奴隷少年
短いです。
「さて、君がリオ君だね?」
「は、はい。そうなんですけど……………」
「ん?どうかしたのかい?」
「……………いや、何で黒子の被ってるんですか!?」
「こいつは、極度の恥ずかしがり屋なんだよ」
ジークフリートさんは、呆れたように言った。当の本人であるギルマスの顔は見えないが、恥ずかしがっているのが分かった。
「何か……………もう、いいです。」
「……………すまねぇな」
ジークフリートさんを見るに、付き合いが長いのだろう。もう、保護者と言われても疑わない。
「えと、それで僕に何の用ですか?」
「まず、今回の大暴走での活躍のお礼と謝罪だ。ありがとう。君のおかげで、この町は救われた。この町の代表としてお礼を言うよ。」
「いえ、お礼を言われることは何もしてないですよ。ただ……………あの少女を守りたかっただけですから。」
「それでもだよ。そして……………謝罪だ。本来ならば、Eランクの冒険者が大活躍をしたんだ。Bランクまで上げても良いのだが……………すまない。Cランクまでしか、上げることが出来なかった。」
そう言うと、ギルマスは頭を下げた。僕は、権力者であるギルマスが頭を下げたことに驚いた。
「サブマスの俺からも謝る。すまなかった。」
そう言って、頭を下げるジークフリートさん。サブマスター?それは、おかしい。ジークフリートさんは、戦っていたぞ?まさか、サブマスの職業って戦えるのか!?
「あの……………サブマスの職業でも戦えるんですか?」
「ん?お前、知らんのかい?職業ってのは努力とか称号で変わるんだぜ?てか、こいつなんて、元は村人だからな」
そう言って、ギルマスを指した。嘘だろ!?そうか。僕は、職業の概念に囚われていたのか。
「まぁ、それはいいとして。こんな大規模な大暴走の原因は?」
グランデが、話を変えた。すると、ギルマスは真剣な顔へ変わった。いや、見えないけど。雰囲気的に。
「それが……………分からないんだ。現在、調査中だよ。」
「そうですか。」
「あぁ。……………おっと、そろそろ時間だ。すまないが、仕事があるので失礼するよ。」
そう言うと、部屋から出ていった。
「あぁ、そうだ。お前に会いたいって奴がいるぜ」
ジークフリートさんが、言う。会いたい人?そんな、人いるの
だろうか?
「入ってきな」
ガチャリと音がして、金髪の少年が入ってきた。眉目秀麗で何というか……………イケメンすぎだろ!って感じだ。
「僕はライトって言います。妹を助けてくれてありがとうございました。」
その少年の首にも同じ首輪がついていた。そして、その眼には明らかな殺意が籠ってるのだが理緒は、気付かない。




