかり寝ました 気持ちがいい


朝起きると、部屋が全体的に暗くて、朝がまだやってきていない様子が伺えた。まだ5時か、6時かな…って思った。

ふつうこれぐらいの時間は眠たくて仕方なくて二度寝するのが基本なんだけど、今日はなんだか目がぱっちり覚めてた。

とはいえこういう日も全くないわけじゃなくて、そういう日もあるかと思いつつ、普段より軽い布団をはねのけて居間へ向かった。


居間へ向かうと、まだ誰も家族は起きていないようで、ひどく静かだった。何の音もしなかった。

まだ昇ってもいない太陽の光が、それでもうっすらとカーテン越しに映えていて、居間の机の上には今日の朝ご飯なのだろう惣菜パン達が粗雑に並べたてられてる。


その総菜パンの中に、俺の好きなドーナツセットがあったのに気付いた。おっ、と思ってそれを手に取って、ほんの少し軽やかになった足取りで部屋へ戻った。


俺の部屋は北側だからきっとうすら寒かったろうに、今思えばまるで気にしていなかった。

部屋の椅子にどすんと座り、ビニールの包装をポテチ開けるみたいに横に開いて、ひし形になった取り口から一番好きなチョコドーナツを掴んで、口に運ぶ。

おいしい!朝はあまりモノが胃に入らないタチなので、軽くて食欲の湧くドーナツは俺の朝に最適だった。朝からこんなものをとも思いつつ、やっぱり好きなのは否めない。机の上にコレが置いてあると、その日は良い日に思えた。


ふと手を見ると、手の体温で溶けたチョコが指についてた。それを舐めつつ、掴む位置しくったな、と思いながらチョコの付いてないところを持ちなおした。

このドーナツはチョコが付いてるところと付いてないところがある。持つ場所を気にしないといけない。

あとチョコの有無で味がまるで違うのでバランスよく食べないといけない。今回は、チョコから行き、チョコ無しで休憩し、最後にチョコで追い込むセオリーに従い食べた。

おいしかった。あと二つ残っている。砂糖のような白い粉がびっしり付いたものと、生地がふわふわのもの。どっちから先に食べようか。



ここまでの記憶を持ち込んで、ベッドの上でまた目が覚めた。

朝食べたのにベッドの上だったので、さては夢うつつで朝食べて二度寝したんだな、と確信して枕の隣に置いてあるスマホをつけた。11時だった。

朝の記憶をなぞるように、自室の扉を開けて居間へ向かう。さっきと違って、窓の外も日が差す室内も既にきっぱり明るい。朝の残滓も残っていなかった。

そして居間の机に目を向けると、なんとドーナツがある。


目を丸くして見つめた。やっぱりドーナツがある。俺はさっきドーナツを食べたはずなのに。

しかし何度見返しても、やっぱりドーナツがある。

特筆すべきは、そのドーナツがドーナツセットですらなく、スティックドーナツだったこと。

まさかと思って小走りで自分の部屋のゴミ箱を覗くと、さっき捨てたはずのドーナツの包装がない。


そこでようやく、アレは夢だったんだと気付いた…


朝はドラゴンロール(ちっちぇえロールケーキ)

昼はカップヌードルぶっこみ飯

夜は焼肉

今思えば、居間で何の音もしないのはおかしい。居間には時計が置いてあるので、その秒針がカチカチ聞こえるはず。

家族が誰も起きていないのに総菜パンが机に並べ立てられているのもおかしい。寝ている誰かがキッチンから持ちだした事になる。

ドーナツだけを握って部屋へ戻るのも違和感がある。そのまま居間で食べればいい。

あと残り二つを食べた記憶が無いのもおかしい。


今思えば、本当におかしな点だらけだ。

だからよく考えれば、あれは確かに夢だった…夢だったけど、そうとは思えないほどリアルだった。

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