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青の大罪~最強の契約~  作者: 幽玄の奏者
第一章 王都脱出編
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結末

 さっきまでの、苦労が嘘のようにパンドラは消え去った。一体どうやったのだろうか?それに何故、人型になっているのだろうか?アザゼルに聞いてみよう。


「パンドラの内側から空気を圧縮し爆発させました。人型については、これが元の体だとしか……」


 とのことだった。もう、よくわからない……………!


「ま、まぁ良いや。ありがとう、アザゼル。じゃあ、早速受……………」

「ちょっと待つのじゃ!」

「え?」

「まだ、受託はしないで待つのじゃ。これより、お主の力の一つを与えるのじゃ。というか、もう与えておる。」

「力の…………一つ?」


 そんなものは、聞いたことが無い。いや、ルシフェルが言わなかっただけかもしれないけど。僕は、青の力は受託だけだと思っていたがどうやら違うらしい。一度、アザゼルを消滅させる。最近気付いたのだが自由に出し入れというか、そんなことができるみたいだ。閑話休題。


「そうじゃ。じゃから、最初に試練だと言うただろう!?」

「あ~、確かにそんなこと言ってたかもなぁ~」

「言ってたかも、じゃなくて言ったんじゃ!……もう一つのお主の力、それは【進化】じゃ。」

 

 進化……。思い当たる節はアザゼルの事だ。セトのあれは契約だから進化では無いのだろう。しかし、進化か。これは、かなり強力なスキルと考えて良いだろう。


「まぁ、ステータスに書かれることはないがの!」

「理緒君!」


 奥から、陽が駆けてきた。どうやら、テスカトリポカが速く来すぎたようだった。陽は、側まで来て笑いかけてきた。同じように笑いかける。隆希は、歩いて来るが何故か暗い顔をしている。


「この様な力は他の契約者を倒し、試練を受けることで手に入れることが出来るのじゃ。では、消えるとしよう」


 そう言うと女王は、ふっと何かが取れたかのように倒れる。


「おっと……」


 近くまで来ていた隆希が支える。そのそばには、女王の娘……つまり姫までいる。姫は、女王の側まで行くと、泣き始めた。


「…………お母さんは生きてるよ」

「は、……い」


 確信は無かった。でも、恐らくそのはずだ。力を喪うのかもしれない。何か反動ペナルティがあるのかもしれない。この力についてはまだまだ、分からないことだらけだ。旅に出たらそれも探っていこう。


 音が無くなる。静寂が空間を支配していく。理緒はその空気に姫の泣く姿に耐えられなくなり、言葉を発した。


「……行こう」


 誰も何もかも言わなかった。ただ、無言で部屋を出るのだった。


 部屋の外には、一人の中年の男がいた。それは、きらびやかな服を着ている。まさに……………


「ありがとう。君たちのおかげで……一からやり直せる。」

「っ!貴方はもしかして…………」

「そうじゃ。儂はこの国の王である。妻のことはずっと前から気づいておった。娘は知らんがな。その上で、黙っていたことお詫びする。しかし、言ったところで何かが変わるわけじゃない。そう思ってたよ。だから、そなたらには感謝している。」

「い、え大丈夫です。それよりも、今は…………彼女たちの元へいってあげてください。」

「うむ、そうしよう。……また後で。」


 僕たちは、顔を見合わせる。『また』……………?


 そして、訓練所へと歩き出した。既に訓練所には、皆が集まっていた。朝食の時から約一時間くらいだろうか?まだ、訓練は始めていないようだった。


「遅いぞ!どこへ行っていたんだ!」


 その声は、天田君だった。しかし、本当の事を話すわけにはいかない。困っていたその時に言葉を発したのは陽だった。


「天田君!ごめんね?少し、調べものをしてたんだ」

「あ、あぁ!良いよ、大丈夫だ!強く当たってしまいすまない!」


 天田君は、陽の一言で笑顔になっていった。そのあとには、陽だけでなく僕らにも謝罪をするのだから偉いと思う。いや、それが普通だな。


 やりきった達成感から、ふ~と息をついて訓練所の後ろの方へと走る。わざわざ、後ろの方なのは察してほしい。

 そのあと、僕達は結局女王や姫、国王の事を考えながら訓練をするのだった。あの三人がこれからどうするのかが心配だったのだ。


(僕らに心配されても……………って感じだけどね)


 その三人を、怪しむ者が一人。影から鋭い目で三人を見つめていた。


「……………………り……!」


 それは、訓練をしている人物だということは、誰も知らない。




 

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