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海の底を写したような深い藍色の空に瞬く星々は夏の図形を描いている。川もない一面の荒野に無数の蛍が淡く光り、揺れながらどこかを目指して飛んでいく。生ぬるい風が彼方へ連れて行くのは、異国語の歌。それは間違いなくルシオラの歌だった。
エアルの手記より。
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カヌスという国は山々に囲まれた内陸の土地で、川は流れているが海には面していない。古くから東の大国と西の連合国の争いの中心地として知られ、侵略され続けたせいもあり、国境線と国名は残っているが統治者は存在しない。国には人が住んでいるのだが、その多くは他の国を追われた訳ありの人間ばかりだ。皆、死に場所を求めてやってくる。数年おきに起きる戦や蔓延する感染症、飢餓、獰猛な獣の餌、毒虫による死など、死に方は選べるほどある。
俺はそんなカヌスという、国と呼ぶには何もないこの場所で、煙草屋を経営するただの男だ。
ここは国の南部にある比較的低い山間の村で、村人の殆どが薬草を育てて薬を他国へ売って生活をしている。家は代々煙草屋で、親族は煙草の農園を持っている。家の煙草は「花煙草」と呼ばれ、秘伝の方法で香りを残しながら花を乾燥させ、葉や紙で巻く。火をつけると芳醇な花の香りが立ち上り、香水の代わりとしても使われる。香り以外に特筆すべき効能はなく、人がその煙を吸い込んでも悪影響はないし、良い影響もない、ただの嗜好品だ。東の大国では有名な高級煙草として扱われているが、西側の国々では知名度が低く、売れ行きはそこそこだ。ここ最近は、戦が始まるようで集まった西側の僧兵たちが珍しがって、よく売れたところだ。焦がすような真夏の日差しの中、彼らは重たい甲冑によって蒸された体から発せられる汗臭い匂いを花煙草で誤魔化すらしい。
「トキト、こんなに暑いのにずいぶん機嫌が良さそうじゃないか。何かいいことでもあったのかい?」
呼ばれて振り向くと、口を曲げた背の低い老婆が鋭い眼光でこっちを見ていた。
「何にもないね、いいことなんて」
老婆はこの村の村長で拍子様と呼ばれる、一番の年長者だ。昔から俺はこの拍子様が苦手た。
「兵士たちのおかげでずいぶん懐が暖かいんだってね?」
「関係ねえだろうが。ババア」
「相変わらず口の悪い子だよ。四十半ばにもなろうってのに」
呆れたといわんばかりに大袈裟にため息をついて、側に仕えている若い男を促して立ち去ろうとする。
「おい、何か言いたいことがあって俺を呼び止めたんじゃないのか?」
「……」
老婆は聞こえないふりをしながら振り向くこともせず、無言で村の外へ続く道を進んでいく。側付きの男が小走りにこっちへ戻ってくると、小声でこう伝えた。
「王国兵が壁を越えて侵攻してきました。グッタの僧兵が迎え撃ち、これに勝利しましたが大量の死傷者が出たようなんです。トキトさんも手伝ってください」
「悪いがもう、歌は歌わない」
「トキトさんお願いします。人手不足なんです」
側付きが隣にいないことに気づいた老婆は、振り返って男を怒鳴るように呼びつける。
「歌えないルシオラなど死者には必要ないんだ。そんな奴に頭を下げるもんじゃないよ。早く来なさい」
二人は片手に刃物を持って東に向かって歩いて行った。俺たちはルシオラと呼ばれる種族の人間で、死者に歌を聞かせ、その体から魂を抜き出し体と魂を切り分けるという仕事を生業としている。
俺は歌を歌いたくない。魂を慰める歌はもう……。
この数日間、村の大人たちは戦死者の元へ通い続け、声を嗄らして帰ってくるを繰り返していた。村には数十人の怪我人が運び込まれて治療されていたが、ほとんどが帰らぬ人になっていった。通りを歩くと、どこからともなく死者を弔う定番の歌が聞こえてくる。物心ついた時にはすでに歌えるようになっていた歌で、ルシオラの子ども達は初めにこの歌を覚える。「シルシのレクイエム」という名の曲は、歌詞は古語で書かれているため、意味を理解して歌っているものは数少ない。
病院の隣に公園があり、大樹の根元に長椅子が置かれている。木陰の下の椅子には甲冑を纏った兵士が横たわり、その足元に十にもならない女の子が歌を歌っていた。女の子は額の汗をぬぐいながら歌っているが、横たわる兵士は冷え切って生気を感じられない様子だ。
無垢な歌声に呼ばれるように、兵士の体から発光する雫のようなものが体から抜け出てきた。それが魂だ。雫には無数の光の糸が伸びていて、体と繋がっている。
女の子は歌うのをやめて、大人を呼ぼうと駆けだすのかと思えば、なにをすることもなく汗をぬぐってじっと待つことにしたようだ。病院内からも何曲もの歌が聞こえてくるので、他の大人は忙しいのだろう。仕方がないので、暇している俺が手を貸してやることにした。成人するまで魂を切り離してはならぬという決まりがあり、あの女の子は刃物を持っていない。特別な刃物は必要なく、ただ切れればなんだってかまわない。ナイフでも包丁でも、ハサミでも斧でも問題ない。
「切ってやろうか?」
俺が木陰に入ると、女の子は少し怪訝な顔をしたが、素直に首を縦に振った。
金雫から伸びる無数の細い糸は体に魂を留めておく為の糸で、体が生命活動を停止すればおのずと切れる物なのだが、糸が切れるにはずいぶん時間がかかる。時間がかかれば魂が再び人に生まれかわることが困難になるといわれている。
俺は常にズボンのポケットに入れてある小型の黒いナイフを手に取ると、光る雫を繋ぎとめようとする糸を一気に切り離した。柵から解放されるように雫はぼわっと光を増して、ゆらゆらと揺れながら女の子の周りを漂い始める。切り離された魂は、魂を外へ導いた歌い手に寄り添うものだ。
「おじさん、ありがとう」
潤いのない声は疲れていて、女の子がこの兵士の魂を呼び出すのにずいぶん時間をかけたことが知れた。
「蒼い花の歌を歌ってやりな。きっとこの兵士も喜ぶから」
頷くと、女の子は楽しそうに「蒼い花の歌」を歌い始めた。それは志半ばで亡くなった若者へ贈る最上の歌で、戦が起きるとよく歌われる歌の一つだ。
魂を切り離された兵士はますます人形にように無機質に変わっていく。よく見ればまだ二十年も生きていない、若い青年だった。
「――……」
気付けば口が勝手に動いていて、女の子に合わせて歌を口ずさんでいる。歌わないと決意しても、結局歌ってしまう。これが性というものなんだろうか。どんなことが起ころうと、自分はルシオラであるという事は決して変えられぬと知り、大きなため息をついた。
「おじさん、歌が上手なのにどうして途中で止めちゃうの?」
こんな子どもに褒められても嬉しくない。
「この年になると、みんな上手になるもんだ」
「そうかな?私が聞いた中で一番上手だよ」
「そうかい」
「きっと、おじさんの歌は魂も喜んでくれるよ」
無垢な女の子に曇りのない瞳で真っすぐ見つめられても困る。娘程年の離れた子どもに諭されて現場復帰するなど、恥ずかしくてできるはずもない。
「俺が弔って喜ぶ奴なんかいるのかね」
「いるよ。私なら絶対に嬉しいよ」
「縁起でもないこと言うな」
俺が女の子頭を少し押すと、美しい鳥のさえずりのようにキラキラと笑った。そのすぐそばで雫の形をした魂が跳ねるように飛び回っている。
「さぁ、仕事も済んだんだ、大人を呼びに行っておいで」
「うん。おじさんも一緒に来て」
「いいや。おじさんは病院が苦手なんだ」
「わかった」
病院には会いたくない幼馴染が医師として働いているので、極力近づきたくない。
夏だろうと子どもの足取りは軽いままで、羽が生えたように病院の中へと駆けていくのだった。
ルシオラは死者に呼ばれる生き物だ。近くに迷える魂があるのならばそこへ駆けつけずにはいられず、祈るように歌わなければ気が済まない。人生でこんな衝動的に死者の元へ行きたいと思ったことは無かった。呼ばれるという表現は本当にその通りで、まるで手招かれるように、名を呼ばれるかのように魂の元へ引き寄せられるのだ。夜中にふらふらと何かに呼ばれたような気がして、趣くままにたどり着いたのが戦場後だった。
「あぁ、来てしまった」
日が昇る前の一番暗い時間帯に人が動く気配が感じられる。あらゆるところから歌が響いてきて、村の人間が戦死者の枕元で弔っているのが分かった。無数の光の粒が蠢きながら列になって進んでいく。その光の一つ一つが魂で、ルシオラが村に連れ帰ろうとしているのだ。
壁にもたれて腰を下ろし、空が明けていくのをゆっくり眺めていた。 カヌスの国には東西に分断する険しい山がある。この山はとんでもない規模の山脈で南の海岸から北のクジラ山脈にまでぶつかっていて中央山脈と呼ばれている。嘘か真かこの中央山脈は大昔に魔法で作られたと言われているが、いくらなんでもこの規模では嘘だろう。
山は人が登るにはあまりに険しく危険なので、西側を制圧したい王国は崖に穴を掘って西側に開通させようと考えた。しかし隧道が開通されては困ると、グッタは穴が開通される前に固い壁を数十か所も建てて防御壁を作った。この国にはそんな壁が至る所にある。
古くに建てられた壁は脆いようで、開いた壁から東の王国兵が侵攻し、西の大国であるグッタという国の僧兵が迎え撃ったのが今回の戦いだ。昔から因縁のある両国は数年おきに壁をぶち破っては戦っている。
いつもならもう少し北側で勃発するのに、今度ばかりは南下し俺の村の近くで派手に戦ったらしかった。この辺りでこれほど大規模な戦は珍しく、俺の人生で初めての経験でもあった。
「歌わないなら、さっさと家に帰りな」
人がせっかく大自然の絶景を楽しんでいるというのに、それを邪魔しようとする奴が現れた。いつものごとく嫌味っぽい言い方で、俺を子ども扱いするババアだ。
「拍子様こそ、年なんだから早く帰れよ」
「こっちだって老体に鞭打って歌ってんだ、帰られるものなら帰ってるさ」
「そんなに兵士たちの魂は出てこねえか」
「ああ、どの子もこの子も若くてね。歌っても出てこないわ、糸は固いわで、やるせなくなるよ」
「へえ。そうかい」
突然の死というのは体が生命活動を止めても、魂はまだそれに気づいていない。魂は未だ体に残れる状態にあるのだから、それを無理矢理に呼び出して切りはなすには骨が折れる。
日が昇り始め、空が白んでいくと、魂の光も少しぼやけて見えるようになってきた。そんな光の群れの中に、一つだけ煌々と輝く一番星のような光が視界に飛び込んできた。真っすぐに突き刺すような強い光で、炎の光でも星の光でもない。あんな澄んだ光を未だかつて見たことがない。
「拍子様、あの光は何だ?」
「どれどれ。……これは懐かしいものを見たよ」
ババアが目を丸くして口を開けて驚いている。
「懐かしいってどういう意味だ」
「あれはだね、祝福の光だ」
「はあ?」
一晩中歌いまわったせいか、年をとった両足はぎこちなく頼りなさげで、すぐにでも躓いてこけてしまいそうだ。村の長である拍子様を転ばせて寝たきりにする訳にはいかない。このババアにはもう少し生きていて貰わなければ困る人間も多いだろう。
「拍子様、どこへ行くんだ」
「あの光を保護するんだ」
「あんなの放っておけばいいだろう。祝福の光を持つ者には幸運のある人生が送れるって言うんだから、何とかなるだろう?」
「そんなのは遠い昔の話だ。今はあの光を巡ってどんな不幸が起こるか……」
「仕方ないな、俺が……」
俺が重い腰を上げ光を持つ人物を保護しに向かおうと腹をくくった時、村の方角から拍子付きの青年が駆け寄ってきた。その顔色は悪く、村で何か事件が起こったことは言うまでもない。
「拍子様!至急村へお戻りください」
青年は俺の姿を横目に、体を屈めてババアの耳元で何かを囁いた。内緒話を耳にしたとたん、衰えたつま先は進行方向を反転させ、村へと向かい始めた。
「トキト、お前さんあの光の持ち主を今すぐに保護しな」
「なんで俺が」
手伝う気にはなっていたが、改めて命令されると反抗してしまいたくなる。情けない話、思春期の餓鬼みたいで我ながら反吐が出る。
「つべこべ言わず、さっさと行きな!」
「はいはい」
思いっきり尻を叩かれたので、逃げるように光の方へと駆けていく。少し進んで振り返ると、ババアは弱い足取りで青年に支えられながら村へと急いでいた。遠くから見れば見るほど、あの人は歳をとったんだと感じられて、自分も少し走っただけで息が切れ、老けたんだと苦々しく再確認した。
祝福の光と呼ばれるその光は、魂の光よりも遥かに澄んでいて輝きに神聖さを感じさせる。その光はこちらに向かって近づいてきているのだが、右に左にフラフラと迷い蛇行しながら進んでくるのだ。戦場には大砲や松明などの残り火も多く点在していて、そこら中で煙が立ち上っている。そんな白煙を振り払いながら俺の目の前に現れたのは、砂色の髪の少女だった。年のころは二十歳前くらいで、手足が針金のように細く、風に遊ばれている長い髪の方に存在感があるくらいだ。
少女の手には祝福の光が入った古びたランタン。そのランタンを左右にぶんぶんと振り回し、何かを遠ざけようとしているように見えた。
「お、おい!」
「来ないで、嫌、近づかないで、怖い、放っておいて」
どうやら足元を気にしてランタンを振り回している。足元には事切れた兵士の亡骸しかないというのに何を振り払おうとしているのだろうか。
「ちょっと、そこの……」
もう一歩近づいて、声をかけてみるが俺の声が耳に届いていないらしい。死体の隙間をジグザグに進みながら、しまいには後ろを振り返って悲鳴を上げる始末。夜も明け始めて、王国兵が死体を回収するためにうろつき始めるので、このまま叫ばせておくわけにもいかない。後ろから接近し、悲鳴を上げる口を右手で抑え、左手でランタンを固定する。少女は目を見開いて驚き、ランタンを武器に俺を殴ろうとするが上手くいかず、とうとう塞いでいた右手を噛み千切ろうとし始めた。「痛い!」歯が刺さる激痛に手を離すと、少女は距離をとって俺を睨みつけてきた。
「何が目的ですか!お金ならありません」
「金には困ってない」
掌には綺麗に赤い点々が規則正しく並んでいる。血が出なくて良かった。
「なら、私のい、命ですか!」
「命をとる仕事はしていない」
「じゃあ、わ、私の体が目的?」
「いくら女でも子どもを襲う趣味はない」
よく喋る少女だと少し感心した。しかしこんな所で討論している場合ではないのだ。視界の端の方では甲冑を纏った兵士たちが動き始めているのが映っているし、「今のうちに。」と死者の持ち物を盗もうとする輩もウロウロしている。
「つべこべ言わず付いてこい」
ランタンを持つ手を掴み強引に引っ張っていこうとするが、少女は抵抗して腕を振りほどこうとする。
「お前な、ここがどこか分かってんのか!女がしかも子どもがほっつき歩いていい場所なんかじゃねえんだよ。近くに村があるからついて来いって言ってんだ」
「頼んでません。一人で何とかするのでいいんです」
いくら説得しても聞く耳を持ちそうにないので、ここは力尽くで行くしかないと行動を切り替えることにした。少女の腹部に肩を押し当てて持ち上げ、肩に担いでいこうという作戦だ。
「変態、放せ!下して」
足をじたばたさせ、手で力強く叩かれながら、俺は足早に村へと急いだ。拳で叩かれるくらいは肩叩きのようで我慢できるが、足で顔を蹴るのとランタンで背骨を殴るのは耐えられない。今すぐに投げ飛ばしてやりたくなったが、拍子様命令ということもあって必死に我慢している。
「ババア、一生恨んでやる」
家に着いた頃には顔は泥だらけで、首は鞭打ち状態。背中はランタンで殴られたせいでズキズキ痛むし、齧られた掌もよく見れば内出血を起こしている。最悪だ。
「おじさんの愛人とかには絶対になりませんから」
担がれた少女は元気そうで、家の玄関前に下した後もランタンをぶんぶん左右に振り回して威嚇している。
「だーかーらー。こっちだって趣味じゃねえって何度も言ってんだろうが!」
「じゃあ、奴隷にさせられるの?一生ただ働きなんて嫌です」
「あのな、」
「あ、分かった。売られるんですね。娼館とか鉱山とか人権も何もない劣悪な環境に売られるんですね」
被害妄想が甚だしい少女は、俺の言葉を一切聞こうとせず、信じようともしない。気が済むまで喋らせるしか方法はなさそうだ。俺は、自分の傷の手当をしながら少女が話疲れて声を停止させるまで待つことにした。
「幽霊たちが言ってた、ここには私の味方なんて存在しない。ランタンを売って、はたまた身を売って、髪とかもお金にして死に場所を探して生きていくしかないって。どうしてこんなことになるの?気づけば煙臭いし、周りには死体ばっかりだし、一晩中歩き回って、怖い火の玉の群れを見るし、変なおじさんに連れ去られるし、お先真っ暗。どうしよう。本当にどうしたらいい?ここがどこか分からないし、こんな手の傷も知らないし、どうしてあんな場所で目が覚めたかも分からない。私、誰なの?……」
俺は少女の発言に手を止めて、振り返った。
「あんた、今、何て言った?」
顔の泥を落としていた布を机に叩き置いて、再び少女に近づく。
「何って、なんですか?」
少女は怯えながら部屋の隅で体を縮めて小動物のように睨みつけている。
「全部だ。あんた、どっから来た」
「どこからって、たぶんここではない違う国から」
「アルスか?それともロス、マキナ、ケルウス」
少女は首を横に振って否定のしぐさをとる。それからあらゆる国名を言ってみたがどれも違うと言った。
「なら山脈の向こうから来たのか?」
「違うと思います。私もどうやってあんな場所に座っていたのか分からないんです。気が付いたら、大きな壁を背にして座っていました」
壁というのはおそらく、東西を分ける巨大な山脈に面して作られた土砂崩れ防止の壁の事だろう。
「あんたが生まれた国の名前は?」
「覚えていません」
「そんなはずは無いだろう。ここではない国で生まれたという事が分かっているのに、故郷の名を知らないはずがない」
「それは……」
少女は突然口を閉じてしまった。思いつめたように一気に顔色が曇り、自分の膝を抱きしめるように座って顔を膝とひざの間に埋めてしまう。俺が呼びかけても返事しなくなり、まるで置物のように動かなくなった。
変なものを拾ってしまった。これはもしかしたら厄介ごとかもしれない。そんな予感に気づいた時には後戻りできないところまで来ているものだ。