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プロローグ
世界には、重要な力の流れが存在している。
それは形を持たないが、森羅万象と密接に関わり、並行する幾数千億の世界にも共通で巡っている不思議なものだ。
ある場所では龍脈だの、マナだのエーテルだの、その他様々な呼び名があり、生きとし生けるものにとって必要不可欠な力である。
ある世界では魔法として使われ、また、ある世界では超常現象となったりとその形態は世界によって様々だ。
そんな素晴らしい力ではあるが、世界を巡り行くうちに巡った万物の邪悪な部分に影響を受けたり、或いは吸い取る等して、次第に澱んでしまうものでもあった。
しかし、それも「ある領域」に達すると澱みは浄化され、清らかな存在となり、また再び世界を巡り、万物に恩恵を与えるようになるのだ。
これは、その「ある領域」で行われた、人々の感知しえない者たちの影の活躍の物語である。