ギルド 前編
また遅れました、すみません。
「最後にこの道をまっすぐ行った突き当たりにギルドが……あちらです」
……かなり大きなギルドだな。心做しか彼女の顔も誇らしげだ。
「御二方なら大丈夫だと思いますが、私の所のギルドには入団テストがあるんですよね」
「私の方からテストの件を伝えておきますから、お名前を教えて頂けませんか?」
「ジュン・エウクレイ、こっちは使い魔のガロアだ」
「ジュンさんにガロアさんですね、ギルド入ってすぐの受付に言えば受けられると思うので、頑張ってください!」
「ああ、こちらこそありがとう、ギルドに入れるよう頑張るよ」
「はいっ!それでは」
そう言うと彼女はパタパタとギルドの中に入ってゆく。随分と元気な子だな。
「ご主人、ぼく達も行こうか」
それから我々も後を追うように、ギルドの中へと進んでいった。
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「凄いことになってるね……ご主人」
「ああ、凄いな」
普段は冷静なガロアが珍しく吃驚している。
尋常じゃないほど広い部屋、そしてのこにも賑やかな人人人。ここから人類が生産されていてカントールの街に流されている、と言われてもうっかり信じてしまいそうな程だ。
辺りを見回し、受付らしき人を見つけて、そちらへと進んでゆく。
「ここの入団テストを受けたいのだが、大丈夫か?」
「お名前をお伺いしても宜しいですか?」
「ジュン・エウクレイと申します、もう一人は使い魔のガロアです」
「ジュン・エウクレイ……はい、つい先程このギルドに推薦されていますね」
「大丈夫です、それではこちらへとお進み下さい」
にこやかな笑顔を崩さない受付の女性に誘導されて通路の中を通る。
長い通路を抜けるとまた大きな部屋、しかし先程とはうってかわって的や人形などが置いてあったり、数十人ほどが見ていたり、テストが始まるという事を実感させられる。
「さて、私は受付に加えて入団テストの大部分も担当しているグレース・ホープと申します、以後お見知り置きを」
「改めて、ジュン・エウクレイです」
「ガロアだよ、よろしく」
「さて、テストはステータスの確認とスキルのチェックですね」
「ジュンさんが合格すれば使い魔であるガロアさんも自動的に所属することになりますので、大丈夫ですよ」
「そうかい?ならぼくは適当に座って眺めている事にするよ」
「さて、それではステータスを開いてください」
手の甲を擦ってステータスを出す。さっきの不審者の時、妙に体が軽かったから多少はステータスも上がっているとは思うのだが……。
【ステータス】
ジュン・エウクレイ Lv.1
HP 10↑10
MP 7↑10
ATK 11↑11
DEF 9↑10
INT 8↑11
MND 12↑10
AGL 6↑13
(便宜上、クヌースの矢印表記で表している)
【スキル】
エクサマジック Lv.最大
格闘術最上級Lv.最大
LvUP時ステータス上昇幅増加
etc……
EXP 5
次のレベルまであと 3
周りも俺も彼女も唖然としてる中、一人ガロアはこの事態を予測していたかのように笑っている。
「クヌースって誰なんですか一体……」
「俺にもさっぱり……」
「まあいいです、ステータスが分からなくてもダメージ量で計りますから」
「さあ、そこの線の前に立ってください」