表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/102

その⑩

 オレの方にぐっと体重を掛けてきて、その豊満な胸をオレの腕に押し付けてくる。

 そのやわい感触に、オレの身体が沸騰したように熱くなった。


「な、な、な、なにを…」

「あは、可愛い。顔が真っ赤…」


 遥さんの冷たい手が、オレの紅潮した頬に触れた。

 いや! だめだ! 理性を保て!


「あの人、優しいんだけど…、優しすぎて、刺激が足りないのよ」


 オレの首筋を指が撫でて、ゆっくりと胸の辺りに降りてくる。


「君みたいな若い子…、久しぶりに見たから、ちょっと、どきどきしちゃって…」

「あ、あは、ははは」



 遥さんの目はとろんととろけていた。


 オレは舌を噛み、その痛みで理性を保つと、遥さんの手をやんわりと離した。


「すみません、あなたには明憲さんがいますから…」

「あの人はまだ帰って来ないわよ。もちろん、君のお姉さんもね」


 お姉さん…、天野さんのことか。


「さっき見たけど、まだアトリエで絵を描いていたから」

「でも…」

「年上の女性が、こんなに頑張って誘っているのよ? 私の鼻をくじかないでよ」

「ひいっ!」


 耳元の息を吹きかけられて、オレは縮みあがった。

 その隙を突いて、遥さんはオレの肩を掴むと、勢いよくベッドに押し倒した。


「ね? いいでしょ?」


 キスをするんじゃないかっていうくらい、遥さんは顔をオレに近づけてきた。



 あああああ! 助けて! 天野さん! オレ童貞卒業したいけど、さすがに人の女性には手を出したくないよぉ! 



「ね…」 


 遥さんの唇が迫る。


 ああああああ! もう終わりだあ!


 オレが諦めて目を閉じた、その時。






















「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ