完成する作戦
「「………………」」
僕が全てを話し終わった後、二人はしばらく口を開けたまま動かなかった。まぁ、それもそうだろう。いかに、異世界だからといっても、流石に時間の巻き戻り?とか信じられないよな。陽が動いたと思って陽を見ると目から涙があふれでていた。陽は、一度死んでいる。その話をしたから怖くなってしまったのかもしれない。そんなことを、予想していると隆希が言った。
「……多分だが、お前が考えている事は外れているぞ?」
僕の考えていることが違う?……ならば、何故泣いているのだろうか?不思議に思っていると、陽が涙を手で拭って、笑みを浮かべながら言った。
「良かった……。私は、理緒君を守れたんだ……。」
僕は、そんなことを笑顔で言われてふと、思い出した。
(そう言えば、異世界に来る前に告白されたんだったけか?……今、思えば何でこんな僕を好きになったんだろうか?)
色々と陽について考えていたらふと、言葉にしてしまった。
「次は、僕が守る番だね……」
そう言うと、陽は嬉しそうに笑みを浮かべ、隆希はニヤニヤと笑っていた。言ってから気付いたのだが、僕はこんなキャラじゃないし、かっこをつけすぎている。僕は、その事に気づき顔が赤くなる。陽がニコニコとこちらを見てくるので、顔を背けたら隆希が笑いをこらえていた。僕は、その姿に心底ムカついたのでケツアルコアトルを召喚して、そのくちばしでつつかせた。
「ちょっ!!おまっ、おいっ!ごめん!俺が悪かったから!………………おい!いい加減にしろ!」
途中でやめてくれと懇願してきたのだが、無視をしてみたら本気で怒られた。何故だ!
「………はぁ~。んで、こいつがお前の力で呼び出したやつなのか?」
「ああ、一応神様だよ」
隆希が確認とばかりに聞いてくるので神様ということをやや強調して伝えてみた。
「……マジかよ。そんな風には、見えないけどな?………………!?」
いつも通りのテンションでニヤニヤとケツアルコアトルを馬鹿にしたのでケツアルコアトルが怒ってしまいまたつつかれていた。そんな無様な姿を見て、僕と陽は顔を見合わせて笑った。
その姿をしばらく見て笑い合った後、話をするためにケツアルコアトルを戻す。
「………………ったく!もう少し早く助けろよな………。んで、どうすんだ?この作戦のまんまだと、俺たちの拠点と言えるような場所は無くなるぜ?」
「ああ、問題はそこなんだよな。なんか、いい案はないかな?」
そうなのだ。このままだと、色々と問題点がある。僕は、この作戦の終了後旅に出ようと思っているのであまり関係がないのだが陽と隆希の事を考えるとそうもいかない。ああ、勿論他の奴らはどうでもいいのだが。因みに、陽と隆希は俺がここから出ていくことは知らない。
「あ!じゃあ、女王様に協力してもらうのはどう?確か、女王様は関わってないんでしょ?
「「それだ!」」
陽のアイデアに僕と隆希は、口を揃えて同意する。
「あっ、でもケツアルコアトルによると明日の昼にやるのが一番良いらしいんだよな……………」
「となると、女王様の説得……は無理かな」
このアイデアがダメだと、他に出来ることはなくなる。実質、詰みだ。コンコン。そんな、困っている時に都合の良いようにドアのノック音が部屋に響き渡る。俺は、警戒しながらドアを開ける。すると、そこにはさっきの話に出てきた女王がいた。女王は、国王とは違い物腰が柔らかくて艶のある茶髪が特徴的でとても若く見える。事実、初対面の人はこの国の姫だと勘違いするほどである。そんな人がこんなとこに何の用だろうか?やはり、あの話が関係しているのだろうか。すると、女王様がゆっくりと言葉を発する。
「その話、混ぜてもらっても良いでしょうか?」
唐突に告げられたその言葉に、僕たちは驚いてしまった。ここで話をするわけにもいかないので僕の部屋の中に招き入れる。
「貴方達の作戦をそのまま決行してください。事後処理は全て私が承ります。」
女王様は、この作戦について賛成のようだった。僕は、何か裏があるのでは?と疑いその真意を聞いてみた。すると、
「あの、馬鹿どもにはこの方法でしか通じないので」
との返答が返ってきた。言葉の最中に、般若が後ろにいたことに関しては、秘密にしておこう。この事に関しては、本気なのを感じたので大丈夫だろう。それと、もう一つ。この事を何処で知ったのかを聞いてみた。すると、笑顔で答えてくれた。
「秘密です」
つまりは、教えたくないと言うことだこれ以上は、藪蛇なので、やめておいた。僕らは、そのあとも少しだけ話し合い解散した。
僕は、一人になった後ケツアルコアトルを【受託】する。
(よし、このままいけば……)
僕は、ベッドはと入り明日の事を考えながら眠りについた。
ーーそして、朝が来た。ーー
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