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コビトさん(仮)  作者: にゃべ♪
コビトさん(仮)~後編~
9/9

変わったトータと小人さんの本心

「まぁ、そう落ち込むなよ…」


平賀がトータに励ましの言葉をかけてくれました。

小人さんがいなくなったショックでうつむいていたトータでしたがこの言葉を

受けて平賀の方を見上げました。

彼の優しい顔に少しだけ落ち着きを取り戻すトータでした。


「そうそう、どうせいつかはこう言う日が来るって分かってたんだしさ」


田辺も彼なりに励ましてくれました。

いつもイライラする田辺の口調も今回ばかりはとても慈愛のあるものに聞こえました。

その時、平賀が何か思いついたという顔でみんなに語りかけました。


「あ、今度みんなで遊びに行こうよ!気晴らしにさ」


彼のこの言葉に周りのみんな賛成しました。

そして急遽「トータを励ます会」が結成され、次の休みに遊園地に行く事が決まりました。


他のみんなもトータを心配して口々に励ましの言葉をかけてくれました。

それらを聞いてトータも段々いつもの彼に戻っていきました。

こんなにもみんなから思われていたと思うと嬉しくなって思わず涙が流れてきました。


「有難う、みんな!」


次の休日、トータはみんなと遊園地に遊びに行きました。

それまで人との接触を避け、孤独を通してきたトータが初めてプライベートで

大勢の友達と共に楽しい時間を過ごしました。


この日を境にいつの間にかトータはクラスの中心的人物になって行きました。

よく笑うようになったし、自分から話しかけるようになりました。

それは昔の無愛想なトータからは信じられないような変化でした。


今になってトータは思うのです。

小人さんは自分をクラスに溶け込ませるようにする為にこの世界に留まったの

ではないかと。

そしてもしかしたらまた別の人の下で同じようにクラスに馴染めない人を

励ましているのではないかと。


「隊長~、今度はここですかぁ」


「うん、みんなはもう帰っていいよ」


トータの読みは当たっていました。

小人さんは今はまた別の人の部屋で言いたい放題我侭を言っているようです。


「きっとあいつ今頃どこかの部屋で別の誰かに我侭言ってるんだろうなぁ…」


トータは空を見上げながら思い出し笑いをしました。

その視線の先には綺麗な夕焼けが見事に空を紅く染め上げているのでした。


(おわり)

実際、何かのきっかけで周りの状況って簡単に変わったりするんですよね。

特に学生時代なんて。


書いていた当時は行き当たりばったりで書いていたんですけど、それなりに

うまくまとまった気がします。

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