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俺様は優しい!カリーナは良い女だった。そんな17歳の思い出。

世間は厳しい。

 俺は、閻魔大王に会うため川を渡った。すると一人の男がいる部屋に着いた。周りに真っ赤な不気味生物までいる。


 こいつが閻魔大王か?


「なぜ死神がここにいる!我宋帝王(そうていおう)に何用だ。」

 偉そうに白髭のおっさんが、奴隷1号に話している。宋帝王だと?そんなマイナーな王なんて知るか!ルビがなさったら読めんわ!スマホの変換でも出ない奴め!


「無駄な話しなんていらん。閻魔大王は、どこだ?」


「ほう?そなたは、京極悪斗だな。そなたが来るのを地獄全土が楽しみにしていたぞ。」

 宋帝王は、白髭をいじりながら話している。


「ほう?俺の名前は、地獄にまで届いていたのか。」

 俺は思わず笑みを浮かべる。嬉しいじゃないか。きっと地獄送りにした人が多いからだろうな。世界中の悪人を成敗したからな。



「そなたなら、文句なしの地獄行きじゃ。そこの道を進みなさい。」

 真っ赤な不気味生物が道を指さす。ムカつく顔しやがって。


 俺は奴隷1号と子供達を連れて進んでいく。宋帝王は、子供達を止めようとしたが、こいつには任せられないので宋帝王をぶん殴り気絶させて、連れてきた。


 道を進むと五官王とか呼ばれている奴がいたが、無視して道を進もうとしたが、ごちゃごちゃと、止めよとしたので、蹴り飛ばしたら動かなくなった。


 道を進むと険しい顔をした、5メートルはある赤い服を着た男がいた。テーブルの書類とにらめっこしている。


「お前が閻魔大王か。」


「いかにも、私が閻魔王だ。」


 大王じゃないんだ。閻魔王か。どっちも正解だな。個人の呼び方だろう。どっかの北斗さんは閻王って呼ばれてたし。


「お前がこの子達に苦行をさせた元凶か!」

 閻魔大王に問う。


「それは、昔からの習わしなのだ。私は関係ない。」

 閻魔大王は、首を振って否定する。


 全く法律をつくる奴が、もう何千年も同じ事をやってるから、若い子供が苦しい思いをするんだよ。年金受給の年齢もガンガン上がるし、どうなってんだよ!


「うるせぇ!お前が一番有名なんだから前に出て改革しろや!ほれ、土下座でもして子供達に謝れや!」


「それは、悪かった。だがお主、京極悪斗程の極悪非道な事はしていないぞ。」

 閻魔大王は、目の前にある巨大な鏡に映像を写しだす。


「おいごら?てめぇ何俺様に煽り運転かましてんだ。あ?」

 俺が轢き殺される前だな。

 運転席のドアは、ベコベコに凹み、地面にもがれている。


「なかなか降りて来ないから、ドアを蹴ったり、ドアを引きちぎっただけだぞ。煽って来たこいつが悪い。」

 俺は優しいからな。世間の怖さを教えようとしただけだ。


「ヤクザだと思わなかったんだ!京極悪斗だと分かったらこんな事してないです!」

 運転手の男が叫ぶ。見た目は、年収1000万越えて、金を持って調子に乗った外資系の男の様な、弱者にマウント取る様なゴミだ。ツーブロックなのに、髪の毛が後退している醜男だ。


 京極悪斗の名前は、世界中の大企業の社長から世界の辺鄙な民族まで名前を知っている有名人だ。

【反抗するな、従順になれ、そうすれば善人の顔が見れる】

 この言葉を知らない人間は、世界にいない。

 世界史の授業で習ったよね?


「ヤクザじゃなかったらいいのか!足で運転して、両親を轢き殺された子供達に同じ事が言えるのか!」

 一時期ニュースになった高速道路の煽り運転もあった。ニュースを見て俺はそいつの家に、子分100人連れて説教しに行ったものだ。翌日、海に車と溺死体が浮いていたけど知らね。


「いや〜こんな煽り運転をする悪人の様を見せてどうするのかな?」

 映像は、今俺が運転手をボロボロに殴っている。あっ!俺が轢かれた。


「どうじゃお前の暴行する現場じゃ。」

 閻魔大王が言い放つ。


 このボケが。俺は被害者だろうが。

 イラッときたので、閻魔大王の頭を鎌で一振りする。


「おおい!何をする。」

 閻魔大王の髪が真横に切れた。


「お前がふざけた事をしてるからだろ。」

 俺はイライラしてきた。キレていいかな。


「極悪人め。これはどうだ!」

 鏡には、監禁された二十歳程のソバージュ髪の豊満な女性が泣き叫んでいる。


「おっ!懐かしいな。中東のマフィアに捕まっていたカリーナじゃないか。薬物依存が酷かったから、一ヶ月ほど一緒に生活したな〜」


 17歳の頃に中東旅行に行ったら、【ジュルドル】ってマフィアに襲われて、イラッとしたから【ジュルドル】を潰した時に捕まっていた薬物依存のカリーナだ。支離滅裂でなにいってるか分からなかったが、一週間もすればおとなしくなった。毎晩同じベッドで運動した仲だ。ベッドでは、昼間の騒ぎが嘘の様に静かな女性だった。帰る頃には、違う快楽依存になっていたが、良い思い出だな。


「カリーナは、薬物依存から立ち直った素晴らしい女性だ。それを覗き見とはとんだ変態だなお前は!」

 きっと閻魔大王は、俺とカリーナの運動を見ているに違いない。ヤバい癖の持ち主だろうな。


「私は見ていない!いやそんな事が言いたいのではないのだ!」


 何が言いたいんだ?


「こいつにしたことは、忘れたとは言わせんぞ!」

 鏡がある学校を写している。


「ヨウ!悪斗!」

 イギリス産まれの白人留学生。名前は、ボブ。さらさらの金髪をなびかせるイケメンだ。だがこいつは極悪人だった。当日16歳のボブは、身長が190センチを越える巨体で、同級生より頭2つ分デカかった。


「やぁボブ。調子が良さそうじゃないか。」

 俺はボブと仲が良かった訳ではないが、誰もボブと会話をしたがらないのだ。


「聞いてくれよ。昨日便所に座って気張っていたら、聞こえたんだよ。ボブって名前なら黒人じゃねぇのかよ!ってね。日本人は、ボブって名前だと黒人と決めつけるのさ。とんだ人種差別だよね。お前らだって黄色い肌の猿のくせにさ!はっはっは!ムカついたから、ぶん殴って病院送りにしてやったよ。」

 ボブは、人に人種差別とか言っているが、白人至上主義の偏見野郎だ。


 ボブの名前で、黒人と思われるのが病的に嫌いな白人だ。


 街中でも黒人と喧嘩するろくでなしだが、遂に学生にまで手を出しやがったのか。もうダメだな。


 翌日、ボブはとある廃工場で、真っ黒な焼死体で発見された。遺書には、【来世では、平等に生きます。】と書かれていた。


「閻魔大王よ。お前は、極悪人を見せて何が言いたいんだ。」

 俺には何がなんだかわからない。善良の市民たる、京極悪斗には理解出来ない。

 俺はイライラが抑えてきれずに、閻魔大王を土下座させ、背中に座り、頭を踏みつけて聞いている。


「今!この状況でも分からんのか!」

 閻魔大王が何か言ってるが知らん。


「お前が極悪人だと言いたいんだ!馬鹿者が!」

 閻魔大王が叫ぶ。


 何?俺が極悪人だと?

 煽り運転野郎を庇って死んだ俺がか?

 薬物依存のカリーナを、違う快楽に目覚めさせて、薬物から絶たせた俺が?

 白人以外を殺戮する狂人、黒人じゃないボブの恐怖から救った俺がか?


「俺は、世間の得になることしかしていないだろ!子供達を苦しめるゴミ閻魔よりは1000倍善人だ!死神だって俺の味方だよな!」


 奴隷1号を見ると、首を横に振ろうとしていたが、俺の輝く笑顔を見たら全力で縦に首を振っている。

 ヘドバンは、やめなさい。首が痛くなるよ。


「うるせぇ!ここは地獄なんだよ!お前に決定権なんて無いんだよ!」

 閻魔大王が飛び起き、俺を背中から振り落とす。閻魔大王は、テーブルから、2メートルは、ある鉄の棒を取り出した。


 なんだあれは?


「この釘抜きでぶっ殺してやる!」

 閻魔大王がブンブンと鉄の棒を振り回す。



 え?閻魔大王とバトルですか。






遂に閻魔大王登場!


最終話は、11月15日7時に投稿します。

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