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青の大罪~最強の契約~  作者: 幽玄の奏者
第一章 王都脱出編
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異世界へと

 徐々に意識が戻り、目を開けるとそこは、大きな部屋だった。周りを見渡すと、つい先程まで話していたクラスメイトの姿が確認できた。クラスメイトの皆は、ここは何処なのか?他のクラスメイトは?等と色々なことを話し合っていた。


 理緒は、クラスメイトから視線を外し、この部屋を見渡していた。この部屋には装飾が一切なく、白色の壁と白色の床でまるで研究室の様だ。大きさは結構大きく、軽く100人は入いりそうだ。少し、不気味だ。


「皆様、私は王宮筆頭魔術師のグランデと申します。」


 突然、鳴り響いた声に僕たちは驚いて腰を抜かしてしまった。天田君とかは立ってたけどね。


 そして、誰もが声の方向へと視線を向けた。そこには、白地に金色の刺繍が入ったローブの様なものを着ており、立派な杖を持った人がいた。フードで隠れていて顔は見えない。声からして女性だろう。彼女は、気が動転して質問ばかりする僕たちに順を追って説明しますと丁寧に対応してくれた。


 そういって始めた彼女の話はラノベで良く聞くテンプレでファンタジーな内容だった。つまりは『異世界召喚』ってやつだったんだ。


 この世界はアークと呼ばれていて、大きな一つの大陸に六つの国から成り立っている。ここは、王都と呼ばれている大陸の丁度、中央に位置する大きな国だ。そして、この世界には人族、亜人族、魔族という三つの種族が生息している。これは、大まかに分けられたもので、亜人族は銀狼種など細かく分類されるそうだ。亜人は所謂、魔物の特性を持っている人のことだ。魔物というのは、僕らで言う動物らしい。中には、ゲームなどで、お馴染みのやつもいる。そして、魔族。魔族というのは、かつて世界を混沌へと、導き世界を破滅へと、追い込んだ人類の敵である魔王の始祖の血を引いている人を指す。その人らは、『魔人』と呼ばれていて、絶大な魔力と戦闘能力を持っている。


 種族は、基本的には仲が良いのだが、魔人族だけは敵対関係にあるのだという。だからといって、戦争をしているわけではない。三百年前に和平条約が結ばれているからである。所謂、冷戦状態だ。だが、しかし最近になって魔族に魔王軍と呼ばれる存在ができたため現在、戦争状態にある。といっても、均衡しているためそう易々と責め込めないが。そして、その魔王軍を討伐するのが僕たちの役目らしい。まぁ、当たり前か。


 そこで、僕たちに問題が生じた。元の世界には帰ることは出来るのか?答えは、『YES』だった。しかし、それにも条件があり、およそ五年後でないと、魔法が使えないとのことだった。まさか、帰れるとは思っていなかった僕には驚きだった。あと、使ったのは魔道具と呼ばれるものでグランデさんの魔法じゃないそうだ。その、グランデさんに馬鹿みたいな質問をしている人もいた。趣味とか、好き人のタイプとか。少し、楽観視し過ぎじゃないだろうか?寧ろ、一周回って達観してるのかも。


 回りを見渡してみると、皆突然の出来事に困惑して疲れた表情をしていた。ライトノベルが好きで、いつもこんなのを想像している僕でも、流石に自分がこんな状況になっていると思うと精神的に疲れてきている。現実と妄想はやはり、違うのだ。となると、普通の人ならば、もっと精神的疲労があるのかもしれない。


 その事を悟ったのか、グランデは少し、困ったかのような声音で言った。


「とにかく今日は、お休み下さい。部屋まで、案内します。」


 その瞬間、扉からメイドと思われる人たちが何人も入ってきて、テキパキと一人一人を部屋へと案内していく。僕も、「こちらへ。」と言うメイドに黙って着いていてく。生メイドに、興奮するのも憚れるほどに疲労感があった。


 「こちらでございます。何かご用がありましたら、何なりとお申し付け下さい。」


 それだけ言うとメイドは出ていってしまった。僕が案内された部屋は、大理石でできていて、どこか聖堂の様な風囲気を感じさせる部屋だった。回りは、豪華な装飾がされていた。さすがは、王宮と言ったところだろうか?他の部屋も見てみたいけど……………。まぁ、無理か。


「これから、ここで五年……か。……あ、そういえば告白の返事忘れてたな……」


 どうしよう?等とこれからのことを色々と考えていたら睡魔が襲ってきた。


(もういいや、寝よう。また、後で考えれば大丈夫……)


 楽観視とも言える考えで諦める。そして僕は、ベットに横になる。すると、すぐに疲労感が体に押し寄せて来る。僕は、睡魔に抵抗することなく、吸い込まれていくように眠りについた。


 こうして、僕たちは高校にながら戦争といった非現実的な事に身を投じていくのだった。


 しかしこの時、『戦争』という恐ろしさを、被害を考えた者は誰一人としていなかった。この先に待ち受ける運命がとてつもなく酷い現実だと言うことを知らずに理緒たちは明日を迎えるのだった。

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