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聖天魔物語 ~この厳しく残酷な世界を癒しで救う聖女~  作者: 江戸ノ地雷屋
第1章 新米聖女と人間不信の魔獣
11/43

用語解説集(1)

 このエピソードは、理術りじゅつについてと本作の第1章に登場した用語、文化、国、地名、アイテム等を本編では説明しきれなかった部分を含めて詳しく解説する一覧を作りました。ここから最初に読んでもネタバレになるものは含まれていませんので問題ありません。

【理霊学】

理術(りじゅつ)

 自然界の(ことわり)とエレメントを(つかさど)る精霊に通じ、体内に宿す理力(りりょく)を消費し、力を借りて自然現象を発生、(ある)いはエレメントを操り、形にして作り出す奇跡の術法であり、いわゆる“魔法”に近いものである。この理術(りじゅつ)を使える者を理術(りじゅつ)使いと呼ばれる。理術りじゅつ使いになった人間は個人に()身体(しんたい)の潜在能力が覚醒される。理術(りじゅつ)が使えるようになるには自然や他者を大事にする悪意無き純粋な心を持って精霊と(かよ)わせなければならない。また、何度も使い続け、熟練を積み重ねれば詠唱(えいしょう)を抜きにして発唱(はっしょう)だけでも可能になる。理術(りじゅつ)の種類は次に区分されている。


願唱理術(がんしょうりじゅつ)

 言葉を使って自然現象を引き起こすタイプの理術。方法の手順は最初、理力を発して(えさ)にして精霊を呼びかけ、必要なエレメントを集めさせて具体的にどうして欲しいかを願いかける“詠唱(えいしょう)”を(とな)え、最後に精霊言語と呼ばれる精霊達の言葉による術の名の唱え、“発唱(はっしょう)”を(とな)えれば願唱理術(がんしょうりじゅつ)は完成される。


固有理術(こゆうりじゅつ)

 個人にのみ、個々別々で得られる、精霊に頼らず自身のみの力で特殊なことを起こすことが出来る理術の能力。


理術能力(りじゅつのうりょく)

 固有理術(こゆうりじゅつ)からによる作用、(ある)いは理力を使った訓練によって習得する(こと)が出来る理術の能力で“我々”の世界で言う“パッシブスキル”の(こと)である。


戦技(アーツ)

 固有理術(こゆうりじゅつ)理術能力(りじゅつのうりょく)(ある)いは理力(りりょく)を注ぎ込んだ武器や体術を使った技法であり、自分だけのオリジナルの技を作り出す(こと)も可能である。


理力(りりょく)

 「聖天魔物語」の世界に存在する全ての生命体が持つ精神のエネルギーである。“我々”の世界で言う“MP”、“霊力”に当てはまる。これが使い切ると気絶するが自然に回復する。共和国の医学研究によれば理力は血液に宿(やど)っていると理論が立てられている。


◎エレメント

 「聖天魔物語」の世界に()ちている、元素にして万物を構成するエネルギーの(みなもと)である。精神にも大きく作用する力を持ち、理術(りじゅつ)使いはこれらを使って理術(りじゅつ)の発動のエネルギーや霊装具現化の素材等に使われている。

 エレメントには属性による種類が存在し、色事に光る粒子として表されている。種類は、自然界の基礎的要素である“火”、“水”、“土”、“風”の基本属性と四大元素とは特別格である“聖”と“影”の特殊属性が合計六種類に存在する。また、それらの異なるエレメントを混ぜ合わせる(こと)で別の属性が生まれる混合属性が存在する。

 “(じょう)”:“火”と“水”の混合属性

 “()”:“土”と“風”の混合属性

 “(こう)”:“火”と“土”の混合属性

 “氷”:“水”と“風”の混合属性

 “雷”:“火”と“風”の混合属性

 “”・“泥”:“水”と“土”の混合属性

 “(よう)”:“火”と“聖”の混合属性

 “(しお)”:“水”と“聖”の混合属性

 “月”:“土”と“聖”の混合属性

 “(りつ)”:“風”と“聖”の混合属性

 以上の他以外の混合属性と使い手が希少として存在し、理術使いになれた者は理力(りりょく)の波長によって相性が良く好かれた精霊の種類によって使える属性が決まる。

 (※六大エレメントや混合エレメントの他に理術使いには決して使う(こと)は出来ない、禁忌とされている特殊なエレメントも存在を確認されている)


◎精霊の約束

 古の時代より人と精霊が交わした約束であり、理術りじゅつ使いになった者には守らなければならない禁制である。禁止されている事項は次の(よう)に解釈されている。

 ・恐怖や悲しみ、絶望に陥り、気を狂うこと無かれ。

 ・力に(おぼ)れ、傲慢になって他者を見下す(こと)無かれ。

 ・憤怒や嫉妬、嫌悪のまま、暴力を振るい、他者を傷付く(こと)、殺めてはならない。

 ・己の欲望のためだけに理術(りじゅつ)を悪用してはならない。

 これを破ると理術(りじゅつ)の力は一時的に弱まり、何度も破り続けると理術(りじゅつ)は使えなくなる。再び、理術(りじゅつ)を使える(よう)になるには心から深く反省しなくてはならない。


【職業】

癒療師(ゆりょうし)

 失われた部位をも完全に再生する(こと)が出来る“回復”の理術(りじゅつ)と心の癒しも可能の治療系理術(りじゅつ)使いの最高位職で共和国領、精霊教会の人々は敬意をこめて男性を“聖人”、女性を“聖女”と称号を与えて呼んでいる。主に怪我や病気、病んだ心の治療、そしてディアボロスに憑かれて奇病や呪いを(おか)された人々や死者の魂の救済を行っている最も重大な役職であり、現在、精霊教会に確認され、正式に認められた癒療師(ゆりょうし)は十二人もいる。


【国・地名】

◎聖共和国

 理術(りじゅつ)使いの人間や人間とは違う特殊な生き物、種族達が自然と共存しながら暮らす共和制の国連国家であり、属する国々の(こと)を通称“共和国領”と呼ばれている。共和国領に属するそれぞれの国は一部を除いて危険区域と呼ばれる現代科学で作った機械の乗り物でも通過が不可能な過酷な超自然地帯を通り抜け、その奥地に在る“聖地”と呼ばれるディアボロスを寄せ付けない“聖”のエレメントが満ちあふれた安全地帯に建てられ、国民達は争い(ごと)も無く平和に暮らしている。また、住民達の氏名は一部を除いて名が前で氏が後となっている。


◎大帝国

 代々、皇帝が治める世界最大の軍力と科学力を持つ軍事国家で、通称“帝国領”と呼ばれている。かつて“精霊の約束”を反し、理術(りじゅつ)使いで無くなって共和国から追放された者達が集まり、荒野の大陸であったロディオス大陸を中心に科学の粋を集めて築き上げた。現在では危険区域と共和国領を除いた地域全体が帝国の領土となっている。また、ロディオス大陸の帝都の住民達のみ、氏名は名が後で氏が前となっている。


◎ガリア大陸

 霧と竜の大陸とも呼ばれている大陸で人間と同等の知恵を持ち、生き物の中でも頂点に立つと言われている伝説の生き物、(ドラゴン)が住んでいる。水と火、土、(じょう)のエレメントが地方によって濃く、強く影響が出ていて、土壌の質が良く、水源は豊富だが、霧の発生率も高く、湿地帯も多く()る。また、“我々”の世界のヨーロッパ大陸の(よう)に全大陸の中でも多くの国が独特の文化を持って存在する。


○プランタン

 ラティナの生まれ故郷で年中、季節(ごと)に様々な種類の花が野に咲き誇り、その色鮮やかな光景から別名“花畑の国”とも呼ばれて、その地に採れる花や草は食用の(ほか)に薬や芳香(アロマ)の材料としても数が豊富な上に効果も良く、共和国領最大の医療国として誇っている。


◎ロディオス大陸

 大帝国の本国が在る大陸で、かつては名も無き荒野の大陸だったが建国皇ロディオスの名から名付けられ、現在は大陸全体が帝国領の都市となっている。都市は中央、東、西、南、北の五つの帝都区(エリア)に分かれていて、中央帝都区(セントラル・エリア)に皇帝が、それ以外の帝都区(エリア)では皇帝の四人の子がそれぞれ治めている。


〇アップ・グリーンパーク

 ロディオス大陸の東の帝都区(イースト・エリア)内の中央帝都区(セントラル・エリア)に近い場所にある数少ない緑の自然がある最大の公園で地下に貯水池から雨水を飲料水に変え、都全体に送る浄水施設が存在する。かつて“白き聖女”と“紅黒(こうこく)の魔獣”が死闘を繰り広げた決戦地であり、“紅黒(こうこく)の魔獣”が封印された場所でもあるため、現在までその場所は氷漬けによる封印の維持のためによる、雪と氷の地となり、永久に春が来ない地域となっていた。


【施設】

転移門(ゲート)

 古代文明が生み出した理力(りりょく)を動力とする理導装置で、端末に理力を注ぎ込めば起動され、空間の歪みを発生させ、それに利用して、別の場所に在る転移門(ゲート)へ空間を超えて転移する(こと)が出来る。


◎聖堂

 精霊を(まつ)る殿舎。共和国領の各国に癒療師(ゆりょうし)が住み、治療を(おこな)ってくれる大聖堂や帝国領内で活動を認められた容認地帯に建てられている。


【組織】

◎精霊教会

 自然界を司る精霊を神として信仰する教会で悩める人々を救い、亡霊やディアボロスを浄化するのも使命の内として日々(おこな)っている。


○守護騎士団

 精霊教会に所属している理術(りじゅつ)使いから戦う(こと)が出来る者達を集め、ディアボロスの討伐と封印、そして癒療師(ゆりょうし)を守るために結成された集団で各国にそれぞれ編制されている。


○審問会

 精霊教会に所属している者が背徳行為の疑いがある場合、その者が潔白の理術使いなのか(おきて)や規定を犯した悪しき異端者なのかを取り調べ、見定めるために組織された精霊教会の機関の(ひと)


◎帝国政府

 帝国領の内閣及び立法・司法・行政を執り行っている大帝国の中枢機構。


◎帝国軍

 大帝国の軍隊で主に“我々”の世界で言う軍警察として帝国領での秩序維持と防衛を(おこな)っている。


◎スルト教団

 世に怒りと不満を持った人間達が集まり、炎の破壊神にして、神代の巨神スルトを信仰する恐怖政治(テロ)派狂信集団。


【アイテム】

収納道具箱(アイテムボックス)

 大きさが同じまでではいれさえすれば()れた物を小さく圧縮される錬金術で作り出した携帯用具。圧縮された物は傷付いたり、壊れたりする(こと)もなく、出せば元の大きさに戻れる(こと)も出来る。(かばん)型から様々なサイズ、形の種類が作られている。


◎クォーツ

 エレメントが集まって結晶化した物。元がエレメントだけに色事(いろごと)に属性の種類も同数に存在する。ディアボロスを倒すと身体の構築に使われたエレメントがクォーツにもなる。加工すれば元となったエレメントの属性にって初級(ぐらい)願唱理術(がんしょうりじゅつ)の自然現象発生が起きる為、共和国領では金銭代わりに使われ、理力(りりょく)不足による疲労の防止や使えない属性のある理術(りじゅつ)使い達にとっても生活に役に立っている。帝国でもクォーツの持つエネルギーを利用して生活家電の動力や機械兵器の転用に使われている。


転移門の鍵(ゲート・キー)

 古代文明のアイテムでこれを握りながら行きたい場所にイメージすればその近くにある転移門(ゲート)まで転移する(こと)が出来る。


◎魔導書

 ある闇の組織が作り出した、ディアボロスを一体封じ込める(こと)で例え理術(りじゅつ)が使えない人間でも封じたディアボロスが持つ能力を操る(こと)が出来る書物。


理導(りどう)兵器

 帝国が生み出した兵器で銃やチェーンソー、戦車(など)、クォーツを動力源、(ある)いは弾の代わりに撃ち出す(こと)が出来る機械兵器。


【その他】

紅黒(こうこく)の魔獣

 本作の副主人公リゼルの(ふた)つ名で二年前、帝都内で暴れまくり、傷害と破壊の限りを尽くした悪名として世界中に知られている。彼の人間ではない異能力から“少年の皮を(かぶ)った化物”、“悪魔に魂を売ったイカれた殺人鬼”、“悪の組織が生み出した怪物”、“幼稚園児にも劣るクソったれの化物”、“宇宙人”(など)(うわさ)と共に様々な呼び名も付けられている。


◎白き聖女

 かつて“紅黒(こうこく)の魔獣”リゼルと戦い、命と(ひきか)えに彼を封印した聖女。だが、聖女と呼ばれているが精霊教会が認めた正式な聖女ではなく彼女の正体は、過去に実際していたある聖女と同じ能力を持っていたらしいが関係は不明で身体も戦いの後に何処(どこ)へ消えた(ため)、身元が不明で精霊教会でも彼女の正体は未だに不明のままである。

今回は「聖天魔物語」に登場した専用用語のキーワードを詳しくまとめて書きました。エンジェロスとディアボロス、霊装についてはこの次の時、用語解説集(2)に詳しく解説するします。

と言う訳で次回から第2章、プロローグから始まります。

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