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邂逅

「ふぅ…処置は終わらせたから後は目覚めるのを待つのみ、かな」


「それにしても誰がご主人をあんな目に合わせたのか、気になるねぇ…」


「必ずぼくが探し出して始末しなきゃね…」


----------------------------------------


眩しいし、暖かい、風の音も聞こえる。

どうやら俺はまだ生きているようだ。


目を開けて周囲の状況を確認する。

真っ先に目に入ってきたのは、長い黒髪で少しタレ目気味な、紫色の瞳をした美少女だった。


「おはよう、ご主人」


微笑みながら彼女は話しかけてくる。味方なのだろうか。


「君のような子にご主人と呼ばれる心当たりはないんだが…」


「そうかな?もっと深く考えてみなよ、心当たりはきっとあるはずだ」


心当たりと言われても思いつかない。ご主人と呼ばれるとしたら、昔俺を庇って死んでしまった使い魔ぐらい……いや、まさかな…。


「君、名前は?」


「ガロア、ご主人が付けてくれた名前だね」


ガロア…確かにその使い魔の名前と同じだし、俺が付けた名だが……仮に本物だとしたら何故生きているんだ…?


「おや?信じかけてきてるようだね」


「ならもう一押し、君のために『生き返った原因』を簡単に教えようじゃないか」


自分が死んだ事を認識している……?

まさか、まさか本当に奴だって言うのか?


「僕が死神デザイアに倒されて、天界に行って修行したら、生と死の境目を容易に乗り越えられるほど強くなっちゃいましたーって感じだね」


「……わかった、ツッコミどころ満載なのはこの際どうでもいい」


「おおっ!ご主人ついに分かってくれたのかい!?」


「ああ、お前は俺の死んだはずの使い魔『ガロア』なんだろ?」


「正解正解大正解!さっすがぼくのご主人!理解が早いね!よしよし褒めてあげよう」


ガロアは僕を抱き寄せ、頭をわしゃわしゃと撫でてくる。正直この年だと恥ずかしいからやめて欲しい。あと柔らかいしいいにほひ。


「だが、俺の知ってるガロアはもう少し小さな、ワーウルフみたいな感じだったんだが……それについてはどう説明するんだ?」


「んーっとねぇ、強くなるためと君の子を産むため、かな」

「魔力はたっぷりあるからこの程度は魔術で一瞬だよぉ…」


正直、頭が追いついてこない。味方に集団リンチを受けてからが急展開過ぎて追いついてこない。

まあでも、今は頼れるものがない。

藁にすら縋らなければ、ダメだろう。

あまりにも現実的ではないがこんな事もあると、自分を納得させよう。そうしよう。


「なるほどあいわかった、つまりお前はガロア…なんだな」


「そうだね、また君と逢う事が出来て本当に嬉しいよ」


「次は僕からの質問いいかな?」


「何だ?」


「ご主人ボロボロだったけど、何かあったの?」

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