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3

 舞踏会当日。

 会が始まるのは夜だが、アメリアは早めに城に来ていた。

 レオンハルトに会うためではない、クリスティーナに会うためである。

 

 彼女と昼食を食べながら、アメリアは10年前の出来事から妹イザベルのことまですべて話した。


 「へえ、まさかアメリアとレオンお兄さまがねえ。」


 「うん・・・」


 どこか感心した様子のクリスティーナに、アメリアはなんともいえない心地がする。


 「でもさ。」


 「なに・・・?」


 「妹ちゃんのことは、議会が勝手に決めただけでしょ?だったらやっぱり、レオンお兄さまが好きなのはアメリアだわ。」


 それにその指輪、とクリスティーナがアメリアの左手をとった。


 「この指輪、レオンお兄さまのお母さま、先代の王妃さまの形見よ。」


 「えっ、そんなに大事なものを。」

 

 レオンハルトの母は隣国の王女だが、レオンハルトを産んですぐに亡くなった。


 「それを託せるだけアメリアを好きで、信頼していて、つなぎ止めたいって思っているんじゃないかしら。」


 クリスティーナの言葉が、心にしみていく。


 「そうね、わたしもレオンを信じないと。」

 

 アメリアがそうつぶやくと、クリスティーナは苦笑した。


 「ねぇ、アメリア。」


 「なぁに?」


 「アメリアは、本当にレオンお兄さまのことが好きなのね。」


 少しためらった。でも、アメリアは強く頷く。


 「えぇ、とても。」


 そう言って、柔らかく幸せそうに笑ったアメリアは、どこか少し寂しそうだった。


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