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青の大罪~最強の契約~  作者: 幽玄の奏者
第二章 才能開花編
28/44

才能

短いです。

 グランデは、僕の突然のお願いを聞いてくれた。 ちょうどいいということでクエストを受けてきた。対象はファングボアーという、大きな牙をもった猪だ。一見、強そうだがEランクのクエストだ。それほどの、強さでは無いのだろう。


 僕たちは、そのファングボアの生息している森へと来ていた。その森は、僕たちが歩いてきた森で、《動物の森》というらしい。飛び出してこないと良いけど。さて、ファングボアーだが案外直ぐに見つけられた。それもそのはず。普通の猪の二倍の体だった。牙もかなり立派で某ハンターゲームの大猪だ。ファングボアは、団体行動を一切しない。というか、出来ないらしい。知能が低すぎるのだとか。


「それでは、好きなように戦って下さい。」


 グランデは言う。現在、僕らは茂みの中に隠れている。先ずは、投げナイフだ。二本ほど左手の指に挟み、何時でも投げられるようにする。反対の右手には、ダガーを構える。さて、ファングボアー退治と行きますか。わざと、音を立てる。すると、ファングボアーは狙い通りこちらを向く。


「はっ!」


 ナイフを投げる。狙いは、ファングボアーの目だ。ファングボアーは、避けずに突っ込んできた。しかし、狙いよくナイフが刺さったため急に止まる。


「ブルルルル!」


 それでも、ファングボアーは突進を止めない。僕は、すぐさまダガーを逆手に持つ。そして、ファングボアーに向けて走り出す。丁度、ファングボアーの大きな牙が体に当たりそうになる頃。


「……………っ!」


 ファングボアーにすれすれの横を前転して回避する。その際に、ダガーで首の辺りを斬りつけておいた。前転の勢いのまま、立ち上がり体重を乗せて思いっきりダガーで背面打突バックスタブを行う。すると、ファングボアーは動かなくなる。


「ふぅー」

「お疲れ様です。」


 グランデが言う。僕自身の戦闘経験は一切ない。だから、【召喚】も封印している。いざとなったときに、戦えないのでは困るから。それにしても、良かった。上手く戦えていないのではないかと思ったが、グランデの対応からして及第点は越えたようだ。


 グランデは驚いていた。決して、それを表には出さなかったが。理緒の話では、理緒自身の戦闘は皆無といっても良いだろう。それに、理緒の場合は訓練の際に、素振りしか行っていない。素振りすら上手くできていなかったからだ。


 理緒には【武道の心得】があったようだが、【セトの加護】と同様に何故か消えたようだ。だからこそ、可笑しかった。


(考えられるのはただ一つ……………)

 

 理緒には、才能があった。戦闘の才能が。それにしても、可笑しい。戦闘のことではない。何故、スキルを使わないのだろうか。理緒に尋ねてみた。


「あー、職業のせいで【受託】以外では手に入らないらしい。ケツアルコアトルが言ってた。」

「そうなんですか……………」

 

その時だった。


「「「「「「「グギャァーー!!」」」」」」」


 凄まじい声が聞こえた。どこか、甲高い雑音のような声。それは、町の方からだった。何千を越えるであろうゴブリンがいた。 


大暴走スタンピード!?」


 グランデが驚いた。その時、一人の少女に目がいく。銀色の首輪をつけた少女で他の冒険者が逃げるのを援護……………一人で戦って時間を稼いでいた。


「……………奴隷ですね」


 グランデの顔は、怒りと悲しみに満ち溢れていた。少女は、まだ幼い。やがて、ゴブリンに襲われる。このままでは……………。助けなければ!しかし、理緒は考え直す。……………いや、駄目だ。僕は、弱い。大切な人を守ることで精一杯だ。助けるなんて……………


「理緒!」

「助けますよ」

「え?」


 グランデは、杖を構える。駄目だ。グランデを守らないと。だから、あの少女を助けてはいけない。しかし、時すでに遅し。グランデは、少女へと走り出していている。ならば、


「僕がグランデを」


 守るんだ。理緒は、走り出した。



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