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青の大罪~最強の契約~  作者: 幽玄の奏者
第二章 才能開花編
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知らない天井

 気が付くと、僕はベットで寝かされていた。どうやら、あのまま気を失ってしまったようだ。いや、それよりもと天井を見る。そこは、見たことのない天井だった。言っていいよね?


「知らない天」

「理緒!」


 グランデに邪魔された!何てことだ。これは、僕が言いたい言葉ベスト10に入るのだ。


「良かった、目が覚めたのですね!?」

「いや、うん。それよりも、やり直させて?」

「え……………はい?」


 そう言うと僕はもう一度、起きたフリをする。そして、あの言葉を言おうとする。


「知らない天」

「おー!起きたのか、お前」

「邪魔すんなよ!?これは、神聖なる儀式なんだぞ!」

「お、おう。何か……………すまん。」


 入ってきたのは、赤毛の筋肉。本来ならお礼を言うべきなのかもしれない。しかし、神聖な儀式を邪魔されたのだ。仕方がない。うん。


「氷姫、お前疲れてんだろ?少し、寝たらどうだ?」

「別に問題ありません。というか、氷姫って呼ばないでください。」


 赤毛の筋肉の言葉に、冷ややかに言葉を返すグランデ。というか、グランデが疲れている?何でだ?そんな、僕の顔を見たのか赤毛の筋肉がいった。


「氷姫は寝ずに起きるのを待ってたんだぜ?お前が起きるまでな。」

「……………何日ぐらい寝てました?」

「二日だな。」


 その事に、僕は酷く罪悪感を覚えた。僕は、何て傲慢だったのだろうか。自分の事しか考えていなかった。グランデは、困ったように笑っていた。その目の下には、確かに隈ができていた。


「ありがとう、グランデ。そして、ごめん。」


 僕は、正直に謝った。グランデは、穏やかに笑うと、言った。


「大丈夫です。私は、何も出来ませんでしたから。それよりも、体は大丈夫ですか?」

「うん、何とかね。」

「そうですか。それなら、良かったです。」


 お互いに目を合わせて笑い合う。


「……………イチャイチャすんな!」

「してません」「してない」

「いやいやいやいや!あの、氷姫が笑う?あの、氷姫が心配?ありえないぐらいのレア度だぞ!?」


 矢継ぎ早に言う赤毛筋肉。ピキリとグランデの方で音がしたが、僕は何も知りません。急いで、布団を被る。


「我、全てを凍らせる悪鬼なり。血を滴らせ、戦場を歩く」

「ちょっと待ったあぁぁぁぁ!」

「幽鬼なり……………何ですか?」

「悪かった。いくらでも、謝る。だから、それだけはやめてください!」

「……………まぁ、いいでしょう。」


 Sランクの冒険者が必死で謝るって、どんな魔法をつかうつもりだったのだろうか?というか、グランデの職業ってなんだ?


「おっと、本題に入ろうか。えーと、そこのお前。」


 赤毛筋肉は、僕を指して何か考えているようだった。そういえば、自己紹介をしていなかった気がする。


「理緒って言います。えーと、」

「俺は、ジークフリートだ。」

「宜しくお願いします。」

「おう、宜しく。んじゃ、本題だ。リオ、お前にはこれからギルマスと会ってもらうぜ。」

「……………え」


一分前


 机に向かい、筆を延々動かし続ける。机に乗せらている書類は消えていく。ふと、筆が止まる。 


「Eランクの冒険者がオーガを倒したのか……………面白いね。ぜひ、会ってみたものだ。」


 不敵に笑うギルマスがいた。しかし、


「なーに、かっこつけてんだよ」


 ジークフリートが茶化す。ギルマスは、恥ずかしいのか机の下に潜ってしまう。


「相変わらずだな!……………まぁ、いい。呼んでくるぞ?」

「……………頼む」


 ジークフリートが部屋を出た音が響いた。



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