プロローグ
自分の書きたいものを書いていくつもりです。行き当たりばったりなので、不定期連載となります。
異世界転移。最近では、Web小説などで耳にすることが多くなってきた。しかし、現実では、そんなファンタジーなことは、起こるはずもない。そんなことは、わかっていても異世界というものに憧れてしまう。
僕の名前は、望月理緒。僕は、自他ともに認める生粋のオタクである。だからなのだろう。自分が今それを経験していると分かると胸が踊ってしまう。僕は自分が異世界へ来た時を思い出していた。
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金曜日の朝。僕は、いつものように教室で小説を読んでいた。勿論、この小説はライトノベルである。今、教室には僕と一人の少女しか居ない。普通ならば、ここでドキドキしたり、喜んだりするだろう。しかし、今この教室にいるのは2次元を愛し、2次元に愛され……………てはいなけど、愛しているオタクである。よって、そんなことは起こりもしない。
そのはずなのだが、相手が相手なだけにオタクである理緒も緊張していた。もう一人の少女というのは、巡音 陽。学校のマドンナと言われており、肩甲骨まで垂れ下がっている黒髪はとても艶やかで、目はとても優しげ、鼻筋はすっと通っている。容姿端麗、品行方正の美少女である。彼女には、オタクである理緒ですら恋心を抱いたこともあった。それに、僕の席は一番左の窓側でその隣が巡音さんだったのだ。意識しないというのは、流石に無理があった。
「ねぇ、望月君。」
「……あ!え、何?」
話かけられたので、驚いてしまった。それもそうだろう。なんせ、自分はオタクということだけでクラスの人から敬遠されているのだから。学校で話すのは、何か月ぶりだろうか。というより、何でマドンナである彼女が自分に話しかけるのかが良くわからなかった。いや、この教室に二人だけの変な空気をどうにかしようとしたのかもだけどね?
「えっと、その………好きな人っている?」
「え?い、いや、いないけど……?」
「そ、それじゃあ………」
何故だろうか。嫌な予感がする。彼女の頬を見ると明らかに紅潮しておりこの会話を考えるとどう考えても「今から告白します!」とでも言うかのようなだ。そんなことは無いんだろうけど。そのはず。しかし、なぜか嫌な予感がする。
「わ、私と付き合ってください!」
「陽ーおはよー……って、え?」
ほら、やっぱり。時計を見ると、クラスの大半が部活の朝練を終えて一斉に戻ってくる時間だった。扉の方を確認すると何十人もの人がいた。
(……っ!ヤバい、早く弁明しないとヤバい!)
この状況はよろしくない。なんとかしようと心の中で叫びながら、頭をフル回転させていると、ついに質問が投げ掛けられる。
「ねぇ、さっきのてどういう意味?」
最初に口を開いたのは挨拶をしてきた女子、瀬戸川 涼 (せとがわ りょう)だった。彼女もまた、美少女である。ポニーテールの黒髪。キリッとした凛々しい顔。そして、巡音さんと違ってクールな印象がとても強い。しかし、言葉使いは何故かギャルぽいのは理由があるのだろうか。
「わ、私が望月君にこ、告白をしたの!」
(僕の学校生活が終わった。)
俯いていた僕は恐る恐る顔をあげる。と皆が固まっていた。なかには「何でこんなやつと…」、「 翼君ならまだわかるけどなんであんなやつ……」と口々に僕の悪口?を言っていた。
「は、陽?それは、嘘だろう?全く陽は、冗談がうまくなったなぁ……」
ハハっと笑いながらイケメンの中のイケメンである、天田 翼 (あまだ つばさ)は、困った笑みをめ巡音さんに向けていた。彼は、やや茶髪の整った顔立ちで正義感が強く男女問わず人気である。
(よし!これは、チャンスだ!)
「そ、そう!冗談だよ…ね?」
僕は、やや、ね?を強調して言った。それが、地雷とも知らずに………。
「違うよ?本気だもん。」
そういった瞬間、瀬戸川さんは頭を押さえて困ったような顔を、天田君は、雷にうたれたような顔をしていた。推測だが、天田君は、巡音さんが好きだったのだろう。イケメンとマドンナ。画になるようなカップルだ。そして、他のみんなは今にも僕に掴みかかる勢いで睨んでいた。
(僕は、悪くないのに……)
はぁ、とため息をついたその時だった。巡音さんを囲むように教室の床に所謂、魔方陣がいくつも出てきた。皆は、突然の出来事に、なにもできなく魔方陣へと吸い込まれていく。僕は、意識がなくなる最後
(小説では、こんなことがあったら瞬時に対応しようとするけど実際は無理じゃねぇか!)
そう心の中で叫んだ。まぁ、途中で吸い込まれてたけどね。
ーーーーーこれが全ての始まりだったーーーーー
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