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青の大罪~最強の契約~  作者: 幽玄の奏者
第一章 王都脱出編
18/44

結末~隆希side~

短いです。

「それで?何なんだ一体。」


 今のテスカトリポカの発言。……力か。欲しいといえば欲しい。いらないといえばいらない。といったところだろうか。過度な力は身を滅ぼすからな。しかし、力を持たなければ出来ないこともある。


「お主の懸念は分かっておる。だが、身を滅ぼす前に回りの者が」

「黙れ!」

「ふむ。どうやら何か気に触ったようじゃな。何か苦い経験でもあるのかの?」


 テスカトリポカの笑い顔が心底イラつく。物凄く、うざい。だがテスカトリポカが言っていることは、図星だ。しかし、俺はそれを認めるわけにはいかない。いや、認めてはいけない。認めた瞬間今まで保ってきた全てが崩れてしまう気がするのだ。もし、そうなったら……………いや、やめよう。そうしないようにするのだ。


「…………」

「分かったのじゃ。今は、答えなくてよい。だが、考えておくのじゃな。このあと儂は、あの子に話をしたら一度天界へと戻る。しかし、後でまた戻ってこよう。その時に答えを聞かせておくれ」

「………………あぁ。」


 理緒は駆け寄る陽に笑顔を向けていた。あいつは、何一つ失うことなく守った。それだけの力があったのだ。


「…………クソッ!」


 俺は、その笑顔に無性に腹がたったのだ。いや、違う。そんなことを考えるみみっちい自分自身にだ。それに、だ。あいつは、その力が借り物だと理解している。いつか、それだけでは守りきれない物があることも知っているはずだ。だから、あいつはこの後、旅に出るだろう。そして、その先で何かしらの力を得るはずだ。俺も負けてはいられない。隆希は、本で見たある場所を思い浮かべていた。


 あそこなら、俺も力を得られるのかもしれない。それは、きっと険しく辛いだろう。だけど……………理緒には負けてらんねぇからな。


 その後、一件落着。訓練へと戻り、いつも通りに過ごす。あんなことがあったのにな。


 俺は、夕食を食べ寝るときに『力』について理緒を除く、親友に訊いてみた。俺が親友と呼べるのはたった一人しかいない。


「徳耶」

「おん?どしたー?」


 間抜けな顔をして、部屋に入ってきた俺を眺めている。こいつは、川田徳耶。中学生のある出来事(・・・・・)から、理緒との仲が悪くなった時期に出来た友達で、今では親友と呼べるほどの仲だ。そんなこいつは、《剣士》の職業に就いている。《剣士》というも、RPGではモブのような感じもする。しかし、俺は一度もこいつに勝てたことがない。竜を使役し出したら、互角か俺が僅差で勝つか……………といったぐらいに強い。本人は言わないが絶対に《剣士》ではないはずだ。閑話休題(話がそれた)。


「突然なんだが……………『力』って何だと思う?」

「何だ急に?2ちゃんねるにでも訊いてろよー」

「真面目に頼むわ」

「……………了解っと。んー、そうだな。まずは、俺の考えではない『力』を話そうか。一番最初は、wikiだな。wikiだと物事が変化する原因となるもの、その象徴。だったかな?」

「……………何で覚えてんだよ?」

「俺も考えたことあっからなー」


 あるんかい!突っ込みたくなる気持ちを抑えて、続きを促す。 


「んじゃ、俺の独自の考え。これは、さっきいった時期に出した答えだ。ありがたく聞けよー?」

「はいはい、ありがとうございますー」

「うっわ、感情が籠ってねぇなぁ!?えー、では話しましょう。……………緊張するな?」

「さっさっと話せよ!?」

「了解了解!えー、『力』とは、人それぞれである!」

「……………」

「……………」


 静寂が訪れる。俺は、徳耶に詰め寄っていた。


「おいぃぃぃ!?」

「ちょっ!ま、まっ、待てって!!」

「……………で?どういう意味なんだ?」

「うーん、例えばさ。君からもらった勇気を……とかあんだろ?勇気なんて人に貰うもんじゃねぇのにさ。それと同じさ。『力』の意味なんて自分自身で勝手につけちまえばいい。お前がそう思ったんなら『力』だ!……………ってことよ」

「成る程ねぇ……………ありがとよ!」


 隆希は、来るときとは違い曇りない眼で生き生きとしていた。自分の中で、答えを見付けたんだろう。徳耶と同じく勝手に(・・・・・・・・)意味を決めて。


「どいたま~」

「じゃあな!」


 そういって、隆希は部屋からでていく。と思ったら、突然に扉が開いた。


「お前、例えが下手くそだぞ!」

「さっさっと帰れ!!!!」


 一言余計な隆希だった。



 

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