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かくかくしかじーか

「まあ……そうだな、要はクーデターに遭ったんだ」


「クーデターか……と言うと戦士ちゃん魔女ちゃん僧侶ちゃんに、かい?」


「それプラス多数の魔物で、ボコボコにされたって話な」

「それにここの顔の傷とか……」


おかしい、さっきまではあれ程痛かった大きな傷が跡形もなく消え去っている。

もしや、と思って身体の方も触ってみる。無傷だ。


「ああ、それね、ひどい傷だったから治しておいたよ」


驚いた、うちの使い魔はここまで出来るようになっていたのか。


「きみがその傷を気に入っているんだったら戻してもいいけどどうする?」


「いや、大丈夫だ」

「何から何までありがとうな、ガロア」


「問題ない、だって君はぼくのすべてだからなっ!出来ることなら何でもするさ!」


「……えへへ」


ガロアは頬を赤らめて尻尾をパタパタと振っている。その姿が昔と重なり、改めて還って来たという事を実感させる。昔はよく撫でてたっけな。


「……ご主人!?」


「あ、嫌だったか?ならやめるが……」


「そんな事ないさ!これはぼくにとって願ってもない僥倖なんだ!もっと撫でてくれ!」


ふんすふんすとなでなでをせがんでくる。

姿が変わってもコイツは変わらない、それが今の俺にとっては唯一の心の支えだ。


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ナデナデ欲求も収まって、幾分か後、ガロアが口を開く。


「なあ君、アイツらについて何か思ったりしてないかい?」


「当然、許せないって気持ちだな」


「だよね……ねぇご主人、提案なんだけどさ」

「そいつら、シメにいかない?」


「復讐って事か」


「そういう事に、なるね」


以前の俺ならしょうもない正義感を振りかざして『復讐は何も産まない!』と言っていたであろう。


「そうだな……」


でも、実際自分がその立場に回る。

辛い、苦しい、悲しい、許せない、負の感情に脚を取られて深く沈み込む。

復讐は悪い事ではない、俺がこの感情を断ち切るのに必要だ。


「アリだ」


何があっても人は前に進まなくてはいけないんだ。


「よしきた!」

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